ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 町村長随想 > 新燃岳(霧島山)と共に生きる

新燃岳(霧島山)と共に生きる

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年7月2日更新

宮崎県高原町長 日高 光浩

 

嬉しいニュースが、新緑まぶしい5月8日に届きました。わが町の「広報たかはる」が、日本広報協会主催の平成24年全国広報コンクールにおいて、 町村の部広報写真(組写真)の部で見事、一席に輝いたのです。その写真とは、平成23年1月26日、300年振りに爆発的マグマ噴火を起こした 「新燃岳大噴火」です。

この度の新燃岳噴火災害に際しまして、全国各地より温かいご支援とご援助を賜りました。心よりお礼と感謝を申し上げます。

全国の皆さまのお心とともに、今回、この明るい話題は「被災したまち、たかはる」から「復興したまち たかはる」に向け、町民一丸となって、 懸命に取り組んでいるわが町にとりまして、さらに勇気と元気を与えてくれました。 

原町は、宮崎県の西南部霧島山の東側に位置いたします。人口9800人、黒毛和牛の生産が盛んな農業の町です。高原の名前の由来は、天上の国 「高天原」が転化をし、現在の高原になったと言われております。 

今回の噴火は、一瞬にして、平穏な町民生活を一変させました。
①避難勧告の発令と避難所運営の困難性  

火砕流発生の恐れがあるとの情報により、ハザードマップに基づく地域への勧告を発令
②二次災害を防ぐため、避難地域内の家畜の移動による一時避難
③降灰の影響による農作物等、各種被害への対応
④土石流対策等、いろいろな教訓も学ぶことができました。新燃岳を含む霧島山からの豊富な水は、日本の食糧供給基地として、 地域の農林水産業の発展を、温泉は、山麓の活性化に大きく寄与しております。火山からの多くの恵みに感謝をいたしながら、 風光明媚な霧島山と共生するためには、火山活動に対する意識をこれまで以上に高めていく必要があります。

高原町は、NPO法人「日本で最も美しい村」連合に加盟しています。今、全国、44の町や村、地域の仲間と一緒に、失ったら二度と取り戻せない、 そんな日本の農山村の景観や環境・文化を守る活動に取り組んでいます。 

加盟以来、わが町をよりきれいに、さらに美しくしたいというボランティアの方々の活動が増えています。このことは、 町民自らが高原町に誇りを持ちながら、将来にわたって美しい町づくりが展開されていくものと大きな期待とともに、夢が広がります。 

本年、10月3・4・5日は、高原町において、連合の全国フェスティバルが開催されます。連合が定める加盟条件は、2つ以上の地域資源がある ことです。高原町の地域資源の一つ目は、天孫降臨の舞台となった霊峰高千穂峰や新燃岳を含む「霧島山」です。二つ目は、四百年以上の歴史をもち、 国の重要無形民族文化財に指定されている祓川神楽と狭野神楽で、「高原の神舞」として有名です。 

フェスティバル会場は、高千穂峰の麓、第一代天皇となられた「神武天皇」生誕の地でもあります「皇子原」公園です。

今年は、「古事記」編さん千三百年の記念すべき年でもあります。日本の神話、歴史、古代史とのかかわり深い地で、かがり火が焚かれる中、 勇装な神楽舞を堪能していただきます。

また、日本一の「宮崎牛」と地元の手作り料理に舌鼓を打っていただく「おもてなし」を計画中です。

今、まさに気合が入っています。

高原の地から
「がんばろう 日本」
「がんばろう 東北」
「がんばっど たかはる」です。