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町制施行125周年住民満足度100%のまちを目指して

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年10月15日

長野県下諏訪町長  青木 悟長野県下諏訪町長  青木 悟

 

下諏訪町は、長野県のほぼ中央に位置し、八島湿原や諏訪湖に代表される美しい自然に囲まれた人口2万人ほどのコンパクトな町です。その歴史は古く諏訪神社総本社の門前町として栄え、町内には秋宮、春宮の2つの社を有し、寅年、申年の7年毎に開催される諏訪大社最大の神事「御柱祭」では急斜面を大木が一気に滑り落ちる「木落し」が全国的にも知られています。また、かつて江戸時代には、中山道と甲州街道の分岐点として、参勤交代の諸大名、行商人など多くの旅人が行き交う中山道随一の温泉宿場町として今でも風情を色濃く残し、歴史情緒溢れる街並みとして、今も昔も変わりなく旅人を迎える魅力ある温泉・観光資源に富んだ町です。こうした時代を経て、明治・大正・昭和の時代は、製糸業から精密工業の盛んな町として産業の発展を支えた「ものづくり」への弛まぬ努力と技術が現在でも継承されています。

時代の変化は町の歩みでもあり、歴史豊かな、いで湯のまち下諏訪は、明治26年6月30日「下諏訪村」から改称し「下諏訪町」となって以来、本年、町制施行125周年の記念すべき年を迎えました。この節目を機に、先人が築いた町の歴史、文化、伝統を振り返るとともに、更なる飛躍に向けた事業を進めています。

代表的な事業として、町民一人ひとりが生涯にわたって健康づくりに心がけ、スポーツに親しむまちづくりを進め、地域の活性化と明るく活気ある生き甲斐に満ちた暮らしを目指すため「健康スポーツ都市」を宣言しました。当町では、諏訪湖周を「健康スポーツゾーン」と位置付け、気軽にご利用いただける健康器具を諏訪湖畔に設置し、新たに健康増進施設の整備を検討するなど、更なる住民の健康意識の向上とスポーツ機会の充実に努めています。

また、当町は県内唯一の常設漕艇場を有し、町民がボート競技やカヌーに親しむことができる環境にあります。毎年開催される下諏訪レガッタには、多くの町民が参加し、ボートを通じて職場、地域の仲間との交流を深める機会となっており、この町ならではの環境を活かしたスポーツを推進しながら、「生涯一町民一スポーツ」を目指しています。

次に、近年、国内各地で発生している自然災害への防災・減災対策として、当町でも「防災意識日本一のまち」を目指した取組をしています。町と各地区の自主防災会による「地区防災計画」の策定は、町内にある全ての区(10区)において、過去の災害箇所や被害を受けた場所を、地域住民のみなさんが意見を出し合い実際に危険箇所の確認を行うなど、地域の実情にあった地区防災マップの作成に取り組んでいます。これも一重に町民の災害への関心の高さと、災害時の対応、避難等について日頃より防災意識の啓発を行っている成果であると感じています。こうした地域住民の活動が引き金となり、本年より防災士による組織として「防災ネットワークしもすわ」が発足しました。町のチャレンジ事業支援金を活用した資格取得により、現在では101名の防災士が誕生し、防災訓練や各種防災活動に取り組みながら、町の地域防災力向上を目指して活躍しています。更なる地域防災力の強化と「自助、共助、公助」の連携により防災意識のより一層の高まりを期待し、住民の皆さんと手を携えながら、「防災意識日本一のまち下諏訪」の実現に向け、地域の人と人とのつながりを大切にした、安全で安心なまちづくりを着実に進めていきます。

これからも住民の皆さんとともに地域への愛着を育み、住んでいることに誇りが持てる「小さくてもきらりと光る美しいまち」の実現と、住民満足度100%を目指して、まちづくりに邁進してまいります。