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 きらりと光るまちづくりを目指して

印刷用ページを表示する 掲載日:2009年7月20日

茨城県大洗町長 小谷 隆亮


大洗町は、東京からは約100km。茨城県の太平洋側のほぼ中央に位置し、東西2.5km、南北9.0km、面積23.19平方km、人口約18,500人の町で、古くから海水浴をはじめとする「観光・保養の地であり、磯で名所は大洗さまよ」と日本三大民謡のひとつ「磯節」でも謡われた、白砂青松(はくしゃせいしょう)の景勝地です。
 
また、産業構造は、漁業・農業の第1次産業の就業者数は後継者不足から年々減少し全体の8%です。第2次産業は、水産加工業が中心として発展、就業者数は約30%。しかし、最近では経済不況や生産地間競争により厳しい経営状況にあります。一方、第3次産業の就業者数は約62%になっています。
今年は、町制施行55年の年です。大洗町は小さな町ですが全国有数の豊かな自然環境をベースにその魅力が磨かれてきた歴史でもあります。そしてその発展の礎は「原子力」と「港湾」であります。
昭和38年当時、40万坪の民有地を買収し、日本原子力研究所の誘致を皮切りに、動力炉・核燃料開発事業団(現在は、日本原子力研究開発機構)をはじめ、世界をリードする原子力研究施設が立地し、原子力の研究開発に先駆的な役割を果たしております。今後とも安全第一に住民との信頼の絆を深め、国際的な原子力エネルギー研究センターとして世界的に機能を果たしていくものと期待し、新産業の創出並びに人材育成を具現化できるよう取り組んでいるところであります。また、こうした原子力施設は電源三法による交付金や固定資産税等、町の財政にも多大な貢献を果たしています。
大洗港については、明治時代に築港に着手し、漂砂によって埋没した歴史を踏まえ再び外港を造ることに漁業関係者の悲願として建設に取り組み、昭和33年に地方港湾に指定され、昭和54年には重要港湾に格上げ、港湾建設に向け動き出したのです。その後、つくば万博に間に合わせるべく港湾整備が促進され、ついに昭和60年念願の北海道へ向けてフェリーが就航したのです。そのときの思いは万感胸に熱くなるものを感じたところであります。
平成7年には大型客船も接岸できる第4埠頭が完成し、以来、大型客船「ふじ丸」や帆船「日本丸」等が入港しています。昨年11月には、大洗港、常陸那珂港、日立港の三港が統合され「茨城港」として誕生し、大洗港はその中でも、国際的な観光港として位置付けられています。大型クルーズ船の入港回数も年々確実に増加してきており、今年の春には「ふじ丸」が屋久島・熊野と瀬戸内海クルーズで入港、秋には関西から客船「ぱしふぃっくびいなす」が茨城・日光を目指して入港します。
また、空港についても、平成22年3月には自衛隊百里基地との共有により茨城空港が開港し、高速道路は、北関東自動車道が東北自動車道と直結し、東関東自動車も鉾田.潮来間の計画線が実施線に格上げされて、成田へ通ずる路線整備が今後順調に進んでいくことになります。首都圏、栃木、群馬、茨城空港、成田空港などへアクセスできる基幹道路が整備され、陸・海・空の結節点となる非常に効率の良い物流の拠点港としての役割を果たすニューゲートウェイとして期待されております。
さらには、豊かな自然環境を生かした地域の個性化、魅力づくりに取り組んでいます。年間120万人の入場者で賑わうアクアワールド大洗(茨城県大洗水族館)、サンビーチ海水浴場、マリーナ、マリンタワー、リゾートアウトレットや明太子かねふくの「めんたいパーク」の開設など、商業施設の誘致によって港湾海浜部の観光資源の集積が進んでいます。昨年12月には港や海を地域の活性化に役立てる国土交通省の「みなとオアシス」に首都圏として始めて認定されました。
また、日本の渚百選と白砂青松百選に選ばれている大洗海岸や森林浴の森百選の大洗の松林などの景観、プロゴルフトーナメントの中でも難コースと言われる開場56年を迎える大洗ゴルフ場などの、先人から受け継がれた素晴らしい地域資源にも恵まれています。
この様な素晴らしい環境を有する大 洗町に訪れる来遊客は年間584万人で茨城県内第一位です。港湾地区の賑わいや自然景観など全国に誇れるきらりと光る魅力を磨いて町全体をマリンパークとして首都圏の中にしっかりと位置付けをして、一層の交流人口の増が図れる取り組みを強めていきたいと考えています。そのためには、まず大洗町民がこの素晴らしい環境を享受できること。更には、大洗を訪れる方々が自然や町民とのふれあいの中で、心を癒され、安全・安心な食で、明日の活力を与えられるようなオアシス、そのような観光交流都市づくりを進めています。
是非、全国の多くの皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。