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明るく元気な町・安心して住める町・子どもから高齢者まで夢を持てる町を目指します。

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年4月15日

香川県直島町長 小林 眞一香川県直島町長 小林 眞一

 わが町「直島町」は、瀬戸内海に浮かぶ27の島々(うち、有人島は3島。)で構成されている町です。美しい自然に恵まれたすばらしい環境のもと、県下有数の工業・水産業・観光業等の主要産業が活発であることから、世界から元気な町として注目されております。

 その中でも特に第二次産業と第三次産業は活気に溢れており、第二次産業では、これまでの発展の源である三菱マテリアル(株)直島製錬所が大正6年の操業から100年を超え、銅・金・銀等の生産量は日本国内でトップクラスの規模を誇っています。また近年では、豊島廃棄物等処理事業への協力・受け入れの際に策定した“エコアイランドなおしまプラン”が国の承認を受け、リサイクル事業を開始したことを契機に、廃基板類〔金銀滓(E-Scrap)〕や廃自動車や廃家電製品を細かく裁断したシュレッダー・ダストなどのリサイクル原料を積極的に受け入れ、銅・金・銀等の有価金属のリサイクル事業を強力に推進し、今では世界有数の処理量を誇るまで発展しています。これらの原材料を焼却・熔融する際に発生する熱エネルギーを回収・利用(サーマルリサイクル)するなど、日本の循環型社会の実現に大きく貢献しています。

 第三次産業では、観光業が盛んで“ベネッセアートサイト直島〔(株)ベネッセホールディングス、(公財)福武財団など〕”による文化・アート活動が世界中に広まり、今では国内のみならず世界中から年間50万人以上の観光客が訪れる国際色豊かな世界有数の観光地へと発展を遂げています。

 来年は、第6回目となる「瀬戸内国際芸術祭」が行われるほか、期間中は「大阪・関西万博」の開催時期が重なることや、7月には香川県内各地で開催される「全国高等学校総合文化祭」など、文化・芸術に関係が深いイベントが予定されており、コロナ禍前に記録した年間約75万人の来訪者数を超えることが予想されています。直島を訪れる外国人の方の割合も今では6割から7割程度と年々上がってきていることから、オーバーツーリズム対策とインバウンド対策の強化を図っていかなければなりません。

宮浦港から空撮

 当町としましては、訪れる観光客の皆さまに楽しんで頂き、また訪れてもらうための取組を進めるとともに、この機会を「瀬戸内の国・直島(NAOSHIMA)」を世界に向けて情報発信していきたいと考えております。

 水産業につきましても、主要魚種であるハマチや海苔の養殖は県内有数の規模を誇っており、ハマチは「直島ハマチ」としてのブランド化や食の安全に対する取組を積極的に進めているなど、町としましても引き続き、これらの地域に根差した地場産業の発展に注力していきたいと考えております。

 さて、直島町は、本年(令和6年度)町政施行70周年という記念すべき年であります。

町章 島つつじ

 当町では、記念式典の開催のほか、町内で開催されているさまざまなイベント等に彩りを加え、大いに盛り上げていきたいと考えております。この大きな節目を契機に、この活力ある直島を“次世代”さらには“その次の世代”につなげていくため、先述の「地場産業の振興」のみならず、移住・定住対策や子育て支援、高齢者の生活支援、地域交通の強化など「生活基盤の整備強化」につながる施策を進め、より魅力のあるまちづくりを積極的に進めていく必要があります。

 当町は、人口約3,000人弱の小さな島の自治体という不利な条件下にありますが、私はこの条件をプラス要素と捉え、行政と住民・民間事業者が密に連携し、一体となった新たなまちづくりを進め「明るく元気な町」「安心して住める町」「子どもから高齢者まで夢を持てる町」の実現に向けて、地域の課題を一つひとつ解決していくとともに、新たなまちの創生の実現に取り組んでまいります。

 最後になりましたが、来年開催される大型イベントの期間以外でも、直島の魅力はいつでも変わりませんので、皆さま、機会があれば、ぜひ、足をお運びください。