ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 町村長随想 > 人口の一番少ない町 山梨県早川町のこれから目指すもの

人口の一番少ない町 山梨県早川町のこれから目指すもの

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年4月3日

人口の一番少ない町 山梨県早川町のこれから目指すもの

山梨県早川町長 辻 一幸

■はじめに

山梨県早川町は、県都甲府市の南西部に位置し、富士川の支流、早川流域全域にあたり、西は、静岡県と県境をなす370㎢の面積の町です。町の最北部には、甲府盆地からもひときわ目立つわが国第二の北岳(3,193m)、第三の間の岳(3,190m)、農鳥岳(3,050m)の南アルプス連山が連なるその麓に位置します。アルプスの急峻な地形と96%が森林という一寒村です。

昭和31年、昭和の合併により早川流域六か村が合併して今日に至っています。平成の合併時には単独を選択し、以来、1,718の自治体中(町は744自治体)一番人口の少ない町となっています。

町は、長いこと人口の流出、過疎化、高齢化等の厳しい現実に直面してきています。

こうした中で、2006年に策定した町づくりの指針「日本・上流文化圏構想」を核として町づくりを進めています。

■町を取り巻く変化の到来

2014年の6月、私たちの南アルプス圏域(静岡、長野、山梨の6市3町1村)はユネスコ(国際教育科学文化機構)においてエコパーク(生物圏保存地域)として認定を見ました。

第二に、東京―名古屋間の夢のリニア中央新幹線の建設が、2027年の完成を目途に、わが町を起点として東西に始まりだしました。リニアモーターカーがわが町を通過するなどということは、だれも思っていませんでした。町を挙げてこの実現に協力を始めました。

第三に、あと二年で、私たちが待ち望んでいる中部横断自動車道路・新東名清水―中央自動車道双葉間の自動車道路が完成し、町の玄関口にICが実現いたします。いよいよわが町も高速自動車時代に与していける時がやっと迫っています。

第四に、町の行き止まり状態の解消を目指し、町の最北部から周遊自動車道路の建設が五年後の完成を目途に始まりだします。これまでの町の不便さ解消の一大悲願が、このことにより達成されようとしています。

第五に、町制施行六十周年を記念して、山村らしく地元の木をふんだんに取り入れた役場の新庁舎を竣工いたしました。役場は新しい町の顔として、これからの町づくりの核としての存在感を発揮すると信じます。

早川町はこうした大きな変化が生まれだしている中で、将来に向かって小さくてもきらりと光る町づくりを目指し生き残りをかける決意です。

■これから町が目指すもの

早川町は、豊かな自然の中で、ただ物だけを求めるのではなく物と心の調和した住む人すべてが真の豊かさのある町を構築していくことをより目標としていきたいと考えます。

これまで地域を存続持続していくために、それぞれの地元にある資源を掘り起こし旧村(六か村)ごとの地域づくりを推し進めてまいりました。「秘境奈良田の里」「南アルプス野鳥公園とヘルシー美里」「南アルプスふるさと活性化財団」「雨畑硯の里づくり」「信仰とやすらぎの里赤沢宿」「NPO上流文化圏研究所」等々。

こうした町づくりから、いま足元を再確認してみると、1、世界的に価値のある自然、南アルプス国立公園・ユネスコエコパーク・南アルプスジオパークが存在する。2、日本で最も人口の少ない町・山型生活文化・自然環境と調和した人々の暮らしがある・野生動物との共生。3、野鳥公園・ヘルシー美里・郷土資料館・自然と文化を伝える教育拠点や宿泊施設がある。4、自然共生型(森林・温泉)の現存文化の中で、新しい可能性のある観光地づくりを目指せる。5、首都圏東京から短時間で来ることができる。これらのことが再確認できます。

これからの行き方として、生きている自然と生きている文化を活用して野や畑の利用、技術と知恵の伝承、自然環境教育の充実と拠点づくりを考え、時代や価値観が変化していく中で、住民と訪問者が互いに恩恵を受けあう町づくりを目指したいと考えます。自然との共生の中で真に豊かで健康な町づくりに努力を続けてまいります。