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 アレルギー

印刷用ページを表示する 掲載日:2002年12月16日更新

岡山県加茂川町長 片平舜平

医学的にはよく知りませんが、アレルギー性疾患の症状というのは、いろいろな形で現れ、またその要因もいろいろあるようです。私のアレルギーは、『ソバ』です。あの薄黒い日本ソバをずるずると食べているのを見るだけで、もうぞっとします。それだけではありません。ソバの話を聞いただけでも寒気を感ずるくらいの強度のソバアレルギーです。

そんな訳で、日頃とても厳重にソバに対し注意をしていますが、時として失敗して大騒ぎになることがあります。ソバに対する注意は徹底していて、わが家ではソバの話は一切タブーであります。平素特別に注意している一例を挙げてみますと、次のようなものです。

※枕に「ソバガラ」が入っていないかを確かめる。特に旅行した折りなど、厳重に確かめます。旅館の枕は特別の場合をのぞいて和室の場合、枕の中身はほとんどソバガラですから、これは使用しません。

※手打ちうどんを食べに行った時、その店がソバを一緒に扱っている場合は、ゆで釜が別々であるかどうかまず確かめる。ほとんどの場合ゆで釜は一緒ですから、うどんは欲しくても食べません。駅の立ち食いうどんや高速道路のサービスエリアで急いでいて確かめるのを忘れて、時に失敗することがあります。

※旅行先・宴会などで茶碗蒸しがよく膳につくが、内容がソバの場合があるので茶碗蒸しは大好物であるが、食べる前に中身をよく調べるようにしている。

※煎餅の中にソバ粉使用のもの(ソバセンベイ)があるので、センベイを食べる前にまずそのことを注意する。・・・ソバボーロも同じです。

※まんじゅうも右に同じで、特に薄黒い茶褐色のまんじゅうの場合は気になり注意する。その他、挙げていくと限りがありません。

さて、それでは、我が輩のソバアレルギー症状はいかなるものかといいますと、よほど厳重に注意していながら、時として失敗して右に記したようにソバセンベイを一片間違って口にしたり、ソバ枕に寝ることなどが年のうち何回かあるのです。その時は、

◎まず最初に、舌の先、ノドの中がたまらなくかゆくなる。

◎身体中冷や汗が出だす。

◎息苦しくなってくる。
◎ぜん息の発作が起こる。
◎時に下痢が起こる。
◎食べた物すべて上・下に出してしまう。
◎身体中ホッパン(発疹)が発生する。

おおむねこのような病状が起きて、医者の手を煩わさずにはおられないようになりますが、3、4時間で回復はします。1年に何回かこういう失敗を繰り返し大騒動をまきおこし、後で大笑いとなるのです。

事程左様にアレルギーは不思議なもので、166センチ、76キロの大の男もソバが全くの弱点でどうにもならないのです。旅行のみやげにからかい半分にソバまんじゅうやソバ入りセンベイを探してわざわざ届けてくれる友人達のいたずらには悩まされますが、悩まされながらも結構楽しんでいます。

最近では、休耕田の活用や荒廃畑の利活用のためと中山間地である私の町でもソバの作付の工夫が始まりました。閉口しながらもソバの作付を奨励し、原料を加工し地産地消を提案される農家の皆さんのご意見を真面目に拝聴もしなければならない私の立場もお察しくだされ。

人間、弱みがあるからこそ泣いたり笑ったり、人生とはそんなものです。

アレルギーは、ソバだけで結構です。