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エイチあふれる 多気町をめざして

印刷用ページを表示する 掲載日:2009年4月6日更新

三重県町村会長 多気町長  長谷川 順一


三重県多気町は、松阪牛で有名な松阪市の隣町で人口1万6千人足らずの小さな町です。多気町は、一級河川の櫛田川と清流日本一にも選ばれた宮川に挟まれた肥沃な農地を有し、古くから農業が盛んでした。“多気”という名前にも“食べ物のたくさん取れるところ”という意味があると聞いています。
私たちのまちづくりへの思いは、「エイチあふれる多気町」というキャッチコピーに象徴されます。
「エイチ」は漢字では「英知」と書き、ご存知の通り優れた知恵という意味があります。先人たちの優れた知恵や現在の多気町にあふれる“町を良くしよう”という機運、そんな優れた知恵や熱い思いがいっぱいあふれる町でありたいと思っています。
また、「エイチ」はアルファベットでは「H」。例えばHから始まる言葉を思い浮かべますと、健康の「Health(ヘルス)」、希望輝く「Hope(ホープ)」、農業の町として、収穫の喜びの「Harvest(ハーベスト)」、あったかい心の「Heart(ハート)」、幸せいっぱいの「Happy(ハッピー)」、そして特に力を入れている"おもてなしの心"の「Hospitality(ホスピタリティー)」などなどたくさんあります。このようなHがたくさんあふれるような町を目指していきたいと考えています。
さて、私たちの町には三重県立相可高校という特色ある高校があります。私もこの相可高校のOBですが、普通科、環境創造科、食物調理科、生産経済科という4つの科があります。
その中でも食物調理科は、高校生レストラン「まごの店」の活動などで新聞やテレビに頻繁に登場し、日本中に明るい話題を提供し続けています。

「まごの店」は「多気町五桂池ふるさと村」にある同校食物調理科の調理実習施設で、学校が休みの日にクラブ活動の一環として運営されています。行列のできる店として人気を呼んでおり、地域の人もこの高校生たちの頑張りに感動し、大きな勇気をもらっています。
「まごの店」のコンセプトは、『料理家を目指す高校生の夢を、建築家を目指す高校生が形にする!"その夢"を多気町やふるさと村といった地域が応援する!』とし、県内の建築を学ぶ高校生に店の設計コンペを依頼し一等賞の作品をもとに建築しました。
異例ではありますが行政管轄外の県立高校のために、町はもとより地域住民、町議会、受け入れ先のふるさと村などが一致団結し、総事業費約9千万円をかけ平成17年2月にオープンしました。
さらに平成20年9月には、食物調理科卒業生の受け皿となる(株)相可フードネット「せんぱいの店」が、「まごの店」卒業生3名を中心に総勢10名で総菜とお弁当の店としてオープンしました。
このお店の特徴は、地域で無農薬や有機農業などと"こだわり"を持った農家の方々28名が、アグリメイツという生産者団体を作って野菜などの提供をしてくれるほか、三重大学、多気町、地元企業などといった地域に根づいた強力な応援団がいることです。
今後とも「エイチあふれる多気町」を目指して、地域と共に発展していく取組を続けていきたいと考えています。
最後になりましたが、「百聞は一見にしかず!」です。ぜひ多気町にお越しいただき、活気あふれる私たちの姿をご覧いただければ幸いです。