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近き者喜びて、 遠き者来る

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年9月12日更新

佐野恒雄新潟県田上町長 佐野  恒雄​​

 

はじめに、町の紹介を若干させていただきたいと思います。

私ども田上町は、1901年11月1日に、田上村・羽生田村・保明村・横場村の4つの村が合併して田上村となり、1973年(昭和48年)8月1日に町制施行により田上町となりました。

町の中央部を縦断するようにJR信越本線が走っており、東側半分が山地、西側半分は平野で水田が広がっております。

面積が31・71㎢、人口は2022年6月30日現在で、11、080人、世帯数としては4、228世帯の大変コンパクトな町であります。

全国的な傾向でもありますが、少子高齢化や都市圏域への人口流出により、私ども田上町においても年々人口減少が進んでおります。

平成27年に、町の総合計画を基本として、喫緊の課題とされる人口減少対策に対応するため、田上町総合戦略を策定し、現在第6次総合計画とともに第2期の総合戦略を策定し、若い世代の転入・定住につなげるとともに、町内からの転出抑制を図るために、暮らし応援リフォーム補助、マイホーム取得支援、移住者住宅賃貸支援、移住お試し宿泊事業等、住宅環境の整備の施策に取り組んでおります。

社会保障・人口問題研究所における人口推計では、約40年後の2060年に今の人口が5、132人まで落ち込む値が出ておりますが、少しでも人口減少を抑制するため、総合戦略によるさまざまな施策により何とか歯止めをかけたいと思っております。

私自身は、昭和22年生まれの現在75歳。この田上町で生を受け、田上町で育ってまいりました。生まれ育った町への感謝と、この町を誰もが住んでみたい、住み続けたいと思える町に、そんな魅力のある活力ある町にしていきたい。人口減少という流れの中にあっても決して、この町を消滅させるようなことがあってはならない。その強い想いで、71歳と高齢ではありましたが、4年前に町長に初当選、この6月に2期目の再選をさせていただき、引き続き町政を担わせていただいております。

行政経験のない、全くの素人の私が、この4年間曲がりなりにもやってこられたのは、町民、議員の皆さまは勿論のこと、町職員一人ひとりの大きな支援、協力があったればこそで、感謝の気持ちでいっぱいです。

4年前、町長の職に就くや巡りあわせでしょうか、新しい町づくり拠点整備事業として、幾つもの大きなハード事業に取り組むこととなりました。令和元年度は、田上町交流会館の建設・開館、国道403号バイパスの新潟方面への全線開通、令和2年度は、道の駅たがみのオープン、そして田上町地域学習センターの開館など、新たな賑わいの創出に取り組んでまいりました。

特に「道の駅たがみ」はオープンしてからこれまで、お陰様で町内はもとより、町外からも多くの方々から訪れていただき、連日沢山の人々で賑わっております。道の駅としては決して大きな施設とはいえませんが、403号バイパスに隣接していること、役場庁舎をはじめ交流会館、保健福祉センター、商工会館、さらに土地改良区やJAにいがた南蒲田上支店など一定エリアの中に都市機能が集約された立地条件の良さや、気軽に立ち寄れる空間、雰囲気等も大きく影響しているのかも知れません。

しかしながら、そうした立地条件の良さだけでは賑わいは生まれません。道の駅スタッフの皆さまはじめ、毎日新鮮な野菜や果物等を納入してくださる農家の方々、工芸品等を出品してくださる町民の皆さまのご苦労、そして日曜、祭日特にゴールデンウィークともなると、さまざまな催しで盛り上げてくださる町民の皆さまの協力があればこそと感謝の気持ちでいっぱいです。

この「道の駅たがみ」は「近き者喜びて、遠きもの来る」をコンセプトに、「にぎわいの拠点」としてオープンした施設です。

「人を大事にする町には人は集まる」、「人を喜ばせる町には人は集まる」、「まちづくりは、そこに住む人が喜び、幸せを感じる町であれば、自然と人が移り住んでくる」といった教えがあります。

田上町には、毎年6月中旬から7月にかけて、約3万株の「紫陽花」の花が咲き誇る護摩堂山、その麓に日帰り温泉の「ごまどう湯っ多里館」をはじめ4軒の湯田上温泉、越後豪農の館「椿寿荘」や子供から大人まで楽しめる総合公園「YOU・遊ランド」などがあり、自然豊かで、タケノコや梅などの特産品も数多くあります。

ぜひ一度お出掛けください。お待ちいたしております。