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「生まれて良かった住んで良かった聖籠町」

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年9月9日更新

新潟県聖籠町長  西脇 道夫新潟県聖籠町長 西脇 道夫​​

 はじめに、町の紹介をさせていただきます。

 聖籠町は、新潟県北部に位置しています。飯豊連峰に源を発する加治川の下流にあり、穀倉地帯でもあります。面積は37.58km²、人口約14,000人の小さな町で、北は日本海、東と南は城下町新発田市、西は政令指定都市である新潟市に接しています。

 私ども聖籠町は、昭和30年に聖籠村と亀代村が合併し、現在の町域となり、昭和52年8月1日に町制施行し、新潟県で54番目の町として誕生しました。

 自然豊かな環境で、おいしい米がつくられる田園や、砂丘地で栽培されるぶどうやさくらんぼなどの果樹栽培も盛んで、果物を収穫し、その場で食べられる観光果樹園にも多くのお客さまが訪れています。海岸ではサーフィンなどのマリンスポーツやアジ、カレイ、キス、クロダイなど種類豊富な魚釣り、夏は海水浴客でにぎわいを見せています。

 一方で、国際拠点港湾となる新潟東港の背後に新潟東港工業地帯があり、電気、食品、電子機器など約190社の企業が操業しています。

 この新潟東港開発には、当時大小の集落に暮らす482世帯もの集落移転によって事業が進められました。このことが、今日まで続く聖籠町の発展に大きく寄与したことは言うまでもありません。

 さて、未来に話を向けますと、国立社会保障・人口問題研究所が2020年を基準とした、将来の人口推計を公表し、少子高齢化がさらに厳しさを増す状況が明らかとなりました。幸いにも聖籠町は、現在30代・40代のいわゆる生産年齢人口が多いことから、30年後においてもそれほど人口減少しないという推計でしたが、決して楽観視はできない状況です。

 国全体に関わる大きな課題とはいえ、聖籠町においても将来的に予想される医療・介護に要する費用の増大、公共施設の老朽化などの問題があります。

 それらに対処しながら、子どもから高齢者まで活力ある安全で安心な地域社会の構築と維持が必要となっていくことから、限られた財源の中、「子ども・新しい教育への投資」、「福祉への投資」、「未来へつながる投資」の3つの投資を行い、未来に希望のもてる持続可能なまちづくりを行っているところです。

 このことが、令和3年に策定いたしました第5次総合計画に掲げる基本理念でもある「生まれて良かった 住んで良かった聖籠町」につながるものと考えております。

 聖籠町は、前述にあります新潟東港開発により、多くの税収と雇用が創出され、昭和59年度からこれまで、不交付団体として、行財政運営を行ってきたところであります。私自身、町役場職員として財政が今より豊かであった頃を経験してきました。ところが、その状況が未来永劫続けばいいのですが、なかなかそうはいかない。税収が段々と減り、町の財政は徐々に厳しい状況となっていく中で、このままでは、町の未来を担う子どもたちに負担が残るのではないかという思いがありました。

 平成30年に町長に初当選し、これまで先送りにされてきた安心安全のための施設改修を、まずは最優先に行ってまいりました。また、その財源を確保するため、行財政改革として事業の統廃合などを行ってまいりました。

 令和4年度に2期目の再選をさせていただき、2年が経ちますが、「動き始めた変化を止めない」という決意のもと、引き続き財政の健全化・財源の確保に努めるとともに、町民一人ひとりの幸福度を高める取組を進めております。

 幸福度を高めるためには、こころとからだが健康であることや生きがいがあることが基本となります。町民の皆さまがこころとからだの健康づくりに取り組んでいけるよう、さらには生きがいをもち、一人ひとりの幸福度やウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に良好な状態)が高まっていくよう、福祉・保健・生涯学習など健康づくり、生きがいづくりに関係するさまざまな分野から、町の取組について検討を進めていきたいと考えています。