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 次代の主役は今でも主役

印刷用ページを表示する 掲載日:2006年2月13日

次代の主役は今でも主役

山形県町村会長 遊佐町長 小野寺 喜一郎


日本海の海原に面し、白妙青松の黒松に囲まれた庄内砂丘と庄内平野の美田、秀峰鳥海山の懐に抱かれ、信仰にまつわる「杉沢比山番楽」等、国重要無形文化財をはじめ、優れた歴史文化を誇る我が遊佐町であります。

鳥海山に降り注いだ雨や雪は大地にしみこみ、何百年に及ぶ長い年月を経て、清水となって湧き出し、庄内平野の北端、母なる月光川の流域に開けた水の郷でもあります。

「自然は、未来の子供達からの預かりもの」と言うアメリカ先住民族の諺があります。恵まれた自然、歴史、文化を子孫に引き継いで行く使命があると考えております。そんな中、毎日の様に青少年の痛ましく悲しい事故や事件がニュースで流れ、引きこもりやニート、フリーター等は社会的な課題となっており、その度ごとに「何故!何で!こんなはずではなかった、これでいいんだろうか?」そんなささやきが、叫びが聞こえてなりません。

1960年代(高度経済成長期)から若者の三無主義化が言われだし、70年代は五無主義、80 年代は十三無主義、90年代は二十三無主義、そして現代はわからない!久しくモラトリアムとか真面目さの崩壊とか言われておりますが、地域は、教育は、正に人間性の回復なのであろうと思えてなりません。

何時の時代も「今の若者は!」と言われてきたし、言ってもきました。

私も戦後の食糧不足の時代に、農家の長男として生まれ農業高校に入りましたが、当時は中学校卒は「金の卵」と言われ、集団就職をした時代です。39年東京オリンピックがあり、就農は半分以下となりました。農工一体や戦後の、次男、三男対策から一変して長男までも他産業に流れ、「農業の曲がり角」と言われ出した様に思えます。しかし、食糧の増産は声高に言われ、農業改良員を目指し、進学、いざ資格を得て第一線と思いきや、県は改良普及所の広域合併で改良員の募集を停止。私は我が家に就農し、同時に地域の青年団に入団しました。

米の多収穫や水稲プラスαとして畜産、果樹、蔬菜園芸等々の取り組みに若者達は活気づいていたし、「住み良い地域に」と、明るい選挙運動や押し寄せる開発、工業化の波の中で地域の将来を熱く語り、夢み、地域課題に取り組んできました。当然のように社会を、大人を批判し、「今時の若者は」と批判されました。そんな時出会ったことの一つに、山形県青年議会があり、若造が県知事はじめ県の幹部に議場の壇上からモノ申した体験が、思えば今日につながる要因かもしれません。

その後、時代は、一極集中から多極分散、国際化、高度情報化、少子高齢化から地方分権社会を迎え、グローバリゼーションの名のもとで、私は全国組織の日本青年団協議会で東奔西走しました。その後、改めて故郷で議会議員を経て町長の重職を預かり早、4期に入りましたが、常に地域と共にあり、地域から目を離さず、地域の声を全身で受け止め、「参加と協働そして共生」のもと、まちづくりに邁進しているところです。

今、地方分権や住民自治、市町村合併等々が進む中、情報の公開と共有、住民参加は最重要であります。その中で特に青少年活動をやってきた者としては、若者達の地域離れが指摘される中で、ともすると指導、補導に健全育成だけが目立つように思われます。

我が町では、「あなたが、君たちが、町長だったら、議員だったら!どう考え、どう行動をするか」、まちづくりの担い手の意見や願いをもとに、協働の力で、自分たちが求める遊佐町を目指した少年町長、少年議会を発足させました。これまでの子供議会や○○議会と違う、言いっ放しではない方法で、①自ら立候補する、②政策を掲げる(マニフェスト)、③町内すべての中学生、高校生で選ぶ(選挙する)、④独自に使える施策予算を持つ、⑤彼らの町に対する政策提言を受け止め、行政に反映する考えでスタートして、今年度で三期目を終えました。彼らは見事な議会活動を展開してくれました。

毎回積極的な立候補は勿論、1,200~300人の中高生の有権者の内、投票率は60%~80%。さらに、14、5回にわたる自分達だけの議会とそこで決定された50万円の政策予算の下、特別老人ホームの庭に桜の植樹や空き店舗対策として喫茶、フリーマーケットのオープン、バス停にベンチや若者によるロックコンサート等々を提案し、一方私たち町当局に対して防犯灯やガードレールの設置等々、中間と最終の2回の政策提言をおこなってくれました。大きな信頼関係が築かれ、「今の若者もやるな!むしろ大人や行政が、彼らのチャンスを奪い、信じてこなかったのでは?」と実感いたしました。

さあ、今年(18年度)は4回目。誰が4代目の町長か、そして議員はどんな政策を展開するのか・・・次代の主役は今だって主役なのです!!