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「より健やかな町づくり」を目指して

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年4月18日

全景石川県川北町長  前 哲雄​​

 川北町は石川県の加賀平野のほぼ中央部に位置し、霊峰白山を源とする手取川の右岸に沿って拓かれた面積14・64㎢、人口約6、200人の町です。手取川のもたらす豊富な水と肥沃な土壌により、県内有数の穀倉地帯として発展してきましたが、昭和59年に誘致した松下電器産業㈱(現㈱ジャパンディスプレイ)石川工場をはじめとする企業誘致により、農・工・商のバランスのとれた町づくりを進めています。

 例年8月第1土曜日に開催している「川北まつり」は、北陸の真夏を代表する風物詩であります。夕闇迫る頃、本町の郷土文化であります「手取亢龍太鼓」の演奏から、音と光の祭典の幕は開け、会場の手取川簡易グラウンドには、2、000人を超える町民により「送り火」が照らし出されます。そして、高さ46mの「大かがり火」が点火されると、炎は天をも焦がさんばかりに赤々と燃え上がり、それとともに打ち鳴らされる「虫送り太鼓」の熱気あふれる共演で、まつりは最高潮を迎えます。

 そして、もう1つの目玉は、北陸最大級の大花火大会です。尺玉や創作花火、超ウルトラスターマインなど、2万発の花火が打ち上げられ、色鮮やかな大輪と体に響く花火の音は、県内外からの多くの観客を魅了しています。

 新型コロナ感染症の影響により、昨年と一昨年は開催できませんでしたが、落ち着いた状況で開催できれば、是非ともお越しいただきたいと思います。

 さて、本町は、以前より公共料金の低廉化と少子高齢化など福祉サービスの充実に努めてまいりました。

 公共料金については、水道使用料は、1ヶ月あたり10㎥まで無料(超過後1㎥につき50円)。下水道使用料は、定額2、000円/月。また、保育料についても、0歳児で、月額最高でも20、000円。1・2歳児で16、000円(第3子以降は無料)。町立保育所に通う3歳児以上の子どもの給食費は無料です。加えて、国民健康保険税や介護保険料についても、低く設定してあります。

 少子化対策としては、18歳以下の子どもの医療費の助成事業をはじめ、平成12年度に全国で初めて実施した不妊症治療費(不育症を含む)の助成事業や出産祝金(5~30万円)の支給などを実施しており、小学校区全てに放課後児童クラブとしても活用している児童館を整備しています。

 また、高齢者福祉や健康づくりの取組では、75歳以上高齢者に対する医療費の助成事業や35歳以上を対象とする短期人間ドック(脳ドックやPET検査を含む)への約9割の助成事業を実施するとともに、一人ひとりにあったきめ細かな福祉サービスに努めています。

 そのほか、新築住宅取得奨励金として1件あたり50万円を支給する事業や、町内で創業・起業する事業者に対して、最高50万円を支援する事業など、町独自の移住・定住や地域活性化の各種施策の充実を図っています。 そして、これらの施策が呼び水となって、平成9年度以降、町の人口は飛躍的に増加(当時と比べ、約1・4倍)し、年少人口比率(0~14歳)は石川県内トップの16・4%となっています。

 新年度に入り、町民からの要望が多かった多目的運動公園(仮称)の工事にいよいよ本格着手します。総面積は2・8haで、芝生広場や複合遊具、100m走路やジョギングコースを備え、令和5年度に完成予定であります。この公園が、町民の健康づくりの場、憩いの場、そして交流と防災の拠点として、今後の町の発展に大きく寄与するものと確信しております。

 川北町は、明治40年8月に中島村、草深村、砂川村の3つの村が合併し、誕生して以降、昭和55年4月に町制を施行、行政区域の変更もなく、現在に至っています。今後、本格的な少子高齢化、人口減少社会が到来し、地方を取り巻く環境がより一層厳しさを増す中、企業誘致による財政基盤の強化を図るとともに、町民が安全で、安心して暮らすことができる「より健やかな町づくり」に、引き続き取り組んでまいります。