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 町長在住の18年を振り返って

印刷用ページを表示する 掲載日:2004年7月12日更新

町長在任の18年を振り返って

徳島県町村会長
 阿波町長
 安友 清


阿波町は、県西部のほぼ中央に位置し、阿讃山脈を背に南部に四国三郎の名で知られる吉野川が流れ、秀峰高越山を望み、美しい自然と穏やかな気候・風土に恵まれた田園地帯で唯一の観光地として国指定の天然記念物「阿波の土柱」があります。長年の風雨の侵蝕で削り取られてできた切り立つ断崖は大自然の壮大なる造形で、年間30万人の観光客が訪れる人口13,725人(平成12年国調)面積48.52平方kmの町です。

私は、昭和55年44歳で初当選以来現在5期目の町政を担当致しております。政治に取り組む基本姿勢として町民参加の行政を掲げ、住民と行政がひとつになって町づくりを進めて行く必要があると考え、今日まで各種施策を推進して参りましたが、この度は、花博出展と環境問題を中心に紹介致します。

3期目の後半に住民を中心とした花いっぱい運動(約10年間花の名前「バーベナ・テネラ」南米種の宿根草、花の色は、紫、ピンク、白)が展開されておりました昭和60年8月に大阪市において国際花と緑の博覧会開催の情報が伝えられ、昭62年5月花博の理念「自然と人間の共生」が阿波町の花いっぱい運動の主旨と一致するという事で花博協会へ出展の申込みをし、そこから国際舞台での感動のドラマがはじまりました。出展は、大多数大企業という中で自治体では、唯一阿波町のみでした。

早速、花博出展企画委員会発足、近畿阿波町ふるさと会設立(花で本町出身者と阿波町をつなぐ)阿波町出身者(京阪神中心)への募金開始、成功させよう花博シンポジュウム開催、婦人会による100円募金、花博出展用苗のさし芽作業、苗の運搬と現地で植付け、バーベナ・テネラの部屋、展示完成(10年間の花いっぱい運動の歩み)平成2年4月待望の国際化と緑の博覧会開幕、山のエリアで一番美しい花園は、阿波町のバーベナ・テネラ園と人気№1で連日たくさんのお客様が訪れ、近畿ふるさと会の方々にも連日のようにご協力を頂き、100万人の来園を頂き6月30日盛況のうちに91日間の幕を閉じました。小さな阿波町が国際博を舞台におどり出て、ここに阿波町ありと全国の人達にアピールし大成功を納めることができたのは、10年間の花いっぱい運動の大きな成果であり、町民の団結力のたまものと心から感謝致しております。

次に4期目の平成10年には、環境問題が行政の重要課題と位置づけ、県下で初めてポイ捨て等防止に関する条例並びに環境基本条例を制定し、快適で生活環境の美しい町を目指し、先ずポイ捨て禁止の町をアピールする看板の設置、各家庭ヘステッカーを配布し、啓発に努めますと共に、私自身が先頭に立ち毎月1回の清掃奉仕作業なり、年9回の古紙回収作業に参加致しておりますが、環境問題に取り組む団体が毎年増え、現在は、グリーン購入・古紙集団回収更にポイ捨てを無くするため住民が立上り、パトロール隊(現在340人登録)を編成し、毎日ポイ捨て禁止の呼かけなり意識啓発の為、活動をいただくなど住民活動が活発となっております。

まさに住民と行政が一体となりまちづくりを推進するという私の目指す町づくりができつつあることを大変うれしく感謝致しております。

最後に町村合併の問題ですが、国の財政難で交付金の減少が続き地方自治体の財政基盤を揺るがしております。徳島県も市町村合併に向けた動きが加速しており、本町でも郡を超えた隣接3町との合併に取り組んでおります。平成17年3月31日新しい阿波市誕生を目指し頑張っており、合併という変化を活かしたあらたな地域づくりに努力致したいと考えているところです。