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 はつらつタウン・つきだて

印刷用ページを表示する 掲載日:2004年4月12日

はつらつタウン・つきだて

宮城県築館町長 千葉 徳穂

□文化の香り高い心豊かなまち

文化の町とはどんな町か。その定義はなかなか難しい。書店が多いとか、神社仏閣、歴史を感じさせる遺跡がある町とか、はては銀行の支店長の歓送迎会を伝統的にやっているとか、さまざまであります。

築館町では、図書館をつくって貰いたいという要望が強かったのです。「文化の町にはどうしても図書館が必要だ」というのが合言葉となっていました。それが6年前、やっと実現しました。宮城県では町村立の図書館は少ないのです。開館以来、70万人に近い利用者があり、よかったなと思っています。

私どもの町は民衆詩派の詩人として有名な白鳥省吾の出身地であります。町では「白鳥省吾記念館」をつくり、この詩人の業績を讃えるため、数々の遺品や書籍等を保存、展示し、多くの参観者で賑わっています。この詩人の足跡を顕彰するため、平成10年に「白鳥省吾賞」を制定し、省吾が愛した自然、人間愛をテーマーに自由詩を募集したところ、全都道府県は勿論、海外13カ国から、過去5年で9,085編の応募がありました。この賞が全国から注目されることになったことは、たいへん喜ばしいことです。

私どもの町に「伊治城遺跡」があります。奈良時代、蝦夷征伐の前進基地であった伊治城の発掘調査の結果、昨年、国の史跡指定を受けました。今後は町の出土文化財センターを活用して、展示や研修を深めたいと思っています。

□健康でしあわせに満ちたまち

築館町は「スポーツの町」を宣言しています。毎年「薬師マラソン」大会を催し、各方面から多数の参加を得て盛況です。また、宮城県北・岩手県南高校陸上競技大会を開いていますが、公認の競技場で、毎年新記録が出て、国体で活躍する選手の登竜門ともなっています。

私ども町は「ホッケー」の町でもあります。隣の一迫町と協力して、成人の部は一迫町、少年の部は築館町とし、両町とも人工芝のコートを新たにつくり、宮城国体の際は、築館町の会場には、天皇、皇后両陛下のお出ましをいただき、記念すべき大会となりました。

築館町には行政区が40ありますが、公民館の分館が37カ所あります。他にはない制度ですが、地域ごとに分館長を選んでもらい、行政区長とは別の立場で、地域づくりの役目を果たしてもらうという仕組みです。

分館には地区ごとに集会の施設があり、地区民の拠りどころとなっています。社会教育の立場から教養を高める行事やスポーツを盛んにするなど、行事の内容はさまざまです。

町民大運動会には、分館単位で競技に参加します。陸上競技場に各分館のテントを張り、優勝旗争奪に向けて、出場する選手、応援する地区民の声援は見事なものです。広く分布する行政区、この日だけは1カ所に集まり、町民が一体となって励まし合うこの行事は、素晴らしいものだと思っています。

□自然が豊に息づく快適なまち

築館町にはラムサール条約の登録湿地「伊豆沼・内沼」があり、夏は蓮の花が咲き乱れ、湖面にはたくさんの舟が観光客を乗せてにぎわい、冬は白鳥やがんが飛来して、多数の観察者が訪れます。町ではサンクチュアリセンターを設置して、無料で館内の展示物を見学することができます。

この環境を保全する財団も組織されており、財団の提唱により春と秋のクリーンキャンペーンには、小学生からボランティアの方々まで数百人で清掃に当たっています。

私どもの町では上水道の未給水地区が4ヶ所ありましたが、水利権もようやく確保できましたので、本年から来年にかけて工事を行い、未給水地区の解消に尽くしていきたいと思っています。