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「私の社会保障・税一(部)改革案」

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年6月25日

「私の社会保障・税一(部)改革案」

富山県立山町長 舟橋 貴之

3月議会定例会「提案理由説明」の一部を紹介したい。 

『立山町長としての業務に、県社会福祉事務所に対して、生活保護の進達を行うものがあります。これまで民生委員さんの意見や 町担当者の面談に基づいた書類に目を通し、印鑑を押してきました。どなたも気の毒な状況の方ばかりです。ただし、経歴を読みながら 思うことがあります。「なぜ、この人は、収入があったときに基礎年金の保険料を払わなかったのだろうか?」と。 

現在、国民年金の納付率は国全体でおよそ6割です。しかも、2割の方が減免を受けておられますので、実際、保険料を払っている 人は5割です。この保険料方式が続くとどうなるのでしょうか? そうです。将来、大量の無年金者が発生することになります。 そして、現在でも2百万人を超え、総支給額が3兆円を超えている生活保護受給者が、大幅に増えることが予想されます。 

国民年金は満額支給で月額6万6千円。ところが、生活保護総額は居住地によっても異なりますが、生活扶助だけでも年金支給額を 上回り、さらに、住宅扶助のほか医療費もタダです。(略) 政府の「社会保障・税一体改革大綱」には、消費税の一部を基礎年金の 国庫負担3分の1から2分の1に引き上げるための財源に充てるとしています。さらに、受給資格期間を25年から10年に引き下げる としていますが、それでも、保険料を払わない人は払わないのです。私なら、基礎年金分を全額、国庫負担(消費税)にします。 その結果、月額1万5千円余の保険料を払わなくても済むわけですから、多くの若年層の負担は、たった今から軽減し、かつ、 将来の生活保護受給者を減らすことができるのです。』 

  

この原稿の締め切りが4月下旬であるため、流動的な要素を残しているが、6月においても消費税増税法案は、 まだ可決されていないと予想している。超高齢・人口減少期の到来による介護や医療への繰り出しが、自治体財政を圧迫している。 そのため、全国町村会も偏在性の少ない地方消費税の増額を期待していることも承知している。しかし、 「いま、苦しいから」と言って、現政権のように増税分を「これに使います。あれにも使います」と、社会保障の拡充を 約束してはいけない。次世代に対して無責任であると考えている。 

私は、これまでに2度、全国町村会に対し、政府予算編成及び施策に関する意見(案)を提案した。そのひとつが、 少子化対策に関連して「所得税の扶養控除の見直しなど、三世代同居を推進する施策を講ずること」である。
① 所得税の扶養控除の条件は、現行は同居老親等を70歳以上としているが、小学3年生以下の子どもを
  含む三世代同居(世帯分離を認めない)世帯では、60歳に引き下げること。これは、放課後児童クラブの
  対象児童は概ね10歳未満(つまり小学3年生まで)であるので、60歳代の祖父母に子どもをみてもらう 
  ことができるためだ。
② 現行の控除額は、同居(58万円)と非同居(48万円)となっており、10万円の差では、同居のメリットが
  見出せない。そこで、同居( 78万円)、非同居(38万円)とすること。なお、実際に老親と同居している
  世帯が少ないのだから、この改正により税収が下がることはない。 

また、保育所においても、「せめて3歳未満児までは、家族(祖父母)にみてもらうほうが健全育成上、望ましい」と、 現場の保育士は訴えている。0.1歳児の保育単価は、月額15万余円となっているので、極論すれば、おばあちゃんに 月額10万円を渡したとしても行政コストは削減されるし、おばあちゃんの収入にもなる。ちなみに、首都圏では未満児保育の 待機児童が多いと聞くが、我が富山県には待機児童はいない。

消費税率を引き上げるのはやむを得ないが、全国町村会幹部におかれては、古き良き家族の形態がまだ残っている 町村の良さをPRし、家族を基本とするような改革とするよう政府に提言されることを望んでいる。