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真室川音頭を発信し心豊かな町をめざして

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年10月16日

 山形県真室川町長 井上 薫山形県真室川町長 井上 薫

真室川町は、山形県の最北部に位置し、神室山系黒森山を源流とする真室川と、鳥海山麓から流れ下る鮭川の流域に発展した農林業の盛んな町であります。

人口約8,100人、総面積374平方キロメートル余りの88%が森林で占められており、先人達はその森林資源をもとに生活を営む中で、厳しい自然と共存しながら、様々な生活の知恵を生み出し、また風俗や習慣をも培ってきました。

また、民謡「真室川音頭」の発祥の地でもあります。昭和2年頃「山水小唄」として慕われた唄は「真室川音頭」となり、鉱山や軍隊飛行場建設に携わる労働者・兵隊の間で賑わい、戦後この人達が郷里や全国津々浦々に移り住んだことで全国的に広まりました。現在も全国で愛唱されている代表的な民謡の一つであり、毎年県内外から多くの出場者を迎えて「真室川音頭全国大会」を開催しています。

当町は、「伝承文化のふるさと」として活動してきました。先人達によって生み出された伝承文化は、時代の移り変わりに合わせて柔軟に変化しながら、様々な意味を持って、大切に伝承され続けてきました。

町指定無形民俗文化財として「平枝番楽」、「釜渕番楽」、「八敷代番楽」があり、現在まで約300年の歴史を持つ伝統芸能とされています。

番楽は、それぞれ特徴があり、演目も同じではありませんが、小学生が前口上を述べるときには、その一生懸命な姿が素晴らしいと会場は盛大な拍手に包まれます。少子高齢化の中でも代々受け継がれ、地域の山神社の祭典として五穀豊穣、家内安全、健康を祈願する祭です。是非、皆様のご来場をお待ちしております。

当町では、儲かる産業の実現により町全体を活性化するため、農林水産業の6次産業化に係る具体的な推進方針となる「真室川6次産業化推進計画」を策定しております。

具体的なプロジェクトとして、次の6つがあります。

1. 遊休農地フル活用山菜生産販売プロジェクト 
遊休農地を活用して、粘り、香りのあるわらび・うど・タラの芽などの山菜を生産し、町内産直での販売や町内製造業者に供給し加工・販売していきます。

2. 自給飼料による酪農・畜産業振興プロジェクト 
町内の耕種農家が飼料作物を作付けし、その飼料を町内の酪農や畜産農家に供給して、牛乳や畜産物を生産し、これを活用したジェラートなどの販売や、町内産和牛を提供する飲食店を開設していきます。

3. 温泉水活用園芸農業振興プロジェクト 
当町で湧出する温泉水や、バイオマスエネルギーなどを活用して、トマトやパッションフルーツ等を生産し、生食として高品質のジュースやジャムなどに加工して町内の産直で販売していきます。

4. 真室川郷土料理あがらしゃれプロジェクト 
町内に真室川の郷土料理を食べることができる場を設け、原木なめこ汁、川魚料理、キノコ飯など、季節に応じた料理の提供を予約制で行っていきます。

5. 産直インターネット販売ハブ化プロジェクト 
産直施設がインターネット販売サイトに町内産品を出展し、町内産品の注文を一括して受け、各生産者や製造業者から商品を集約して販売するしくみを、準備中です。

6.もったいない物活用プロジェクト 
農林水産物の市場出荷の際の規格外品を製造業者などに提供し、加工品の原料として活用したり、イベントなどで一部を販売していきます。

今後とも、異業種のネットワークを大切にし、農林漁業者だけでなく関係する団体が互いに協力し合い、町全体で6次産業化に取り組み、儲かる産業の実現に邁進してまいりたいと考えています。

また、「第19回米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」を当町で11月25 ・26日に開催します。国内外の米を一堂に集め、審査・評価することにより、安全性や良食味を求めた「良質な米づくり」を支援するとともに、日本農業の核である「米づくり」を守ることにより、豊かな田園風景を存続し、地球環境保全に寄与することを目的としています。

大会運営の基本方針を、「連携」「参加」「発信」と定め、町民一同『おもてなしの心』で皆様のご来場をお待ちしております。