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青森県中泊町/大地の恵と海の幸 心ひとつに希望の町

印刷用ページを表示する 掲載日:2026年4月6日更新

黄金色に染まる津軽平野

▲黄金色に染まる津軽平野


青森県中泊町

3355号(2026年4月6日)
青森県中泊町 総合戦略課
課長補佐 木村 将師


  1. 中泊町の概要
  2. 兼任集落支援員を活用した地域コミュニティの活性化
  3. 脱炭素先行地域の取組
  4. 中泊町カーボンフリー養殖推進協議会の設立
  5. 中泊さかなプロダクツ協議会の取組
  6. 自然環境を活かした津軽海峡遠泳
  7. 文化のかほる中泊町
  8. 町独自の英語教育

1.中泊町の概要

 本町は、津軽半島の中央部を走る津軽山地(通称中山山脈)の西側に位置し、五所川原市(旧市浦村)をまたぐ飛び地となっており、総面積が216.34km²となっています。

 中里地域は、東に東津軽郡蓬田村と外ヶ浜町(旧蟹田町)、西はつがる市(旧車力村、旧稲垣村)、南は五所川原市(旧金木町)、北は五所川原市(旧市浦村)と接しており、東西13km、南北21km、面積が151.63km²となっています。面積の約6割が山地で、約3割が平地であり、袴腰岳(標高628m)をはじめとする津軽山地は、スギ・ヒバなどの針葉樹林を中心とした国有林となっています。南西部には、白神山地に端を発して津軽平野を縦断する岩木川が流れ、いくつかの支流を集めて汽水湖の十三湖に注いでいます。河口付近の平野地帯は地下水位の極めて高い低湿地で、稲作などに適した肥沃な土壌になっています。集落は津軽中里駅周辺、国道339号沿い、河川沿いなど、山裾から低地にかけて形成されており、山裾の集落付近には数多くのため池が所在します。

夕日が沈む日本海で行われるヤリイカ漁

 小泊地域は、東に東津軽郡外ヶ浜町(旧三厩村)、南は五所川原市(旧市浦村)と接し、西は日本海を望み、北は北海道渡島半島に対峙しており、東西13㎞、南北16㎞、面積が64.71km²となっています。面積のほとんどが山地丘陵地で、平地は非常に少ない地域です。西南部に伸びた小泊岬は「権現崎」と称され、標高229mの尾崎山があります。西側の日本海沿岸は海蝕崖となって海に迫り、東部の町境線は標高586mの矢形石山をはじめとした400~500mの峰が走り、その峰までの間はおおむね10~30度の傾斜をもつ国有林地帯となっています。集落は小泊漁港、下前漁港などの漁港付近に形成されています。

 主要な産業は、第1次産業となっており、『中里地域の農業』『小泊地域の漁業』を活かした取組を進めています。

2.兼任集落支援員を活用した地域コミュニティの活性化

兼任集落支援員が企画した多世代交流ハロウィンパーティー

 令和7年度末時点で33地区に兼任集落支援員を配置し、地域で解決できる問題に一つ一つ取り組んでいただいております。特に今年は例年にない大雪となり、高齢者世帯の除雪作業などに取り組んでいただきました。また、地域のおまつりや百万遍などの開催により地域住民が主役となるまちづくりに積極的に取り組んでいます。

 少子高齢化による人口減少は避けられない状況ですが、兼任集落支援員が中心となって地域の課題を地域で解決する力をつけていくことにより、人口が減っても地域の生業を維持できるよう今後も努めてまいります。

3.脱炭素先行地域の取組

脱炭素先行地域の取組体制のイメージ図

 本町は、環境省が推進する脱炭素先行地域として2026年2月26日に選定されました。

 また、3月には、「中泊町地域裨益型再生可能エネルギー共創条例」及び「中泊町地域裨益基金条例」を制定し、再エネ事業者が地域に裨益することを定めた協定を町と締結することを義務化することで、再エネ事業収益の一部を基金として積み立て、地域に裨益する事業(更なる再エネ導入、農林水産業、観光等)へ活用してまいります。

 地域内にある自然エネルギーを地域内で消費するため、令和6年12月に、自治体新電力会社『中泊リージョナルパワー(株)』を設立しました。町内でつくられた再エネ由来の電力の調達・供給と、その収益の一部を基金に積み立てる役割を担い、再エネ電気への切り替えが進めば、収益の一部を地域裨益事業に充てる仕組みにより、これまで域外に流出していたエネルギー代金を域内に循環させることができます。令和8年1月から町の公共施設へ供給を開始し、本年3月から町内の一般家庭や事業者への供給受付も開始したところです。

 2030年度までに民生部門の温室効果ガス排出量の実質ゼロをめざすとともに、地域課題の解決と脱炭素化を同時に実現する先行的な取組モデルとして発信することで、全国の脱炭素化を先導する役割を果たしていきます。

4.中泊町カーボンフリー養殖推進協議会の設立

 令和8年4月に、完全閉鎖循環型養殖と再生可能エネルギーを活用したカーボンフリー養殖事業を実現し、地域産業の脱炭素化と付加価値向上を図ることを目的として、中泊町カーボンフリー養殖推進協議会を設置します。 

 本協議会では、養殖事業における再生可能エネルギーの利用や未利用魚の飼料化を通じて、温室効果ガス排出量の削減と資源循環の促進を図るとともに、脱炭素と産業振興を同時に実現するモデルの構築をめざします。

5.中泊さかなプロダクツ協議会の取組

▲左:商品開発に取り組んでいる中泊さかなプロダクツ協議会の皆さん ▲右:昨年発売された「青森県産漁師のサザエカレー」

 地元で獲れる自慢の魚介に付加価値を付け、全国へ届けることを目的に漁協婦人部が中心となって構成している協議会では、町が北海道福島町と包括連携協定を締結しているご縁もあり、昨年、本州北限のサザエのブランド化を目的に「青森県産漁師のサザエカレー」を函館市の洋食の老舗「五島軒」とタッグを組んで商品開発しました。

 サザエの「身」と「キモ」を贅沢に使っていることから、一口食べただけでほのかな磯の香りと濃厚なカレーのうまみが存分に味わえる商品となっております。

6.自然環境を活かした津軽海峡遠泳

▲左:津軽海峡遠泳に挑戦する外国人スイマー ▲右:津軽海峡交流フェスタでのパネルディスカッション

 中泊町文化観光交流協会が事務局を担う津軽海峡遠泳連盟を令和6年8月30日に発足し、令和7年度からは、遠泳によって横断することが世界の海峡の中で成功難易度が高いとされている7つの海峡(オーシャンズセブン)である津軽海峡を舞台に、津軽海峡遠泳チャレンジャーの受け入れ、サポートを行っています。10人の外国人スイマーを受け入れし、うち6名が成功を収めました。

 また、遠泳事業や津軽海峡を遠泳の聖地として情報発信することを目的に、令和7年7月6日に津軽海峡交流フェスタを開催いたしました。青函圏交流事業の一環として、北海道福島町長を招いたパネルディスカッションや津軽海峡横断リレー、SUP体験などの多彩な催しを通じて、津軽海峡の魅力を強く発信しました。

 今後もブルーツーリズムの観点から津軽海峡を新たな観光資源として位置づけ、積極的に外国人スイマーを受け入れるなど、津軽半島の振興・活性化、当町及び北海道福島町、津軽海峡の魅力を全世界に発信してまいります。

7.文化のかほる中泊町

▲左:春景花鳥図(宮越家所蔵) ▲右:国指定名勝静川園(宮越家)

 本年、宮越家の襖絵「春景花鳥図」が中泊町を飛び出し、かつて奈良の談山神社を共に飾っていた「秋冬花鳥図」、「琴棋書画仙人図」と、約150年の時を超えた奇跡の再会を果たします。 東京都美術館および大阪中之島美術館で開催される展覧会において、宮越家の文化財が広く世に発信されることとなります。

 昨年の宮越家の公開では、キヤノン、京都文化協会が制作した「秋冬花鳥図」の高精細複製品が宮越家で公開され、観覧チケットが予約開始初日に完売するなど、町内外から大きな反響をいただきました。 今回の企画展を通じ、文化を大切に守り継いできた宮越家のある町・中泊町を、町民の皆さまがあらためて誇りに思い、郷土への愛着を深める機会となることを大いに期待しております。

 この他、宮越家庭園の「静川園」についても、令和8年2月に国名勝の指定が決定しました。町では初めての国名勝指定となり、本州最北端の名勝庭園の誕生です。今後も、町が国内のみならず世界から注目されるよう、引き続き魅力発信に努めてまいります。

 今年の宮越家一般公開につきましては、春公開が5月22日(金)から6月28日(日)まで、秋公開が9月25日(金)から11月1日(日)となっております。詳しくは、中泊町文化観光交流協会へお問い合わせください。

8.町独自の英語教育

フィリピンの講師とのオンライン英語教育

 時代の流れが加速度的に早まる中、従来の教育のままではこどもたちが取り残されてしまうのではないか、それと同時に、人口減少が進む日本国内だけでなく、世界で活躍できる人材を育成する必要性を感じ、中泊町教育委員会では、町内のすべての小中学校を対象に、インターネット上の仮想空間「メタバース」を活用した英語教育に取り組んでいます。令和7年度から教育課程特例校の指定を受け「グローバル科」を新設しました。主に、聞く・話すことに重点を置いた授業となっており、教室にいながら、海を越えてフィリピンの講師とオンラインでつながり、英語レッスンを受け、ときにはフィリピンの街並みをバーチャルで散策し、海外留学のような体験も行っています。

 将来の町を担う人材が、世界を舞台に活躍できるスキルを獲得し、この小さな町から世界に羽ばたく人材となることを期待しています。


青森県中泊町 総合戦略課
課長補佐 木村 将師