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 豊かな自然と町民と共に

印刷用ページを表示する 掲載日:2003年6月23日

愛媛県広見町長  松浦 甚一

我が広見町は、日本最後の清流と云われる四万十川の源流である最大の支流、広見川を始め三間川、大宿川、奈良川等の流域に拓けた面積152㎞、人口11,500人、四国西南地域の鬼北盆地の中心に位置する町であります。
森美しく、川清い「緑と清流」自然豊かな町であり、丁度今頃は新緑に萌える山々と春光にキラキラと輝く広見川の流れは大変美しく、住む人々に又、訪れる人々の心を洗い、癒し、ゆったり豊かな気持ちにさせてくれます。こうした環境に生まれ育った人々は皆さん心優しく、”自然を愛し・人を愛し・町を愛する”人情豊かな人達ばかりです。よく云われます南予人(愛媛県南予地方の人)独特の人の良さ、おおらかさを持ち合わせた人達に恵まれている町です。
町の歴史も古く広見川東岸の河岸段丘にある縄文時代後期の岩谷遺跡を始め、縄文・弥生の複合遺跡と見られている寺山遺跡等があり、岩谷遺跡は公園として整備し、昭和57年、県の重要文化財の指定も頂いていますし、国の重要文化財の善光寺薬師堂(昭和52年指定)もあります。そして今一番町民が期待を持っていますのは、平成6年度から発掘調査を進めております「奈良山等妙寺」の旧寺院跡地の調査結果であります。「宇和旧記」によりますと開基は元応2年(1320年)で1331年に後醍醐天皇から勅願寺と定められ、260年に渡って寺運は栄ましたが1588年天火によって伽藍も焼失したと記されております。現在、石積遺構を始め遺跡全体の保存状態が良く、中世の山岳寺院跡として専門家の先生方から高い評価を受けており、国の重要文化財の指定を目指して先生方のご指導を頂きながら精力的に発掘調査を進めており、町づくりの柱にとの思いを込めて頑張っております。
何といっても我が町の誇りは当然の事ではありますが町民が中心であり、町民手作りの自主的な活動が盛んな事であります。主なものを紹介致します。
その1つは「鬼北文楽保存会」で、結成は昭和59年2月で現在18名の会員で伝統芸能の伝承とふるさとづくりを目的に頑張って頂いております。きっかけは昔盛んであった当地方の文楽でしたが、戦後次第にすたれていました。幸い国宝級の人形の頭が保存されていた事から愛好会が発足し、ライオンズクラブの支援も得て現在、青年部も結成され町内の敬老会、芸能祭等で年5、6回の公演と近隣町村、又県レベルでの出張公演にも頑張って頂いており平成14年ふるさと愛媛創造賞を受賞されております。
2つ目は平成2年2月に結成された「太鼓集団魁」で会員は現在26名(内女性9名)で新しい文化の創造と活力ある町づくりを目的として平成3年より活動を始め、現在、大変ユニークな「子泣かし天狗まつり」、他町の一大イベントである「でちこんか」事業での主体的な取組、公演、愛媛県代表として国民文化祭への出演、その他県内外から引っ張りだこで数多くの公演活動を続けて頂いており、その活動が認められて平成10年ふるさと愛媛創造賞を受賞されており、町一番の元気印の集団です。
3番目は「励ます会」で、平成4年10月結成、会員は17名、地域住民のコミュニティ活動の推進と高齢者福祉活動への参加を目的に町内外の敬老行事や各福祉施設の慰問活動を実施されており、素人芝居集団でありますが皆さん芸達者で歌に踊りに演劇と笑いあり涙ありの大活躍をされております。
4番目は「愛治ちんどんクラブ」で、結成は平成8年1月、会員は15名、平均年齢は65才だそうですが、地元商店街の活性化と町づくりを目的に町内外のイベントに招聘され多くの公演をされております。特筆すべきは結成した平成8年、高知県野市町で行われた第4回全日本素人チンドンコンクール大会で最優秀グランプリに輝かれ一躍有名になったことです。
以上代表的な4つの団体をご紹介いたしましたが、この様に明るく元気な活動を通して地域活性化に尽力頂く多くの町民の皆様に支えられ、自然と歴史を大切にしながら平成16年10月1日、2町1村での合併、新しい町づくりに情熱を燃やし夢をつなぐ昨今であります。