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 ふるさと太子の町長として

印刷用ページを表示する 掲載日:2008年9月22日

ふるさと太子の町長として

大阪府太子町長 浅野 克己


●はじめに

この度、縁あって20年間の町議会議員生活の集大成として、ふるさと太子の町長として、まちの舵取り役を担うこととなりました。

顧みると、この町で生まれ育ち、自らの仕事を持ち働くなかで、いつしか「このまちのためになることをしたい」という気持ちが芽生えてきたことが昨日のことのように感じます。

そして、もっとこのまちのことを知りたい、まちづくりに携わりたいという熱い気持ちが、今、町長としての原動力となっています。

●太子町とは

太子町は、その名を聖徳太子に由来する、人口1万数千人足らずの町です。都心にも近く、豊かな歴史や住環境などの住み良さから人口増を続けてきたものの、最近は頭打ち傾向にあります。そのため、企業誘致をはじめとした地域の活性化が喫緊の課題です。このような中、住民有志による様々な活動が、町内の各所で着実に進んでおり、これらの取り組みは町の財産となっています。

町の特産品は、ぶどうです。なかでも、巨峰・ピオーネの出荷量は府内第1位を誇ります。また、万葉集にも詠まれた二上山(にじょうざん・ふたかみやま)を擁する、なだらかな丘陵地にひろがるぶどう畑は一見に値します。また、町名ゆかりの聖徳太子を祀る叡福寺や、最古の官道「竹内街道(たけのうちかいどう)」などを訪れると、歴史ファンのみならずとも、心和むひとときを味わうことができます。

●町の課題

しかし、いくら郷土自慢を並び立てても、肝心の認知度は低いのが現状です。町のホームページをリニューアルするなどの対策を講じているものの、期待するほどの効果をあげていません。

そこで現在、最年少知事として、また、数々の武勇伝(?)で有名な、大阪府の橋下知事が提唱する「大阪ミュージアム構想」を活用した、まちのPRに期待を寄せているところです。大阪府内に多数点在する、貴重な文化資源を取りまとめて、広く世界に情報発信していくという構想ですが、諸手を挙げて賛成するもので、この機を逃す手はないと考えています。

●町長としての志

これからの行政は、従来の手法では通用しないことは自明です。地方分権の進展が、真に町村にプラスとなるのか、また、合併や広域化以外の選択肢は無いのか、町村長の手腕が問われています。

私は、このような状況にあるからこそ、町長の道を志しました。それは、自治体運営とは、利潤の追求という明確な目的を持つ企業と同様に、必要不可欠な生産活動であり、その土地に受け継がれてきた歴史や住民の皆様と一緒に、ふるさとの未来を語ることができると信じて止まないからです。

●むすびに

地方交付税や税収は減少し、わが国経済の先行きは依然、不透明な状態ですが、本町職員をはじめとして自治体職員は、公務員であることを誇りに、業務に邁進してほしいと思います。不祥事がある毎に、厳しい公務員バッシングが繰り広げられますが、真摯に仕事に取り組む職員こそ、下を向くことなく胸を張って頑張る姿勢を見せてほしいものです。

われわれ町村をはじめとした地方自治体は、様々な改革に懸命に取り組み、国を上回る削減努力を重ねてきました。今後とも住民に身近な公共サービスの提供や、地域の活性化施策を持続するため、行財政改革に取り組んでいきたいと考えています。