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 我が町の国際交流

印刷用ページを表示する 掲載日:2000年2月28日更新

全国町村会副会長 愛媛県町村会長 宇和町長 宇都宮象一

平成11年11月18日、宇和町民98名のドイツヴュルツブルク市訪問団員が、成田空港を出発し25日、予定の行動をすべてやり遂げて全員無事帰郷いたしました。

宇和町は人口1万8千人、四国愛媛の西南に位置し、風光明媚、人情豊かな純農村地帯です。

今回の過疎地域の見直しでは過疎地を卒業の見込みで、悲喜こもごもの気持であります。

日本一のみかんの産地である愛媛県にありながらみかんは出来ず、1,500ヘクタールの水田地帯で、弥生時代から農耕の遺跡もあり、古墳も100余を数え、古代から文化の栄えた町であります。

現在は瀬戸内3橋の完成により島から脱却した四国でありますが、私どもの町にも四国横断自動車道路の宇和インター設置が決まり、全線に工事が開始され、活況を呈しております。

司馬遼太郎の「花神」や、吉村昭の「フォンシーボルトの娘」でもとりあげられたように、幕末の時代、オランダの商館の医師シーボルトの娘イネが、宇和島の藩医二宮敬作を頼って宇和町に来て、13歳から18歳まで5年間、オランダ医学の勉強に励み、日本初の蘭法女医となった縁の地であります。

私達はこの因縁を大切にし、以前よりドイツシーボルト協会と連携をとり、中高生10名づつの派遣も今年で7回目を数え、昨年はヴュルツブルク市長以下市民45名の来町を見る等、熱心な交流を続けて来たところであります。

今年はたまたまドイツの首都ボンがベルリンに移る年でもあり、日本の国をあげてドイツにおける日本年として全土に交流の輪を拡げられており、私どもの町もこれに協賛し、ヴュルツブルクにおける宇和町展として、11月20日オープンしたものです。シーボルト博物館の一室を借りて、おイネさん縁の品や、町民の絵画、書道、工芸作品等を来年3月まで5ヶ月間展示します。

そのオープニングに自費により町民参加を呼び掛け、98名の参加を得たものです。市内目抜き通りをパトカー先導で、持参の牛鬼、五ツ鹿等でパレードをしたり、市民との交流パーティ等、言葉は通じなくても、心と心の触れ合う素晴らしい国際交流の旅が出来ました。

日本初の女医おイネさんを育んだ宇和の歴史を大切に、宇和町らしいオリジナルの国際交流を通じて、まちおこしをさらに活発にして行きたいものと考えております。

風花や ハイデルブルグ 古城訪ふ
アウトバン 雪の渋滞にも 遭ひて
総勢の 百人雪の ドイツ訪ふ