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「ひと・まち・自然」輝く 故郷の創造

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年5月19日

岐阜県町村会長 岐阜県笠松町長 広江 正明

 

わが町笠松町は、岐阜県の南西部に位置し、木曽川右岸に沿って帯状に広がる地形で木曽川を隔てて愛知県一宮市と隣接する、人口約2万2千人の町です。

本町の面積は10.36k㎡で、その面積のおおよそ3分の1を木曽川が占めており、古くから水陸の交通の要衝として開け、木曽川を通じて岐阜と名古屋を結ぶ重要な地でした。 江戸時代には幕府直轄地として美濃郡代笠松陣屋、明治維新後には笠松県が置かれ、明治6年3月に岐阜へ移庁するまで県政を執った岐阜県政発祥の地です。

川湊のある商人の町として、この地方の政治・経済をはじめ文化の中心となり栄えていたことから、先人が築き、先人が残した歴史的遺産、また神社仏閣が多く残るのも笠松町の特徴です。

笠松競馬は、芦毛の怪物と親しまれた名馬「オグリキャップ」を輩出したことで全国的に有名です。

笠松町は、長い歴史と、木曽川や競馬場などの様々な地域資源に恵まれています。

そんな笠松町の新たな発展のためには、町の歴史・文化、自然条件を現代の社会経済的条件の中で再生させることが重要であり、そこに新たに「笠松らしさ」を付加し、 住民協働の理念のもとでまちづくりを進める必要があることから、平成20年、「リバーサイドタウンかさまつ計画」を策定しました。

この計画では、特に町固有の資源の効果的な活用を図るため、さまざまな手法を用いて住民参画を充実し、住民協働の理念の下で実現することを基本としています。

まちの拠点づくりでは、「まちの拠点」として「まちの駅」を複数箇所設置し、それを核としたまちづくりを進めようと計画したところ、 以前からまちづくり活動に関わりたいと考えておられた住民の皆さんが立ち上げから運営に参画していただき、「まちの駅」も今では49駅を数え、来訪者をおもてなしの心で迎えています。

また、水辺の環境を生かしたまちづくりでは、広大な木曽川河川敷のスポーツレクリエーション利用を促進し、広々とした河川環境と景観を積極的に取り入れたまちづくりを進めています。

平成25年には、人工芝と夜間照明設備を備えた「多目的運動場」が完成しました。この施設は、J2リーグのFC岐阜の練習場としても使用されており、町内外から訪れる方々も増えてきました。

また、このエリアには岐阜県一のビオトープである「トンボ天国」があるほか、堤防沿いにはサイクリングロードの整備が進み、清流木曽川に親しむ憩いの場所となっています。

一方、笠松の人づくりという観点から、全国的にも珍しい「笠松町道徳のまちづくり条例」を平成19年12月に施行しました。

地域、家庭及び学校が一体となって道徳的風土及び人づくりを進め、道徳心、マナー及びルールを大切にした生きがいと誇りのもてるまちづくりを目指しています。 町民一人ひとりが“笠松人のこころ”を育む具体的な取り組みとして、「きれいなまち」、「支え合うまち」、「あいさつのあるまち」の3つに取り組んでいます。 自分にできることを自らの意志で少しずつ取り組むことが、たとえ小さな取り組みであっても笠松の風土・人づくりにつながると考えています。

笠松町の持つ歴史や文化、清流木曽川に代表される恵まれた自然などの個性ある資源との共生と活用、多様な町民や地域がお互いを認め合いながら共に成長し、協力し合うことで、 町全体が調和ある輝きを放つような一体感の醸成を目指し、「“個性”を活かし“調和”を大切にしたまちづくり」を理念に、まちづくりを進めています。

「ひと・まち・自然」輝く故郷の創造に向け、今後も住民の皆さんと手を携え、夢と課題を共有しながら、特色あるまちづくりを進めてまいります。