石川県津幡町長 村 隆一
私たちのまち津幡町は、石川県のほぼ中央に位置し、古来より加賀・能登・越中の三国を結ぶ交通の要衝として、また宿場町として栄えてきました。近年では、県都金沢市に隣接する立地条件や交通の利便性などにより、人口も毎年増加しております。
〔歴史国道に認定〕
平成7年に当町から富山県小矢部市までの延長12.8キロメートルが歴史国道「北陸道倶利伽羅峠」に認定されました。この道は古代から近世にかけて幹線道路として「万葉集」にも詠われ、参勤交代のための往還道として賑わった道です。
この歴史国道の入口にあたる竹橋地区には、歴史国道の全容を映像や模型で感じ取れる道の駅「倶利伽羅源平の郷 竹橋口」や宿泊、研修、農業体験ができる「倶利伽羅塾」を設置しま街道沿いには古墳や城跡をはじめ、数々の遺跡が残り、源平倶利伽羅合戦が繰りひろげられた峠付近は、倶利迦羅不動尊や約2,000本の八重桜などがあり、いにしえから現代までの峠の姿が体験できる絶好のハイキングコースとなっております。
〔加茂遺跡広場を整備〕
平成12年には、国道8号津幡北バイパス建設に伴い発掘調査が行われた加茂遺跡から、平安時代の幅約7メートルの古代北陸道や日本最古のお触書「加賀郡ぼう示札(さつ)」が出土しました。ぼう示札は、この時代の農民の心得を記した木札で、江戸時代の高札に相当し、実物が出土したのは全国初めてのことです。遺跡は、国土交通省の協力でバイパス建設と遺跡保存の両立が可能となり、発掘調査によって明らかになった当時の様子などを復元できるよう遺跡広場の整備を行っています。
〔特産品の栽培〕
農業面では、転作用の作物として「まこもたけ」の特産品化に取組み、国内有数の産地と呼ばれるようになりました。まこもたけは、イネ科の植物で、茎は淡泊な味わいで、主に中華料理の食材として料理に用いられ、葉はクリスマスリースや正月用しめ縄にも利用されています。生野菜としての出荷が8月末から10月下旬に限られていることもあり、「まこもきんぴら」、「まこもの水煮」、「焼まこも」、「まこもアイス」などの加工品を商品化し一層の消費拡大を図っています。
〔石川県森林公園などの施設〕
町の中央部には、面積が町の10分の1を占める本州で一番広い石川県森林公園が位置し、昭和58年に全国植樹祭、平成六年に全国育樹祭が開催されました。園内には、ボート乗り場やテニスコート、ログハウスやキャンプ場などの施設が整備され、自然学習やスポーツなど目的に応じた利用ができる施設となっています。また、夏には約35万本のひまわりが咲き誇る河北潟干拓地・ひまわり村や流しそうめんが味わえる河合谷・大滝など、美しい自然や貴重な歴史・文化遺産が数多く残っております。
〔更なる発展を目指し〕
昨年は、国道8号津幡北バイパスや中京方面と直結する東海北陸自動車道が全線開通し、当町への交通アクセスが一段と向上しました。これを機に皆様との交流が一段と深まりますことを期待しております。
今後も、「子どもからお年寄りまで笑顔あふれるまちづくり」、「住んでよかったと実感できるまちづくり」に全力で取組み、「元気なまち 津幡町」を発信してまいりたいと思っております。