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多くの人々に外灯を付けられるように・・・

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年9月18日

愛知県町村会長 愛知県武豊町長 籾山 芳輝

 

世界には190を超える国が現存しますが、その中で世界最古の国家が日本であることはあまり知られていません。この日本の長い歴史の中でも証明されているように、地方自治体も含め、 あらゆる諸種を問わず企業・事業、産業など、いつの時代も栄枯盛衰はあります。リーマンショック、電力関連産業や自動車関連事業の突発的な打撃など、日本人の何人が予想されたでしょうか。

こうした経済情勢の急変は、日本中の地方自治体にも大きな影響を与えております。

東日本大震災を受け、常に、あらゆる面において危機管理意識をしっかりと持ち、可能な限りの想定をしながら、「選ぶ力」でもって持続可能な地方自治体を目指していくことが今こそ大切であります。

私は今年4月の選挙において、3期目を務めさせて頂いております。今をいかに生きるか、日々を大切に「一日一生」の気持ちを持って、全力でその任を果たしていかなければとの思いであります。

人の生き様には、縁(えにし)もあり、自己選択もあり、運・不運もありますが、結果的には、お蔭さまで今の町があり自分があるものと思っております。

私は、町の職員として昭和47年4月に入庁以降行政マンを33年間ほど勤めさせて頂きました。役場入庁前には、民間企業で2年間勤務をさせて頂き、遡れば大学も文学部に入学して、 途中編入学して法学部卒という経歴であります。

ことほど左様に、自分史においてもまさに「選択の連続」でありましたが、その時々の経験、判断が、すべて今の職務に役立っていることに感謝を致しております。

さて、先の参議院議員選挙において、自民党の大勝という結果となりました。

政権与党においては、税制、TPP、エネルギー、社会保障、外交、医療・介護、憲法改正問題など課題山積でありますが、これからの日本を形作っていく、 まさに政治の「選ぶ力」が真に試されることになると思っております。

私は現在のような情報化社会では、情報を早く正確に処理する「情報処理力」が強く求められていると思います。いろいろな情報が溢れる中、今日のような成熟社会では、 正解は一つということがないのかも知れません。

加えて、状況に応じて知識や経験を組み合わせて納得できる解を導き出せる「情報編集力」が必要だと思います。私共、地方自治体のトップとしても常に意識をすべきことと重ね合わせているところであります。

愛知県知多半島出身の教育学者森信三が言っています。「・・・心がけというものは、誰ひとり見えるものでは無くても、それが5年、10年と続けられていくと、やがて、その人の中に、 まごうことなき人間的な光が身に付き出すのです。人生に対する心がけを持たずして、一道を究められた人はいません。・・・」と。

また、私は、多忙を極めている時こそ、「相田みつを」の詩を読むことにしています。

「・・・いいことは おかげさま わるいことは 身から出たさび 外灯というのは人のためにつけるんだよな わたしはどれだけ外灯をつけられるだろうか」

これからも政治家の一人としていろいろな局面で、迷いつつも究極の選択をしていかなければなりません。持続可能な地方自治体を目指し、すべての人々が幸せ感を持って、 住民の皆様がそれぞれのまちに住んでよかったと思えるような時代づくりを今から行っていかなければならないと、改めて決意するところであります。

世界最古の国家である日本の誇りを持って、より多くの人々のために外灯を付けられるように。