ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 町村長随想 > 人と自然が輝くまち美浦を目指して

人と自然が輝くまち美浦を目指して

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年1月19日

 茨城県美浦村長 顔写真茨城県美浦村長 中島 栄

美浦村は首都東京より60km圏内、茨城県南部に位置し、村の北東には全国第2位の湖・霞ケ浦が豊かな水を湛えています。沿岸の地域は、中世以来、生活物資を運ぶ水運の拠点として栄え、江戸時代から明治時代になるとワカサギ漁の帆曳船が行き交う淡水漁業で賑わいをみせていました。また、霞ケ浦を望む先に信仰の対象とされてきた紫峰筑波山の美しい姿を眺望することができます。その景観は縄文時代以来変わることなく、今も人々の生活に息づいています。国内屈指の「陸平貝塚」には、そうした縄文人の生活跡や彼らが残した途方もない量の貝殻の堆積が今でも景観と共に残されています。平成10年に国史跡に指定され、16年には文化財センターが建設されました。平成20年度から実施されている、住民参加による学術調査は、全国的に見ても先駆的な取組であると自負するところです。

美浦村の現在の人口は1万5,800人ほど(村としては全国7位の人口)で、基幹産業は農業が中心です。

美浦村の気候は、冬は晴天の日が多く乾燥し、夏は高温多湿型の天候が続きますが、寒気・暑気ともに穏やかで総じて温和な気候となっています。

地形については、霞ケ浦(西浦)と小貝川に挟まれた稲敷台地の先端部分に位置し、海抜は30m以下の比較的低い台地で、古くから稲作が営まれ、高品質の米や野菜などを生産しています。陸地34.0平方キロメートル、湖面32・61平方キロメートル、合わせて66.61平方キロメートルであり、陸地と湖面がほぼ同じ位の面積となっています。

近年、美浦村では、欧州を中心に栽培され、日本でも若い世代に人気が出てきた「パプリカ」の栽培に2つの農事法人が取り組んでいます。また、新たに進出を検討している事業者もあり、他地区の生産と合わせて、茨城県が生産量日本一(収穫量1,000tを超える)となることも期待されます。また、「マッシュルーム」も、JRA美浦トレーニング・センター所属馬の厩舎から出る厩肥を栽培に利用した地域特産品として、地域名をアピールしています。

産業構造から見ますと、美浦村は昭和53年に開場した、東京ドーム約48個分(2.23平方キロメートル)の敷地を有する、日本中央競馬会の美浦トレーニング・センターがある「トレセンのまち」として知られています。トレセンがあるのは国内2カ所だけで、競走馬の調教では、美浦村が東の拠点、滋賀県・栗東市が西の拠点となっています。また、電子部品・デバイス分野で製造品出荷額を押し上げているのが、日本テキサス・インスツルメンツ株式会社美浦工場です。

美浦村では、地方創生を進め、人口減少対策と景気の高揚による地方の活性化に取り組んでおります。

一例として、かねてより、民間商業施設を誘致し、にぎわい創出と定住促進を目指した地区開発を計画しておりました。それが、地域再生法の一部改正に伴う「小さな拠点」形成の考え方と見事に合致しまして、本村の地域再生計画は、内閣総理大臣の認定を平成27年11月27日に受け、当時の石破茂内閣府地方創生特命担当大臣より、地域再生における小さな拠点のモデルとして12月1日記者発表されました。小さな拠点形成の核であります「地域交流館みほふれ愛プラザ」は、平成29年3月26日に竣工しました。

そして10月11日には、茨城県うるおいのあるまちづくり顕彰事業の「まちづくりグリーンリボン賞」を受賞しました。

この施設は、同一敷地内に民間の商業施設を併設することにより、村内での生活の不便な状況を改善し、人口減少にも歯止めをかける「人と自然が輝くまち美浦」の中心となる施設で、村を活性化する、村民へのサービスの拠点となります。また、村からの情報発信の場でもあり、少子高齢化の加速する中、子育て支援機能、多世代交流機能、地域産品直売所を併せ持つ地域交流拠点でもあります。

施設に設置した子育て支援センターの利用者数は10月12日に延べ1万人を達成しました。隣接する市町からの利用者も多いと報告されています。

地域産品直売所については、友好交流都市協定を締結している市町村、地域間交流を行っている自治体とのコラボ商品や、美浦村の特産品の6次化加工品などを揃え、消費者の関心を引くように心がけています。特に、北海道の新ひだか町の地域産品とコラボした新商品は斬新的な取組であると思います。

行政自らの変革を嫌うことなく、住民が誇りと愛着を持つことが出来る「住民が主役」の地域社会の実現のため、取り組んでまいります。美浦村へのお越しを心よりお待ちしております。