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山紫水明 食と文化 癒しの郷-豊かな自然と伝統文化を守り育てる協働による村づくり-

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年10月14日

長野県生坂村長 藤澤 泰彦長野県生坂村長 藤澤 泰彦

生坂村は、縄文・弥生時代から人々の営みが続いており、江戸時代から明治中期までは、煙草産業により非常に栄えました。その後、明治末期頃から昭和50年代までは養蚕が村の基幹産業でした。さらに昭和60年代には、巨峰産地づくりが開始され、「山清路巨峰」のブランドを確立させ、現在は、ナガノパープル・シャインマスカット・クイーンルージュなど「イクサカラット」のブランド化を進めています。

昭和32年3月31日に町村合併促進法により誕生した生坂村は、人口1、800人ほどの小さな村ですが、平成の合併はせずに自立の道を歩んでおります。

当村は、犀龍小太郎が巨岩を砕いたと伝えられる渓谷美の山清路、清き流れの犀川の水辺と雄大な大城・京ヶ倉の山並み、木々のぬくもりを感じる高津屋森林公園、大空へいざなうスカイスポーツ公園などの里山が織りなす山紫水明の豊かな自然に恵まれています。

また、村を見守ってきた赤地蔵・金戸山百体観音、数百年の生命を紡いできた乳房イチョウと観音堂などの歴史・文化遺産の財産を背景にし、先人が守り育んできた自然・伝統との共生の精神を受け継ぎながら、人とのふれあいを大切に心豊かな暮らしを営んでいます。

現在、子育て支援センターは、村内全ての子ども等に対し必要な支援に関わる業務全般について、他機関との連携を図りながら、中核となって継続的なソーシャルワーク業務を行っており、3歳児以上の保育料無償化の先行実施に伴い、給食材料費の無償化と、北海道標津町との交流学習、結婚祝金・出産祝金・入学祝金の贈呈、小中学校の給食費の無償化などにより、次代を担う子供達への子育て支援と教育の充実に努めています。

健康な暮らしの継続と福祉の充実のために、保健師や管理栄養士による保健指導を積極的に行い、特定健診・特定保健指導の受診及び健康維持の啓発を強化し、認知症初期集中支援、高齢者のフレイル予防事業などの充実対応とともに、有償援助サービス「もりびと」を本格稼働し、村民相互の支え合いによる地域づくりを進め健康長寿を目指しています。

「道の駅 いくさかの郷」は、日本で初めて「ハンガリー村」として開村し、ハンガリーの紹介、ワインなど名産品とお料理の提供をしており、また、農業公社のかあさん家は、生坂村産の原材料を多く使用して、灰焼きおやき、おまんじゅう、おにかけ、かあさん豆腐、巨峰ジュースなど、生坂村ならではの郷土食や加工食品の提供などで、当施設でないと味わえないオンリーワンの運営を行っています。

基幹産業である農業振興のために、「県営中山間総合整備事業」によりブドウ畑への圃場整備を行い、新規就農研修制度では、ブドウ栽培の担い手の育成により、新規就農者の移住定住にも結びついています。

「暮らしを楽しむセミナー」では、「信州ひすいそば」の栽培と新そばを味わう会の開催などの活動をされている「おじさま倶楽部」と、信州の味コンクールで知事賞を受賞された「女・人輝きクラブ」、その他にも「お母さん頑張る会」「お父さん頑張る会」「ハチクの会」など、多くの団体が色々な活動を通して、村内外に素晴らしい情報発信をしていることで、村の活性化に大変貢献していただいており、村民の皆様の生きがいづくりにもつながっています。

ホームタウンとなった松本山雅FCとの様々な連携により、当村のPRや村民の皆様の健康づくりやスポーツ交流事業等を行っています。また、各種懇談会や子育て支援、健康づくりなどに付与するポイント制度、若者定住促進住宅の建設、生坂村移住定住及び空き家対策事業補助金など、人口減少対策と地域づくりに取り組むことで、安全安心な生活と地域・村の活性化を目指し、オール生坂で村政運営を進めています。

そして、村民の皆さんとの対話を重視し、村民が主役の村政運営を心がけ、山紫水明の豊かな自然、先人が築かれた伝統文化を守り育てるために、更なる村民の皆様との協働による村づくりを継続しております。