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「みんな」が主役。すべての`ちから´を集結する協働参画を目指して

印刷用ページを表示する 掲載日:2011年5月16日

大阪府熊取町長 中西 誠

3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震では、死者不明者が2万4千人を超えるなど、甚大な被害が有りました。
被災された皆様方におかれましては、心よりお見舞い申し上げますとともに、今後、我がまち熊取町としても、全国の町村ともども関係機関と協力し、被災地への支援に積極的に取り組んでまいりますので、希望を持って復興への道を歩んで頂きたいと思います。
さて、我がまち熊取町は、大阪府の南部、関西国際空港を目の前にする面積17.23平方㎞、人口44,716人(平成23年2月末)の温暖で雨量も少なく、快適で暮らしやすい気候風土に、大阪体育大学、大阪観光大学、関西医療大学と京都大学原子炉実験所の4つの大学、全国町村では一番の、35万冊の蔵書を誇る図書館、年間20万人の利用者がある総合体育館(ひまわりドーム)を有する「学園文化都市」を形成しています。歴史的にも古くから知られ、平安時代初期の編さんである「日本後紀」に桓武天皇が「熊取野」で遊猟されたと記されています。
私が町長に就任して1期4年目を迎えますが、最初の年に取り組んだ事は、入札改革でした。一般競争入札制度、郵便入札制度の導入を行い、入札監視委員会も設置し、透明でクリーンな入札事務を実行して二度と談合問題を起こさない制度とし、適宜見直し等も行っています。
町政運営としては、2017年までを年次とした、第3次総合計画の元、みんなが主役「やすらぎと健康文化のまち」を目指し、計画の実行にあたっては、住民の皆様のより多くのより積極的なまちづくりへの参画のもと、行政はもとより、住民・コミュニティ組織など全ての‘ちから’を結集し、持続可能なまちづくりの展開と、安住魅力のあるまちの実現を目指している所です。
昨年3月には、熊取町協働憲章を策定し、従来型の行政だけで公共サービスを提供するのでなく、複雑・多様化する地域の課題に対応する為に、住民ニーズに合った、より身近できめ細かな個々の公共的なサービスを提供する新たな仕組みとして、「協働によるまちづくり」を掲げ、住民等が地域の活動に参加するきっかけを生み出すことにより、人と人のつながりや団体同士のつながりを生み、人、もの、情報などのネットワークも広げていきたいと考えています。昨年4月には、JR熊取駅にあった住民サービスコーナーをリニューアル、駅下にぎわい館としてオープンし、小さいながら住民への情報発信基地として町内4つの大学PRコーナー、商工会ブース、町や各種団体等のイベント情報コーナー、待ち合わせ等の出来るコーナーを設け、四季折々のかざり付けも職員が工夫して行ない、昨年比2.4倍の住民の皆様の交流の場として利用頂いています。
また、今年3月には町のホームページを更新し、新鮮な情報をより早く、わかりやすく発信するよう務めています。新たに部長ブログを設け、各部署の取り組み等の紹介や近況も交えた親しみやすい取り組みも始めています。
我がまちでは人口の増加は府内でも上位にありますが、ゆるやかな曲線となっており、今まで重点的に取り組んできた子ども施策も、なお一層充実させる必要があると感じています。子どもはまちの宝ですから。
将来のまちの発展の核となるよう取り組んでいるのが、京都大学原子炉実験所で行われているホウ素中性子捕捉療法(BNCT)、簡単に言うと、通常細胞を壊さずにホウ素を取り組んだガン細胞のみを中性子を用いて狙い撃ち、やっつける治療法です。
平成20年4月「くまとり新時代シンポジウム」と題して講演会を開催して以来、この研究成果を医療の発展や、地域振興につなげていくため、平成20年11月には中性子ガン治療法としてスーパー特区の採択を受け、昨年9月には国の制度である地域活性化総合特区(仮称)へ仮提案を行い、平成23年度の本提案に向け現在鋭意準備中です。
本町は今年11月3日をもって町制施行60周年を迎えることから、新たな取り組みとして住民との協働により、大阪で一番きれいなまち「くまとり」を目指して、美しいまちづくり推進委員会を発足させます。これからのまちづくりは住民が主役です。