栃木県芳賀町長 見目 匡
芳賀町は、栃木県南東部に位置し、西は宇都宮市に隣接している人口約15、000人の町です。広大な水田が広がり、恵まれた自然環境を活かした農業が盛んで、県内有数の米どころとして知られています。
LRT(次世代型路面電車)の整備
芳賀町と宇都宮市が共同で、LRT(次世代型路面電車)を整備しています。全線新設によるLRTの整備は全国初であり、JR宇都宮駅から芳賀・高根沢工業団地までの14・6㎞をつなぐ路線となります。バスやデマンド交通などと連携することで、子どもからお年寄りまで誰もが利用しやすい公共交通ネットワークを構築します。
鉄道のない芳賀町にとって新たな移動手段となるLRTは、利便性の向上のみならず、芳賀町のシンボルとして魅力の向上につながり、新たな人の流れを生み出すことができるものと期待しています。
芳賀第2工業団地の造成
芳賀町には芳賀・高根沢工業団地と芳賀工業団地、合わせて約366haの工業団地があります。2つの工業団地には、芳賀町の人口を大きく上回る約30、000人が勤務しています。また、高度な技術を有する企業や研究所など約100社が立地し、雇用機会の拡大や地域経済の高度化・安定化、また、当町の財政基盤の安定にも大きく貢献しています。
現在、既存工業団地の隣接に約23 haの芳賀第2工業団地の造成を進めています。LRTの停留場からも近いことから、先行して予約分譲を行った区画については、おかげさまで優良な企業との予約協定を締結したところです。優良な工業団地の基盤が、更に強固なものになります。
祖陽が丘住宅団地の分譲
芳賀町の中心地である祖母井地区に124区画の住宅団地を町施工で造成しました。
芳賀町と宇都宮市を結ぶバイパス道路に接続していることや、日当たりが良く自然との調和がとれた好立地、LRTが開通する期待感等により、平成31年2月の分譲開始から約2年間で、全ての区画の分譲を完了することができました。想定していた以上の売れ行きで、芳賀町に魅力を感じ、住む場所として選んでいただけたというのは、ありがたい限りです。
また、入居される方の多くが子育て世代であり、今後の芳賀町の地域コミュニティの維持・活性化に寄与するものと期待しています。
自然と調和した新たな名所づくり
芳賀町の中心部を流れる五行川の両岸に、栃木県が整備を進める五行川芳賀遊水地があります。遊水地は、大雨の際に水量を調整し、洪水を防ぐ役割を持つものです。芳賀町では、その外周に桜を植樹し、桜堤を整備しています。また、四季折々の草花を植栽し、広大な水田に囲まれた見晴らしの良い風景と合わせ、新たな観光名所を生み出します。
また、遊水地の南の約1・3㎞に道の駅はが・芳賀温泉ロマンの湯があります。これらと芳賀遊水地をつなぐ遊歩道を整備し、歩いて往来できるようにします。LRTを利用し芳賀町を訪れた方々が、桜を始めとした四季折々の草花を楽しみ、散策でかいた汗を芳賀温泉ロマンの湯でゆったりと流していただく、そのような芳賀町でしかできない楽しみ方を提案できればと考えています。
人口減少社会において、町の持つ魅力を最大限に引き出しつつ、併せて、将来に必要な整備を行い、持続可能なまちづくりを進めてまいります。そして、農村の中にある目立たない町が、人口減少社会を克服し、未来に躍進するまちを目指します。