群馬県南牧村長 長谷川 最定
南牧村は令和8年3月末時点の人口が1,348人、群馬県で2番目に人口の少ない村です。高齢化率も69%と国勢調査4期連続全国1位、人口減少率も常にトップクラスで、典型的な過疎山村です。
何とか人口減少を食いとめるあるいは極端に減速させようともがいてみましたが、私が村長に就任した当時の人口が2,277人でしたので12年たって人口は約半減し、数字上の結果だけで申し上げれば何の成果も残せなかったことになります。あと15年もすれば800人になると推計しています。
このような状況下で人口減少対策をあきらめたわけではありませんが、今後も人口減少は続いていくことを素直に受け止め、10年後、20年後の将来が、今よりも楽しく、生活しやすい村づくりをめざしていくことにしました。
人口が減少することにより発生する障害は、医療、介護、買い物等課題は沢山あります。
医療・介護について
現在ほぼ無医村の状況ですが、村営診療所を開設します。介護については、ほぼ待機期間なしで介護施設に入所できますが、将来的に不足する職員を補充する見込みが立ちません。将来を見越し、保健師、看護師、ケアマネ等役場職員として採用し将来に備えています。
買い物について
村にはコンビニがなく、小さな商店が配達してくれることで何とか生活が成り立っていますが、経営者も高齢で将来が見通せません。公的な資本を投入し、小さなスーパーを建設するとともに働き場を創出します。
子育て支援について
村では、保育料、給食費の無料化は他の市町村に先駆けて実施しておりますが、高校生の通学費、アパート代も村負担としています。奨学金についても現在年間60万円ですが、これを倍額としていきたい。返済についても条件付き(村に残る、各種担い手となる等)で免除としています。他にも支援は沢山あり、全国的に見てトップクラスの水準と思います。
このように早め早めに対応できれば、人口が減少しても自立した村として村民も安心して将来が迎えられると思います。今後の4年間で何としても実現したく寄稿させていただきました。
他にも課題は山積していますが、一番深刻なのはこどもの数が激減していることです。私が村の小中学校へ通っていたころは中学生までの子どもが2,000人以上いたのですが、現在20数人です。数年前には出生数ゼロが2年ほど続きました。今は少し持ち直しましたが、出生数ゼロが10年、20年と続けば村の存続はできなくなります。

学校の運営も大変となり、2年前に義務教育学校を開校しましたが、9年制で無学級もあり、20人でのスタートとなりました。これを何とか10年、20年かけて40人に増やしていくことが目標です。
このような中で、村も積極的に起業支援を行い、移住した若者達がジビエ工房や、中古車販売、民泊等を開業し、中には結婚しこどもも生まれ近年の出生数は3~4人とまだまだ少ないですが増加傾向にあり、村外からも評価をいただいております。
今後も人口減少と向き合いますが、数字にとらわれるのではなく、人口は減っても自立でき、美しい故郷を次の世代につなげるため邁進してまいります。
最後に私はもとより浅学ですが、年を重ねるたびに自信がなくなり良い考えもあまり浮かんでまいりません。どなたかお知恵を拝借できませんでしょうか。どこでも飛んでまいります。近くにお出かけの機会がございましたらぜひお立ち寄りいただきますようお願い申し上げます。