フリーアナウンサー 青山 佳世(第2977号・平成28年10月17日)
初秋は台風に天候不順にと悩まされましたが、いよいよ行楽、読書、スポーツシーズン到来です。マラソン、山歩き、街歩き、 そして今年は、「歩くトレーナー」(ゲームをする人)という新しい「歩き」のジャンルが生まれたようです。
これまで青春時代含めてゲームには全く関心がありませんでしたが、 今回の新しいゲームは「ゲームの世界と現実のリンク」、「一人で部屋にこもるのではなく外へ出て仲間と一緒に」あるいは「観光の目玉に」…といううたい文句に少し興味が沸いてきました。 また歩きスマホによる交通事故、駐車違反にマナー違反といったマイナス報道もされるなど社会現象となっている現状に、食わず嫌いでコメントするわけにいかなくなり、早速体験することに。
少々気恥ずかしい思いで珍しいキャラが出現するという公園に行ってみました。すると若者はもちろん、かつてのゲーム世代、孫と遊ぶために必死のおじいちゃん、 おばあちゃん…実に様々な大勢の人々が集まっていました。
「でた!」(キャラが出現)、「やった!」(捕まえた)あちらこちらで歓声が上がると、出現した地点に向かって、携帯片手にほかの大勢の人たちが一斉大移動。この光景を一度はご覧あれ、 思わず笑いがこみ上げるはずです。はじめは携帯画面に首っ引きですが、慣れてくると周りの風景を見る余裕がでてきて、新たな発見も多々あるのです。
海外でも全く同じキャラが現れます。アメリカ、オーストラリア、アジアだけしかないキャラが一匹ずつあるといわれていますが、逆に地域性のあるキャラがもっと出てほしいものです。 そこでしか手に入らないキャラがあれば、他の土地へ行く楽しみも増えるはず。このゲームは正確なGPS情報によるため、ドライブ中助手席ナビ係は、地名は入っていないものの地図代わりに大いに助けられました。
地域振興、観光振興に使うのは本末転倒という声も聞こえそうですが、一つのきっかけづくりになります。魅力的な街で魅力的なキャラに出会えれば最高です。キャラの出現場所や出現回数など、 地域活性化に貢献するような仕組みがあるといいですね(もちろん希望する地域に対してですが)。たかがゲームされどゲーム、キャラも強化・進化させることができるのですから、元気の欲しい国や地域、 お店へ人々を誘えるように進化させることができれば、普通のゲームとは一線を画す存在になることでしょう。