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しっかりと地に足をつけて持続可能なまちへ

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年8月23日

京都府精華町長京都府精華町長 杉浦 正省​​

わがまち精華町は、京都府の南西端にあり、近畿圏のほぼ中心、神南備丘陵を臨む木津川流域に位置し、西部と南部はなだらかな丘陵、東部には平坦な農地が広がり、東端には木津川が流れています。

丘陵部は、かつて山林が多くを占めておりましたが、昭和53年に関西文化学術研究都市(けいはんな学研都市)の建設が提唱されてからは、その中心地として開発が行われ、「国立国会図書館関西館」をはじめ、先進的な研究開発を推進する「けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK)」、文化・学術・研究の中核的な交流施設「けいはんなプラザ」、また、里山の風景が再現・保全された広大な敷地を有する「けいはんな記念公園」、そして、民間の産業をリードする各種最先端の研究開発施設などが立地しています。

学研都市建設が本格化した昭和60年代はじめは、人口1万6千人余りのまちでありましたが、現在では約3万7千人となり、けいはんな学研都市とともに成長、発展を遂げてきました。

現在、精華町では科学・技術、文化など、さまざまな分野の研究開発施設が集積するまちの特色を生かした取り組みとして、未来を担う子どもたちに科学を中心とした多様な「学びの機会」を提供する「科学のまちの子どもたち」プロジェクトや、サブカルチャー等の創作活動支援のための「SEIKAクリエイターズインキュベーションセンター」を開設するなど、けいはんな学研都市の資源を生かした地域づくりや人材育成にも取り組んでいます。

また、平成25年には、3Dデータや音声合成技術を活用した広報キャラクター「京町セイカ」が誕生し、町広報誌やSNS、各種イベントでの広報活動や、ユーチューバーとしても活躍しています。さらに、平成28年からは、国内最高峰で国際的にもアジア随一の規模・レベルであり、多くの来場者で賑わう国際自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン京都ステージ」が開催され、世界で活躍しているトップクラスの選手達による熱い戦いが繰り広げられています。

一方、古くから農耕が行われ、稲作中心の農業に加えて、ビニールハウスを利用しての促成栽培やそ菜栽培などの都市近郊農業が発達してきました。特にいちごの産地として有名であり、いちご狩りのシーズンには利用客で賑わいます。また、近年では新たな特産品として「せいか苺のフレーバーティー」や、京都府立大学と産学公連携事業として栽培している「洛いも」から造る「洛いも焼酎」の販売も推進しています。

私自身も農業には長く携わっており、花き栽培として花の苗作りを中心に、洛いもや野菜の栽培を行っております。自然を相手にする農業は、手間暇がかかり重労働ではありますが、収穫時には喜びもひとしおです。

農家として勤しむ一方、平成5年5月から、精華町議会議員として活動させていただくことになりました。以来、議員生活は26年4ヶ月、その間、町議会議員の皆様や、京都府町村議会議長の皆様にも支えられ、町議会議長として10年4ヶ月、京都府町村議会議長会の会長として7年7ヶ月、最後には全国町村議会議長会副会長まで仰せつかり、令和元年10月24日より精華町の代表者として町政を預からせていただいております。

しかしながら、就任以降はコロナ禍で思っていた以上に活動が出来ず、忸怩たる思いをしています。

本町では最後のクラスターであります、南田辺・狛田地区の整備も進めていかなければなりません。また、現在、京都府及び近隣二市と連携して国に提案しています、けいはんな学研都市におけるスーパーシティー構想にも挑戦したいと考えています。これからは、けいはんな学研都市の高度な都市運営を支えることができる基礎自治体としての体力が必要です。自立のまちを目指すためにも、まだまだやらなければならないことが山積しています。学研都市精華町の未来のため、これからもしっかりと地に足をつけて、さまざまな施策を進めてまいりたいと考えています。