埼玉県町村会長 埼玉県伊奈町長 野川 和好
久しぶりの休日・・・近くに住む孫と遊ぶことが、私の楽しみです。先日も3人の孫を連れて公園に出かけました。しっかり者のお姉ちゃん。怖いもの知らずの弟と妹。 無邪気に遊ぶ孫たちを見ているだけで自然と笑みがこぼれ、日頃の疲れが吹き飛んでしまいます。
伊奈町は、埼玉県の中南部、都心から40㎞圏内に位置しており、面積は14.80k㎡、東北新幹線と上越新幹線の分岐点でもあります。昭和18年に小室村と小針村が合併した際、 今から400年ほど前に関東郡代伊奈備前守忠次公がこの地に陣屋を構えていたことから、その名にちなみ伊奈村と命名したことが、その名の由来であります。今もなお、 町の東部を流れる綾瀬川付近一帯に広がる田園地帯や梨・ぶどうなどの果樹園、自然林などの豊かな自然が多く残っています。一方で、高度な医療体制の整った 県立がんセンターや県立精神医療センター、全国で初めて総合選択制を導入した県立伊奈学園総合高等学校、中高一貫校の県立伊奈学園中学校、県民の生涯学習を支援する 県民活動総合センターなど、県立の医療機関や文教施設を多数有している町でもあります。昭和45年に町制を施行し、おととし町制施行40周年を迎えました。
町制施行後、現在施行中の区画整理事業を合わせると、5つの区画整理事業を実施してきました。おかげさまで、人口は増加の一途を辿り、現在は43,000人を超えております。 平成22年に行われた国勢調査では、平成17年の調査と比べ人口増加率は16.3%。次の滑川町の12.2%を大きく離し、断トツの県内1位であり、全国でも5位でありました。 また、平均年齢でも40.4歳と県内で3番目に若く、15歳未満構成比においては17.7%と1位となっています。
町内を見渡すと幼い子どもを連れた若い夫婦や公園で遊ぶ親子をよく見かけます。若い世帯の転入が多いのと、合計特殊出生率も高い数値を示しています。平成22年の 合計特殊出生率は、1.53人と県内で第4位であります。この数字でわかるとおり、現在わが町に「少子化」という言葉はあてはまりません。
この急増する子育て世代のニーズに応えるため、乳幼児医療費の窓口払いを廃止したほか、小学校の新設、中学校を増築、保育所を移転建設して入所定員の拡大を図りました。 また、増加する保育所待機児童の解消を目指して、平成23年度には3つの民間保育所を開所し、受け入れ枠を拡大しました。
さて、先日、一般財団法人 群馬経済研究所が行った「北関東における市町村の成長力ランキング」調査を知りました。この調査は茨城、栃木、群馬、埼玉の4県内人口 1万人以上の市町村を対象に、人口や総生産の増減を基に算出した指数によりランキング化されたもので、わが伊奈町は、なんと2位に入っていました。原因となるものは、 やはり人口増加率のようで、特に働き盛りの世代を含む64歳以下の人口が増えたためだとの解説がありました。何ともうれしい調査結果でありました。
近年、子育てしながら仕事をしたいと希望する人が増える中で、仕事をしながら安心して子どもを産み、育てられる環境を整備することは、町にとりましても 重要な課題の一つであると考えています。転入者の皆さんにも「子育てしやすいまち」と言っていただけるよう、若い人に魅力あるまちづくりを進めていかなければなりません。 また、地域全体で子育て中の人たちを支援することも大切です。いざというとき、普段から地域の人同士の交流がなければ支援を頼みづらいものです。日頃から住民同士で交流し、 必要があればお互いに助け合う地域づくりも大切だと思います。
子どもは次世代を担う社会の宝物。私の孫、伊奈の子どもたち、そして全国の子どもたち。どの子も健やかに育ってもらいたいと願っています。
元気に走り回る孫たちを見守りながら、次はどこの公園で遊ばせようか、などと考えている休日のひとときです。