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ペガサスの翼に乗って

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年2月10日

フリーアナウンサー  青山 佳世(第2869号・平成26年2月10日)

新年に入って早ひと月、午年の出足はいかがでしょうか。株や金融の世界では「馬尻下がり」といわれ、経済などが停滞するジンクスがあり、今年も消費税率引上げ後の行方が懸念されています。 たしかに駆け込み需要の様相は著しく、市民にとっても気になるところです。

しかしそれよりも、ペガサスの翼に乗って上昇していくような希望を持って歩いていきましょう。午年にちなんでか乗馬体験や、競馬場に行く機会が増えました。馬に乗るというより、 乗せてもらうという感じ、調教の行き届いた馬は人間の扱いが上手です。かつては神事、軍馬、農耕馬、家族と同様に暮らしに欠かすことのできない身近な存在だった馬ですが、 今では都会の中ではほとんど馬に触れ合う機会はありません。都心で乗馬といえば敷居が高く、しかも狭い馬場で円を描いて回るだけ。ところが北海道や大山、 阿蘇のひろびろした牧場や草原を馬で走る・・・(私の場合は歩くだけですが)馬にとっても人間にとっても豊かな空間です。目線が高くなり、世の中を俯瞰してみることの大切さを改めて実感します。

一方鍛え抜かれたサラブレッドの競走馬は実に美しく、毛並みの輝き、折れそうでいて逞しいすらりとした足で駆け抜ける姿にはため息がでます。スタート早々抜け出して、 そのまま一気にゴールする馬もあれば、中盤まではマイペースで走り、ゴール直前でぐいぐい追い抜き観客を沸かせる馬もいます。馬の性格を見抜き、操る騎手の見事な手綱さばき。 その個性をどう活かして最大の力を発揮させるか、調教、騎手の腕次第。中にはスタート直後に騎手を振り落して、そのまま1着ゴールする馬も・・。波乱万丈、すんなりとはいかないことも、 人の人生を見ているようです。馬に愛着や共感を覚えるのは、馬との長い歴史に培われた人間の血なのかもしれません。最近は家族連れや女性のグループ、おひとり様も増えてきています。

何が起こるかわからないスリルも楽しみつつ、ペガサスの翼で時代の風にのれるよう、今年も1年、いい年にしたいものです。