展示ホールは終日来場者で賑わった
3024号(2017年12月18日) 全国町村会 広報部
全国町村会(会長・荒木泰臣熊本県嘉島町長)は、12月2日(土)、3日(日)の両日、東京国際フォーラム(千代田区)で「町イチ!村イチ!2017~町村から日本を元気にする~」を開催しました。このイベントは、全国の町村が一堂に会し、「日本人のふるさと」ともいえる町村の魅力をアピールすることを目的として2011年に第1回を開催、今回で4回目となるものです。
メイン会場である東京国際フォーラムでは、毎回ご好評をいただいている特産品の展示・販売やご当地グルメの食堂コーナー、ステージ上では郷土芸能やパフォーマンス、ロビーギャラリーでは伝統工芸の実演・体験等に加え、移住・定住に関心がある方々に町村の暮らしに密着した情報を紹介するコーナーも設けました。併せて、今回は冬の開催ということもあり、メインオブジェとしてクリスマスツリーや大きなソリを飾るなど、イベント会場内がクリスマスの雰囲気に包まれるような演出を施しました。
また、サテライト会場である有楽町駅前広場にはマルシェコーナーを設け、町村から新鮮な採れたての味覚をお届けし、ステージ上では郷土芸能やご当地キャラによるパフォーマンスが演じられました。
全国から約340町村が参加した本イベントには、2日間で約48,000人の来場者があり、終日賑わいを見せました。
「町イチ!村イチ!2017~町村から日本を元気にする~」の開会に先立ち、主催者を代表して荒木全国町村会長が有楽町駅前広場にて挨拶を行い、「町村が持っている『おいしいもの・楽しいもの・面白いもの』を十分楽しんでいただけるイベントですので、是非、東京国際フォーラムまでお越しください」と街行く方々にイベント会場へ足を運んで頂くよう呼びかけました。
引き続き、メイン会場である東京国際フォーラム・メインステージで開会式を行いました。熊本県PRマスコットキャラクター「くまモン」や栃木県茂木町の「ゆずも」などのご当地キャラクターも登壇する中、荒木全国町村会長は「このイベントはご来場者の方々に町村が持っている個性豊かな魅力と地域に住むことの素晴らしさを伝える絶好の機会であると考えています。ひとりでも多くの方に町村のファンとなっていただくよう、頑張っていきましょう。」と出展町村など関係者に向けて呼びかけ、「日本を元気にするのは『町イチ!村イチ!』」との全員の大きなかけ声とともに、正午に開幕しました。
ステージ上で挨拶をする荒木全国町村会長
メイン会場・ホールEでは、開場後から午後7時の終了時まで来場者が絶えず、賑わいを見せていました。翌日は午前10時から午後5時まで開催し、メイン会場、サテライト会場とも、多くの方々にご来場いただきました。
以下、各コーナーの概要を紹介します。
◆東京国際フォーラム ホールE(B2F)
○特産品展示・販売コーナー
ホールE(5,000㎡)では、北海道、東北、関東、北信越・東海、近畿、中国・四国、九州の七つのエリアに分かれ、約270の展示・販売ブースが並び、約2,200種類の特産品が出品されました。世界自然遺産白神山地からそそぐ清らかな水によって育まれた秋田県三種町の「じゅんさい」、1300年の歴史を持つ埼玉県小川町の「小川和紙」、但馬の香住港で水揚げされたブランドガニである兵庫県香美町の「香住ガニ」、糖度8.0以上を誇る高知県日高村の「シュガートマト」など、各町村が持ち寄った選りすぐりの品々がお目見えし、試飲・試食や地元特産品を懐かしむ方など多くの来場者に楽しんでいただきました。
香住ガニの加工品(兵庫県香美町)
○町イチ!村イチ!食堂
自慢のご当地グルメを楽しめる「町イチ!村イチ!食堂」には50以上の町村が出展しました。甘味たっぷりの脂が乗った能登豚に、自家製のタレと温泉卵を合わせた石川県中能登町の「能登豚丼」、高級食材として知られる自然薯をすりおろし、ダシを加えて仕上げた兵庫県神河町の「自然薯だしとろろ丼」、100%町内産の野菜やフルーツに拘った岡山県鏡野町の「かがみの里山スムージー」、町内で伝統的に作られているそうめんに鳴門海峡の海の幸をトッピングした徳島県つるぎ町の「半田そうめん」など、多くの来場者が普段東京では味わえないご当地グルメを堪能していました。完売も相次ぐほど盛況で、列をなしている来場者からは「美味しいです。また食べたくて2回目に並んでいます。」という声も聞かれました。
人気の食堂には行列も
○町イチ!村イチ!ステージ
町イチ!村イチ!ステージでは、日本三大盆踊りの一つであり、国の重要無形文化財に指定されている秋田県羽後町の「西馬音内盆踊り」をはじめ、広島県坂町の「獅子舞」など町村の魅力を伝える伝統芸能等の披露がありました。また、栃木県那須町の「クロロとゆめな」などのご当地キャラクターによるパフォーマンスや、福岡県添田町の観光大使を務める女優の熊谷真実氏による町のPRなども行われ、国の重要無形文化財から芸能人まで出演する幅の広いステージに来場者は釘付けでした。
女優の熊谷真実氏による町のPR(福岡県添田町)
○ご当地キャラクター
「町イチ!村イチ!」では全国各地のご当地キャラクターが一堂に会し、毎回イベントを大いに盛りあげてくれます。宮城県蔵王町の山に住むグルメでやさしい王様「ざおうさま」、伊豆諸島の名産品「くさや」の食わず嫌い克服PRに日々励む東京都利島村の「くさヤーマン」、日本一長い正式名称を持つゆるキャラであり圧倒的な存在感を誇る富山県入善町の「ジャンボ~ル三世」、町の名所「くにの松原」をこよなく愛する海ガメがその姿を細身に変えた鹿児島県大崎町の「松原王子」など、約100体ものご当地キャラクターが集結しました。このようなイベントは貴重とあって、早朝から熱心なファンがカメラ片手に来場していました。中にはクリスマスアイテムを身にまとったキャラクターも登場し、来場者との交流を楽しみました。ご当地キャラクターの人気はとどまるところを知らず、しっかりとファンの心をとらえている様子で、前回に引き続き「町イチ!村イチ!」の注目コンテンツとなっています。
メインオブジェの前のクロロとゆめな
全国からご当地キャラクターが大集合
○震災復興応援コーナー
震災復興応援コーナーでは、東日本大震災や熊本地震等全国各地で取り組まれている被災地の復興・復旧への状況をパネル展示し、来場者にわかりやすく紹介しました。
◆東京国際フォーラムロビーギャラリー(B1F)
○あの町!この村!暮らしのイロハ情報コーナー
近年、若い層も含めて地方移住への関心が高まっているなか、田舎暮らしやU・Iターンに関心がある方々の移住・定住を後押しするために、町村で暮らす際の“あれこれ”を紹介する「あの町!この村!暮らしのイロハ情報コーナー」を設けました。このコーナーには90以上の町村が参加、各パネルにはふるさとの魅力、住まいやなりわい(仕事)など実際の暮らしや生活に密着した情報を展示し、関心を持った方々はその場で直に町や村の担当者に質問・相談できる絶好の機会とあって、熱心なやりとりが見られました。
暮らしのイロハ情報コーナー
また、新しいライフスタイルの提案や移住検討のためのステップやポイントを紹介する「移住の魅力発見パネル」を設置、町村の職員や移住者がそれぞれの地域に関する取組を紹介するセミナーステージも開設しました。セミナーでは北は青森県七戸町から南は宮崎県三股町まで2日間で13の町村がそれぞれの自然や産業などを紹介し、地域の魅力をステージからアピール、実際に移住・定住されている方の暮らしぶりなども紹介され、参加者は熱心に耳を傾けていました。
移住・定住セミナー
○伝統工芸実演・体験コーナー
伝統工芸実演・体験コーナーは、第1回目から継続して開催している「町イチ!村イチ!」ならではのコンテンツです。今回は、山形県金山町の「金山大工職人体験」、長野県喬木村の「阿島傘の実演」、福岡県志免町の「博多曲物小物作り体験」など、13のブースで伝統の技が来場者に披露されました。ご年配の方から小さなお子さんまで、多くの来場者が匠の指導の下、実際に伝統工芸を体験し、思い思いの形やデザインに仕上げた品を眺めながら、今日だけの貴重な体験に満足している様子でした。
金山杉を使った箸づくり体験(山形県金山町)
○町イチ!村イチ!商談会
首都圏で町村の特産品の販路開拓を図るため、26町村に参加いただき、食品流通バイヤー11社とのマッチング商談会を2日(土)、東京国際フォーラムホールD1会議室にて行いました。会場には、生鮮食品や加工食品、飲料など70品目以上の商品が展示され、終日熱心な商談が行われました。
◆サテライト会場 有楽町地上駅前広場
今回、サテライト会場では、街行く方々にふるさとの採れたての味覚を持ち帰っていただくため、マルシェコーナーを設けました。茨城県大子町の新鮮なりんごなど、6町村が採れたての野菜や果物を販売、多くの方々がブースに立ち寄り購入されている姿が目立ち、全てのブースで閉会時間を待たずに完売しました。
採れたての味覚をマルシェで提供
また、特設ステージでは和歌山県太地町の伝統芸能「くじら踊り」や、福岡県大任町の「Big Sisters OTO姫」によるパフォーマンスなどが披露されました。多くの通行人が脚を止めて見入るほど迫力あるステージに、演目後には大きな拍手を頂きました。このほかご当地キャラによる地元PRステージや撮影会も行われ、会場を盛り上げました。
和歌山県太地町のくじら踊り
今回で4回目の開催となった「町イチ!村イチ!2017~町村から日本を元気にする~」は、多くの方にご来場いただき、盛会のうちに閉幕しました。これもひとえにご参加いただいた町村及び各都道府県町村会関係者の皆様のご支援、ご協力の賜物であります。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
町村は依然として少子高齢化や過疎化など厳しい状況に置かれていますが、田園回帰の動きを加速させ、都市と農山漁村がお互いの価値を認め合い、共に生きる社会をつくることは、日本の未来を切り開いていくために重要なことです。「町イチ!村イチ!」がそうした動きにつながるきっかけとなり、「町村から日本を元気にする」という目的実現の一助になれば幸いです。