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 連携の力とかたち

印刷用ページを表示する 掲載日:2010年3月29日更新

北海道白糠町長 棚野孝夫


■「食育」
バンクーバーオリンピックが開幕した。4日目を終わって、銀と銅のメダルが各1つ。これからも選手の活躍、特に道産子選手の奮闘を期待したい。
カーリング競技が盛んな町、旧常呂町の隣り、先輩としてお世話になった佐呂間町の堀前町長が10年ほど前、当町の総合給食センターの視察に見えられたことがある。給食を食べたことのない子どもたちに、地元の食材を使ったおいしい給食を食べさせたい。熱く語られていたことを思い出す。2年ほど前に施設が完成し、給食が始まったと聞いている。本町と同じく、自立の道を選択された中で、大きな決断であったと思う。
釧路管内では昨年秋、全市町村で「くしろふるさと愛食週間」を設け、地元食材を使った学校給食を実施した。地域の農畜産物、水産物のおいしさを再認識し、食に対する意識を高めていくための取組である。子供達に大変好評であったようだ。
食の王国北海道で食育がもつ意味は大きい。豊富な食材を知ることは、北海道の環境やその生業をもう一度見つめることにもつながる。行政にとっても将来の人づくり、地域づくりに関連する重要な施策のひとつであると思う。
■「連携」
釧路町村会は、道町村会のグランドデザインで、合併旧法での取組経過も踏まえ、広域連携を進めるため、できることから連携し、その方向性を見出していくこととした。
以来、首長レベルの協議を重ね、新たな連携のかたちを模索し、管内が一体となって潜在する地域の活力を呼び起こすため、地域の現状を再確認する作業を行ってきた。
北海道は「日本の食料基地」という言葉に代表されるように、農業、水産業など一次産業が経済活動の中心となり発展してきた。また、釧路地域も同様に一次産業を基幹に今日がある。「一次産業に笑顔なくして二次、三次産業の活性化は成しえない。観光など貴重な地域資源を活かしていくためにも、一次産業の再興は釧路地域の官民が一体となって取り組まなければならない」。この思いを共有し、平成19年6月、釧路地域全体の発展方向を定めた「釧路管内地域づくりビジョン」が作成された。
前出の学校給食の取組は、ビジョン実現に向けた「活力ある農畜産プロジェクト」の一環として行われた。この他に「環境保全型森づくりP」、「海の幸新ブランド化推進P」、「観光振興P」、「人材育成・確保P」の専門プロジェクトがある。これら実務者レベルで構成する5つの「地域づくりプロジェクト」は、昨年、特産のナガコンブの新しい利活用法の全国からの公募、空の玄関口である釧路空港入口の道々に共同で植栽を行った。また、体験型観光の連携やヤナギなど早生木を使った「循環型森づくり」を行い、二酸化炭素削減を目指す取組などが進行中である。
食の安心、安全、世界的な環境問題が叫ばれる中、北海道の存在感は、国内外からクローズアップされ、チャンスの時を迎えている。地域主権型社会への流れが加速する中、まちの形態はそれぞれでいい。しかし、ひとつのまちではできないこともある。大勢でやったほうが実り多いものもある。今のうちに各地域で連携の体制を作っておくことが必要ではないだろうか。釧路地域の取組はまだスタート地点に立ったばかりだが、思いをひとつにして着実にその歩みを進めていきたい。
北海道選手団が一同に走り出したら、金メダルも夢ではないと思う。