福井県高浜町長 西嶋 久勝
福井県高浜町長、西嶋です。
昨年8月31日に、前町長の死去に伴う高浜町長選挙を経て、町長に就任いたしました。経歴は、舞鶴市役所職員として38年、その後高浜町副町長として5年勤務し、根っからの行政マンです。
紙面を頂きましたので、高浜町長としての町の紹介と、私の思いを綴ります。
高浜町は福井県の西の端にあり、 隣は京都府舞鶴市です。若狭湾に面する、面積約七十二平方キロメートル、人口およそ9,400人の町です。海と山が近接する地形の中で、自然の恵みとともに人々の暮らしが営まれてきたまちで、私は今日まで65年間、この地で生活してきました。
本町は昨年、町制施行七十周年という節目を迎えました。戦後の復興期から高度成長期、そして人口減少社会へと時代が移り変わる中で、町の礎を築いてこられた先人の努力には、改めて深い敬意を表したいと思います。その歩みの上に「今」があり、次の時代へつないでいく責任が、私であり、今の時代を生きる私たちに託されている重みを感じます。
高浜町の大きな魅力は、国際環境認証「ブルーブラック」をアジアで一番早く取得した青く澄んだ海と、若狭富士 霊峰・青葉山に象徴される雄大な自然であります。アジアで一番美しい海であると思っていますし、自然景観に加え、歴史と文化が重なり合うこの町は、規模は小さくとも、誇るべき地域資源に恵まれています。
一方で、高浜町は半世紀にわたり日本のエネルギー政策を支えてきた原子力立地地域です。町内には高浜原子力発電所四基が稼働し、現在、日本で最も多くの発電を行う自治体となっています。私は、原子力立地の町であるからこそ、暮らしの質を高め、地域が輝くまちになる事が必要であると強く考えています。
どこのまちでも人口減少は最大の構造変化であります。対策は掲げますが、未来は町民の皆さまの心の中にあると感じています。自然と向き合い、エネルギーと向き合い、そして人と向き合いながら、真摯に歩んでいきたいと思っています。
七十年の歴史を受け継ぎ、その先の未来に責任を持つ。その覚悟を町民の皆さんと共有しながら、高浜町らしい持続可能なまちづくりを進めていく決意であります。
このように強く思っていますが、思うように行かないのが世の常であります。
この原稿を書いている最中にも、後ろから孫に頭をたたかれたり、シールを顔に貼られるなど、家庭での営みは社会の縮図であり、私にとっては修行でもあります。時には早朝から座禅を組んで心を整え、農作業を通じて自然との交わりと収穫に感謝し、ストレスなきメイヤーとして自分なりに精進を重ねております。
全国の町村長の皆さまも、同じような思いを感じておられるのではとも存じます。
今後とも、皆さまのご指導を、よろしくお願い申し上げます。
