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助け合いと活力ある「健康の里」づくりをめざし

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年10月5日

京都府京丹波町長京都府京丹波町長 太田 昇​

京都府のほぼ中央部、京都市の北西約50㎞に位置する京丹波町は、平成17年10月11日に丹波町、瑞穂町、和知町の合併により誕生しました。人口は約1万4千人、南丹市、福知山市、綾部市、兵庫県丹波篠山市にそれぞれ接しており、総面積は303・09㎢。標高400~900mの緑深き山々に囲まれ、南側の山地は分水嶺の一部をなしており、森林面積は町の総面積の82・6%を占めています。

古くより京の都と山陰地方を結ぶ交通の要衝として栄え、現在でも京都縦貫自動車道やJR山陰本線、国道9号、27号、173号と3つの国道が交わり、京阪神へ1時間台で移動できる地域です。

みなさんは「丹波」という地名にどのようなイメージをお持ちでしょうか? 多くの方は農産物のブランドとしてイメージされるのではないでしょうか。

ここ京丹波町は、丹波高原の気候、風土に育まれた質の高い農林産物が生産され、また府内有数の酪農地帯があり、総合的な食の供給地としての産地が形成されています。

丹波黒大豆、丹波くり、丹波大納言小豆、丹波牛、丹波ポーク、和知川のアユ、大黒本シメジ、丹波まつたけ、丹波キヌヒカリ(米)、地酒、ワイン、瑞穂そばなどたくさんのこだわりのブランド産品がありますが、特に近年注目されているのは黒大豆の枝豆です。お節料理に入っている黒豆を10月に早抜きして枝豆として食べるもので、近年人気が高く黒豆の枝豆を求めて京阪神をはじめ遠方から来町される方も多く、町内を通る3つの国道のロードサイドにも農家の臨時の販売所が設けられ賑わいます。例年9月頃から「京丹波黒豆の枝豆街道マップ」を作成し京丹波町観光協会のホームページで公開しています。

そして京丹波町の基幹産業のもう1つが林業です。農業と同じように京丹波町は古くから材木や松茸など山の恵みを京の都へ供給していました。しかし、森林や林業は衰退の一途をたどってきましたが、近年は国内での森林に対するコンセンサスの高まりやパリ協定など国際的な環境意識の変化により、資源としての木材の活用が脚光を浴びようとしています。そして林業をささえる人材育成の場として、平成24年4月には、「京都府立林業大学校」が本町に開校しました。

現在、京丹波町では、安心・安全なまちづくりのため、60年前に建てられた庁舎の建て替えを町内産の木材を使用してすすめており、令和3年8月に完成予定となっています。また、老朽化した幼稚園、保育園を新たに認定こども園に整備をすすめていますが、この新園舎も町内産木材を使用し、子どもたちが木の温かみや木の良さを感じられるこども園として令和4年4月の開設をめざしています。

私が町政をお預かりし3年目になりましたが、まちづくりの基本理念として、助け合いと活力ある健康の里づくりをめざした町政運営をめざしています。

健康とは、文字どおりの町民の皆さんの「心身の健康」であり、仕事や家庭など「生活面での健康」、社会の中で居場所があると感じられる「社会的な健康」この3つの健康がそろった状態を実感いただける京丹波町をめざしています。そして町の行財政も公平・公正かつ健全で「健康」な状態にし、町民の皆さんの「健康」を町の行財政の「健康」が支え、安心して幸せに暮らせる、そんな町づくりをすすめていきたいと考えています。

「和顔愛語」という言葉を座右の銘として、町民の皆さんが穏やかな笑顔でやさしく温かく思いやりあふれる言葉が交わされる町になることを願っています。

すばらしい町になるよう、「みんなでやる」のではなく、「みんながやる」意識で取り組んでいきたいと考えています。

最後に、本町には4つの道の駅があり、そのうちの1つ「道の駅京丹波味夢の里」に「フェアフィールド・バイ・マリオット」というホテルが本年10月にオープンします。コロナ禍での厳しいスタートになりますが、1日も早く収束し、全国の多くの皆さんが京丹波町へお越しいただくことを心よりお待ちしています。