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 早起きの効用

印刷用ページを表示する 掲載日:2007年6月18日

埼玉県白岡町長  濱田 福司


平成の大合併の前に比べると全国で町村の数は約4割に減り、我が国の地図が大きく塗り替えられましたが、まだまだ全国には千以上の町村があります。毎週、この「町村週報」を読ませていただくと、地方分権の進展など地方自治体を取り巻く社会環境が大きく変化する中で、全国各地の町村が地域の実状に応じて特色ある行政を展開し、それぞれの町や村の振興に真剣に取り組んでいることが伺われて、我が町も負けてはいられないと感じさせられます。
少し当町のプロフィールを紹介させていただきますと、埼玉県には現在30の町村がありますが、白岡町は埼玉県の東部に位置し、人口は49,400人、面積は24.88平方キロメートルです。また、当町は、首都圏40キロ圏内に位置しておりまして、町内にはJR宇都宮線の白岡駅と新白岡駅があります。さらに、国道122号線の通過など交通の便に恵まれておりますことから、大規模な住宅地の造成や高層マンションの建設など、住宅地として開発が進み、近代的な田園都市に変貌を遂げようとしている緑豊かな町です。また、特産の「梨」は県内一の生産量を誇っており、春には白い清楚な花が、道行く人の目を楽しませてくれます。 
さて、現代はストレス社会だという話をよく耳にいたします。職場を例にとってみますと、経済的な不況を背景として進められたリストラで人的な余裕がなくなり、一人の職員が受け持つ担当業務が増加しています。その一方で、昨今の景気回復に伴い、企業の業績は回復し逆に仕事の量は増えてきているといわれています。
企業ばかりでなく地方公共団体も事情は同じであります。当町におきましても、平成18年度を初年度とする5年間の「改革推進プログラム」に基づき、様々な改革を進め、従来にも増して自主・自立的な行政運営を目指しているところですが、その一環として職員数の削減にも取り組んでいます。
もとより、地方公共団体は、最少の経費で最大の効果を挙げることを基本としておりますので、地方公共団体の大きな資産である職員一人ひとりの能力を高め、より効果的・効率的に業務を運営するのは当然のことであります。
しかしながら、そうした社会や職場環境の中にあって、いかにストレスと付き合うか、あるいは解消するか、職場におけるメンタルヘルスなどの取り組みはもちろんのことですが、私たち一人ひとりが自ら考え、心掛けなくてはいけない課題になっております。
ところで、私は、小学校4年生のときから続けていることがあります。それは、毎朝、清く澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込み、朝日に向かって今日一日があることを感謝し、家族みんなが健康であるようにと願うことです。平成8年11月に町長に就任してからは、白岡町が安寧であってほしいという願いが加わりました。
子どものころの早朝、みそ汁やご飯の炊けたにおいの中、父は決まって新聞を広げて読んでいました。日々忙しく動き回っている今の私にとって、思えば懐かしく、とても贅沢な時間だったような気がします。
申すまでもなく、朝早く起きることにより、心と時間に余裕ができ、昨日の反省と今日の計画を立てるのにうってつけです。
職務がら夜遅くなることも多く、土日もなかなか満足には休めませんので、前日の仕事の疲れが残り、起きるのが少し辛いときもありますが、朝の清々しい空気と静けさに接して、清浄な気分で一日を迎えると気持ちも積極的になって生活も引き締まってきます。大自然のリズムに合わせた早起きの生活こそ、その人の持っている能力を発揮させる最も良い方法だと思います。 
今朝も、空が白むころ、新聞配達の方が新聞をポストにコトンと入れる音を残して、さわやかに走り去って行きました。町並みは朝日にそまり、光に満ち溢れて神々しいばかりで、毎朝感動を覚えるひとときです。
さあ、今日も忙しい一日が始まりますが、気持ちも新たに白岡町政進展のため、全力投球してまいります。