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楽天思考・絶対上手くいく!

印刷用ページを表示する 掲載日:2006年2月16日

千葉市女性センター名誉館長・アナウンサー(元NHK) 加賀美 幸子
(第2548号・平成18年2月16日)

ゴルフについては何も知らない。プレイは勿論、その魅力も世界も全く縁遠いのである。理由はとくにない。家と仕事で一杯の半生ではあったが、少しの時間があれば、外に出ず、本を読んだり書いたり、美術に触れたり味わったりの時間を優先させて暮らしてきたからかもしれない。

しかし、テレビで、風景として競技を垣間見たりもするし、活躍するプロゴルファーについての情報などは放送局の人間として、全く知らないわけではない。

先日NHKの「ラジオ深夜便・心の時代」で、プロゴルファー・中嶋常幸さんのお話を耳にし、思わず身を乗り出した。中嶋さんは1954年(昭和29)生まれ、1975年にプロ入りされ、58回の優勝、国内外でのトーナメントで、常に力ある腕を見せておられるが、気持ちを新たにグリーンに立つ、その心を淡々と深い思いで語られていた。それはゴルフを知らない私も惹き付けられる内容であった。

なかでも嬉しかったのは「こんなことでは駄目かも知れない。失敗しそうだな。上手くいかないかもしれない、自信がないなあ…と思ったら、本当に失敗し駄目になる。どんな状況に追い込まれようと、どんなところにボールが行こうが、絶対自分は大丈夫。絶対どうにかなる。自分なら乗りきれる。…と楽天的に自分を信じ、何が何でも諦めない。その結果良い方向に展開し、乗り越えられることが多い。良い成績の人、優勝者の多くは大変楽天的である」というところであった。それは誠に説得力があった。

我々放送の仕事も、本番前に「失敗しそうだな」と心が揺れると、必ず間違えたりとちったりする。「どんなことがあろうと、本番では絶対上手くいく!」と私も自分にいい聞かせて臨むことにしている。不思議に上手くいくものである。どの世界も同じなのだと嬉しくなった。