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鹿児島県長島町/一人ひとりが輝き続ける魅力ある長島をめざして

印刷用ページを表示する 掲載日:2026年3月16日更新

雲仙・天草を一望できる針尾公園展望所

▲雲仙・天草を一望できる針尾公園展望所


鹿児島県長島町

3353号(2026年3月16日)
鹿児島県長島町
総務課 秘書広報係


  1. 長島町の概要
  2. 夢と活力のある町づくり~夢づくり~
  3. 夢と活力のある町づくり~活力あるまちづくり~
  4. 福祉の充実
  5. 今後の将来像を見据えて

1. 長島町の概要

 鹿児島県の最北端に位置する長島町は、長島本島・伊唐島・諸浦島・獅子島の有人4島のほか大小23の無人島が点在しています。長島本島は、全長502mの黒之瀬戸大橋で鹿児島県本土とつながっており、開通から50年以上が経過しました。長島と伊唐島は伊唐大橋で、長島と諸浦島は乳之瀬橋でつながっており、唯一有人離島である獅子島は、諸浦島からフェリーに乗り、約20分で行くことができます。東シナ海・八代海・長島海峡等に囲まれ、北部一帯は雲仙天草国立公園に指定され豊かな自然に恵まれた風光明媚な町です。

 長島は古くから人の居住が認められ、多数の古墳が発見されています。室町時代までは肥後に属していましたが、島津氏の進出により1565年に同氏が支配し、江戸時代は薩摩に属し、長島郷となりました。明治22年の町村制施行により、長島郷は2村に分離され、やがて東町と長島町の町制をたどり、平成18年3月20日合併により、再び新「長島町」としてひとつになりました。

左:国内・海外でも食される「鰤王」 右: 長島町のミネラルを豊富に含んだ赤土で育まれたバレイショ

 基幹産業は農業と漁業。農業は、海に面した海洋性の温暖な気候と特有の赤土を活かした鹿児島県のブランド産地指定も受けているバレイショを中心に、サツマイモ、地形を活かした露地栽培による温州みかんや甘夏などの柑橘類が盛んに出荷されています。畜産では、かねてより盛んな養豚、養鶏、生産牛・肥育牛に加え、生産から肥育までを一貫して行う牛の一貫経営を行う農家も増えています。

 水産業は、恵まれた漁場と温暖な気候に支えられ魚類養殖を中心に日本一の養殖ぶり産地として発展してきました。現在では、危険発生を予防する高度な品質衛生管理システム「ハサップ」の認定を受け、日本中はもとより海外への輸出を広げ、「鰤王」というブランドの確立が図られています。その他、アオサやヒオウギ貝などの海面養殖も盛んに行われています。

2. 夢と活力のある町づくり~夢づくり~

 長島町は令和8年3月20日で町制施行20周年を迎えます。新長島町発足後、基本理念を「夢と活力があり、住民一人ひとりを大切にする福祉のまちづくり」と掲げ、各種政策に取り組んできました。

左:町内には四季折々の花々が咲き誇ります 右: 石の花も開花

・ふるさと納税でぐるっと一周夢追いフラワーロード整備
 安心して暮らせる土台づくりとして県道・町道の道路改良や港整備に取り組み、この20年間で生活環境は大きな変化を遂げました。平成19年4月に長島町ふるさと景観条例を施行し、町民が誇りの持てる潤いと安らぎのある特色あるまちづくりを提唱。その一環として島全体を景観地区ととらえ、「石積みと花」をテーマに長島を一周する国道389号、県道47号、379号の3路線を重点箇所として、国道・県道沿いを花壇でつなぐ「ぐるっと一周フラワーロードづくり」事業を展開しました。ふるさと納税の使途である、景観づくりに係る事業へは、令和6年度に6,870万円の寄附がありました。事業の開始から約20年、自治会や団体等が自主的に花壇管理を行う景観協定認定団体は150を超え、町内には四季折々の花々が咲き誇っています。

 また、道路では土木工事の際に多く出る、通常は廃棄される石を活用した法面の石積みを採用しています。地形上無理な場所や私有地を除き、法面を施す部分は原則石積みにすることとしています。除草の手間が省けるメリットがあり、長島の観光のポイントのひとつになっている石積みの段々畑の風景と調和を図る狙いもあります。石積みは石の形や作る人でさまざまな姿を見せ、町花の水仙やコスモスなどの石の花も町内に咲き誇っています。

音符マークからスタート

・夢追いわくわく街道
 これまでの見て楽しむフラワーロードに、「光」・「香」・「メロディー」の効果を加えた街道づくりも進めています。「光」では、道路上に等間隔に反射鏡を設置し、交通事故防止としてはもちろん、反射鏡の光でも人々を魅了しています。キンモクセイやニオイバンマツリなどの香木の植栽で「香」の効果、「メロディー」では、町の西岸部を縦断する国道389号線に道路に音階などの溝を切り、自動車などを一定速度で運転することで、乗車中に音楽を楽しむことができるメロディーラインを設置しました。どんな音楽が聴こえるかは通ってからのお楽しみです。

3. 夢と活力のある町づくり~活力あるまちづくり~

左:町民のアイディアと努力が詰まった造形物 右: 祭りを盛り上げる漁船パレード

 町では、1年を通してさまざまなイベントを実施し、観光イベントによる交流人口の増加を図っています。町の特産品であるじゃがいもの掘り取り体験が目玉の「じゃがいも祭り」。美味しい海の幸を堪能でき、漁船パレードや模擬入札が体験できる「長島おさかな祭り」。2年に1度開催される「ながしま造形美術展」では町民が一丸となって、自然の身近な素材(スギや竹など)や廃材(空き缶、ペットボトルや貝殻など)を利用して、ひとつの造形物を制作します。制作される造形物は、ユーモアたっぷりの作品から細部までこだわったリアリティあふれる作品が並び、見物客を魅了します。各自治会や学校、PTA等が力を合わせ、ひとつの作品を作り上げる、まさに地方自治の原点がここに詰まっています。​

4. 福祉の充実

笑顔と学びと安心のスマイルアイランド

 町民の暮らしを支える福祉にも力を入れています。平成19年4月に長島町福祉事務所を開設しました。全国の町村では4番目、九州の町村では初めてのことです。普段から町民とのふれあいを持つ町職員が対応することで、手続きスピードの向上だけでなく、「身近できめ細かな行政」が実現されています。この他、県のかごしま材利用推進事業(木造公共施設整備事業)を活用し、県産木材をふんだんに使った診療所を新築しました。木のぬくもりで心安らぐ医療拠点として、町民の健康と命を守っています。また、離島獅子島には、こどもの孤立解消のために第三の居場所「スマイルアイランド」を整備しました。これは、公益財団法人B&G財団の事業の一つであり、学校が終わった後に、こどもたち達を見守り、生活・学習習慣を身に着けていくことはもちろん、他者とのコミュニケーションや好奇心を養う場として、離島獅子島の強い味方となっています。このように、町民の暮らしのすぐそばに「安心」と「笑顔」があふれる町づくりを進めています。​

5. 今後の将来像を見据えて

・長島町版地方創生への取組
 町では、地方創生の取組も前向きに実施してきました。長島町の地方創生が大きく動き出したのは、平成27年4月。総務省から地方創生人材支援制度の第一号である井上貴至氏の派遣でした。井上氏は、同年7月に副町長(地方創生担当)に就任すると、地域の課題をとらえ、様々な施策を展開しました。中でも、全国の注目を集めた制度である「ぶり奨学金制度」は、当町独自の政策であり、ふるさと納税などを財源とし、奨学金を活用した卒業生が、Uターンして帰ってきた際、その奨学金と利子相当分を当町が補填する制度です。この制度は、日本一の養殖ぶり産地である当町に、出世魚で回遊魚のぶりのように、「成長して帰ってきてほしい」という願いが込められており、令和7年10月現在で、延べ400人以上の子供たちが活用し、60人を超える本町出身者が、学びを終えて長島に帰り活躍しています。このような政策効果もあり、人口戦略会議が公表した、若年女性人口の減少状況をもとに、地域の存続可能性を分析した報告書「増田レポート」では、全国1729自治体の4割以上が「消滅可能性自治体」とされ、当町は10年前に公表された同報告書で、「消滅の可能性がある」と指摘されましたが、令和6年4月に公表された最新のレポートでは、消滅可能性自治体からの脱却を果たしました。

 さらに、令和7年度は、国が進める「地方創生伴走支援制度」の活用が始まりました。この制度は、各府省庁勤務の国家公務員が、これまでの経験を活かし副業的に地方創生に携わり、課題を抱える中小規模の自治体に寄り添い、地方創生に関する「伴走支援」を行うものであり、当町は第一期市町村として、全国の自治体60市町村に選ばれ、3人の支援官とともに、若年層の流出や所得安定、獅子島架橋の課題解決など町の将来に向けた歩みを進めております。

左:獅子島架橋のイメージ 右: 獅子島にある黒崎空中展望所は、まるで空中を散歩

・獅子島架橋実現へ
 長島町は、これまで黒之瀬戸大橋や伊唐大橋といった大橋の開通で、経済が大きく発展し、さまざまな恩恵を受けてきました。次は、獅子島島民や長島町の悲願である「獅子島架橋」の実現です。橋で県本土とつながることで、経済の発展はもちろん、医療や災害などあらゆる場面で、県本土と同じ暮らしを送ることができます。町では、平成6年に「獅子島架橋建設促進期成会」を発足し、国や県への陳情活動を行っています。事業化に向けては、平成24年から「夢追い獅子島架橋基金」を設け積立を開始し、令和7年度で21億円に達しました。離島振興法の改正で、獅子島を含む離島には「架橋促進」の考え方が盛り込まれ、架橋促進の機運が高まっている中、基礎調査が実施され、架橋に向けて本格的に動きだしています。

長島町 総務課 秘書広報係