ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 町村長随想 > イタリアーノひらお

イタリアーノひらお

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年8月3日

町長顔写真山口県平生町長 浅本 邦裕

わが平生町は、山口県東南部の室津半島に位置し、面積34・59㎢からなり、東へ安芸灘、南へ伊予灘、西は周防灘という海上の無限の広がりを有しております。また、この地には、縄文時代から、温暖な気候を求めて私どもの先祖が住みついたとされ、西日本有数といわれる岩田遺跡の存在においても確認することができます。

特に神花山古墳は、5世紀前半に築造された前方後円墳で原形をとどめた西日本屈指の古墳であります。石棺から女性の人骨が発見され、鑑定の結果、この地を治めていた古代女王の存在が明らかになりました。復顔による女王像の設置をするなど、1つの観光スポットとなっております。

地形的には、室津半島の中ほどに大星山を有しており、438mの山頂からの景色は壮大で、四国山脈や大分の国東半島を臨むことができます。半島の屋根づたいには風力発電の7つの風車がグルグルとまわっており、海岸線では、シーカヤックを楽しむ人たちも見受けられます。

私も長年、東京での生活を送っており、この地を離れて生活しておりましたが、ここ平生町に戻ってまいりまして、改めて「ふるさと」の良さをしみじみと噛みしめているところであります。もし都会から来町される機会があれば、この豊かな大自然の中で歴史と文化に触れることで、田舎の原風景を味わうことができるのではないでしょうか。

さて、私は平成30年12月に町長に就任いたしました。現在、町民の皆さんと一緒になって笑顔あふれるまちづくりに向けて、各種の施策に取り組んでおります。

昨年5月から元号も「令和」と改まり、時を同じくして本町でも新たな取組を始めております。

本町は、対外的にセールスポイントに乏しく、アピールするものが少ない町です。町内を見渡してひとつひとつを見てみると、誇れるものは沢山あるのですが、観光PRや特産品PRの際には、インパクトに欠けるものばかりで、新たな魅力・付加価値が必要と感じておりました。そこで、本町の所在する山口県室津半島とイタリア半島が形状的に類似しているという点に着目して、イタリアをテーマとしたまちづくりの取組を進めることとし、「イタリアーノひらお」と銘打ち、内外に情報を発信している最中であります。

昨年度は、ロゴマークを作製し、庁舎をはじめ公共施設に掲示するとともに、愛らしいイタリアカラーのピンバッジも作製いたしました。10月には、毎年開催しております自転車レース「大星山サイクルフェスタⅰnひらお」に、イタリア人プロ自転車レーサーを招聘し、大星山山頂までのヒルクライムレースに参加していただき、町民の皆様との触れ合いを楽しみました。

11月の産業まつりでは、町内4地域の会場をローマ、ミラノ、ナポリ、フィレンツェブースと名付け、それぞれにテーマを掲げてイベントを行いました。特にフィレンツェブースでは、イタリアーノひらおフェスタを同時開催し、イタリアのスーパーカー、フェラーリやランボルギーニなど十数台を愛好家の協力を得て展示し、沢山の方に喜んでいただきました。

また、6次産業化を目指し、今年2月には、オリーブの苗木を地域おこし協力隊員と地元町民の皆様の手で町内の公園に170本余り植栽いたしました。公園の名称も「ATATA Olive Park」と命名し、中学生が手作りの看板を作製してくれました。今年度も同程度の植栽を予定しております。

オリーブの木の成長に合わせ、その果実からオリーブオイルを搾取することはもちろんですが、イタリア野菜やレモン栽培も奨励してまいります。そしてこれらを当町の新たな特産品として育てていきたいと考えているところです。

「イタリアーノひらお」事業の進捗の傍ら、当町では、イタリア料理店、パスタ店、ピッツァ店の起業も歓迎していますので、ぜひお声をかけていただきたいと存じます。お待ちしております。

今後も全国に向けて、「イタリアーノひらお」を発信してまいりますので、是非、おいでませ‼平生町に。