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安心して移動できることの幸せ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年6月2日

フリーアナウンサー  青山 佳世(第2881号・平成26年6月2日)

アメリカへ出発する直前、ぎっくり腰になってしまいました。起き上がるのもやっと、長く歩くことはとてもできません。2~3日たてば動けるようになりますが、さて飛行機に乗り、 空港を移動できるかどうかです。

すがる思いで航空会社に電話したところ車椅子でサポートしてくださるとのこと。航空会社はレベルの高い車椅子サポート体制を整えていることを知っていたのが幸いしました。 途中きめ細やかに気遣っていただきながら飛行機に乗せてもらい、アメリカへ向かいました。アメリカはどうなっているのか心配でしたが、ロサンゼルスの空港に着くと、 飛行機の入り口で車椅子サポートの方が待機していて、入国審査の手続き、荷物の受け取りもすべて手伝ってくれます。ターミナルを移動するとサポート係員も別の係員へバトンタッチ。 サポートの流れは極めてスムーズです。さすがアメリカはユニバーサル社会の先進国、車椅子の移動は当たり前なのです。海外の主要な都市の国際空港はハブ空港として評価されていますが、 利用者にとってはあまりに大きすぎて移動が一苦労、決して使いやすいとは言えません。年配の方も空港内の移動は大変です。

サポートする側も当たり前の行為として移動の手伝いをしますので、 受ける側は申し訳ないという気持ちの負担感も少なくサポートを受けることができます。(もちろんチップは払いますが無料サービスです)ただ利用する人が多いので、 屈強な男性サポートの方もへとへとの様子でした。これからの高齢化の時代、サポートの需要は益々増えることが予想され、空港内のスムーズな移動対策は必要です。

日本の場合は、実にきめ細かに一生懸命サポートしてくれます。逆にサポートする側もされる側も疲れてしまう側面もあります。ただお国柄として「心を込めて」の姿勢は忘れてほしくないものです。

多くの皆さんのサポートの御蔭で、無事アメリカにたどりつくことができました。当然の権利ではありますが、やはり感謝です。