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自分の出来る事を全力で~(今までにないタイプの村長像を目指して)~

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年7月4日更新

東京都利島村長 村山 将人東京都利島村長 村山 将人 ​​

「今までにないタイプの村長像」とは?…見る方がみると少し驚き、戸惑うフレーズかもしれませんが、決して過去を否定している訳ではありません。私のような、いわば「若者」に村長を任せていただいたということは、村民は何かしらの変化を求めているのではないか?と考えています。変換期にある現在の利島村、まだ42歳という若さを活かし、出来ることを少しずつ試しながら、トライ&エラーの精神で村政運営に全力で取り組んでまいります。

利島村は東京都の自治体の一部で、東京から南へおよそ140㎞の太平洋上にあり、入江も風・波を遮る岬もない、本土から隔絶された孤立型離島です。令和2年10月1日時点で、人口はおよそ300人と全国1741の基礎自治体の中でも1736位の小さな村です。面積も4・12㎢と1731位の小さな島です。

伊豆大島の1つ先の島ということもあり、交通手段として、海路では東京竹芝桟橋より大型客船でおよそ9 時間、高速船で2 時間45分、カーフェリーでは伊豆下田港まで1 時間40分(神津島回りだと5 時間10分)掛かります。 空路ではヘリコプターの定期便が1 日1 便就航しており、隣島の大島までおよそ10分(大島から東京都調布市にある調布飛行場までおよそ25分)と、アクセスの手段が多くあります。

島の主な産業は、江戸時代から続く椿産業と漁業ですが、両産業共に地球規模の環境変化や高齢化・後継者不足等、取り巻く状況は年々厳しさを増しております。それでも近年は若い世代のIターン移住者が増えてきており、さまざまな視点や考え方を持つ人たちが島内の活性化に貢献しております。

私自身も利島出身者で、平成23年にUターンし、翌24年から利島村議会議員に立候補して初当選以来3 期務めてまいりました。3 期目途中の昨年11月に村長選挙に立候補し初当選。令和3 年12月より第28代利島村長として務めております。

11年前利島にUターンしてきた当時、「島に帰ったら、何かしら島の為に頑張ろう」との強い思いがありました。何が出来るか分からないまま模索の日々でしたが、ある日、学校教員の先生に「山彦会を手伝ってくれないか?」と言われました。この「山彦会」とは、私の子どもの時代からある小中学生を対象とした少年柔道・剣道の社会体育活動の1つです。私もこの「山彦会」をきっかけに、高校まで剣道部で汗をかいておりました。このことが、今の活動や考え方につながっています。稽古は週2回夕方に行われていますが、村役場職員の協力もあり、会議等の時間調整を図りながら指導を行っております。

ここ2年間は感染症の影響もあり、通常の稽古や他島との交流試合の自粛を余儀なくされてきました。その間、警察や学校と協力して子どもたちに出来ることを少しずつ実施してきましたが、数年間続いているこの情勢は想像以上に影響が大きく、各島との連携の重要性を改めて感じております。各島との新たなコミュニケーションの構築を目指し、なおかつ武道を通じて子どもたちの成長の一助になればと思います。村長職としては異例かもしれませんが、「山彦会」の活動に関われることに感謝し、自分に出来ることを全力で取り組んでいます。

将来、この子どもたちが利島に帰ってくることは勿論ありがたいですが、たとえ「利島に帰る」という選択をしなかったとしても、利島に対して少しでも何かしらの思いを抱いてくれたら嬉しく思います。その為にも、私自身が利島で育った経験を活かして、子どもたちと身近に接することで「ふるさと」への思いを強くしてもらえたらと思います。子どもたちが将来大きく成長して、色々な角度からこの利島村を盛り上げてもらえるように、私自身も努力を重ねてまいります。