ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 町村の取り組み > 宮城県七ヶ宿町/キラリ耀きこころ安らぐまちづくり~小さくても持続可能な「住み心地100点」を目指して~

宮城県七ヶ宿町/キラリ耀きこころ安らぐまちづくり~小さくても持続可能な「住み心地100点」を目指して~

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年10月24日
七ヶ宿ダムの写真

命の水を湛える七ヶ宿ダム


宮城県七ヶ宿町

2978号(2016年10月24日)  七ヶ宿町長 小関 幸一


七ヶ宿町の紹介

七ヶ宿町は蔵王連峰の南麓、宮城県の最南西部に位置し、福島・山形の両県と境界を接し、奥羽山脈の東南斜面の一帯を占め、周囲91㎞におよぶ自然環境に恵まれた町です。町のほぼ中央を東西に白石川が流れ、これに沿うように集落が形成されています。地域の大部分が森林ですが、自然が破壊されずに残っており、青い空と四方の山々とが美しく調和しています。平成3年10月には「七ヶ宿ダム」が完成し、仙台市を含む県民183万人の水がめを擁する水源の町でもあります。江戸時代には、奥州と羽州を結ぶ道が「山中七ヶ宿街道」と称され、7つの宿場があったことが町名の由来となっています。夏には、歴史ある七ヶ宿街道をわらじで歩くイベント「わらじで歩こう七ヶ宿」が開催され、多くの方が参加します。また、冬にはスキーやスノーボードなどのウィンタースポーツなどが楽しめる自然豊かな町です。

滑津大滝の紅葉の様子の写真

滑津大滝の紅葉

わらじで歩こう七ヶ宿~町民あげてのおもてなし・第19回ふるさとイベント大賞ふるさとキラリ賞受賞~

町の人口は昭和25年の5,536人をピークに年々減少していたところに、昭和60年に七ヶ宿ダムの建設が始まり、3つの集落で158世帯、637名の移転が余儀なくされ、人口は2,543人となり過疎化に一層拍車がかかりました。人口減少が進む中、町民一人一人が町を元気にしようという強い気持ちで昭和61年にスタートしたのが「わらじで歩こう七ヶ宿」です。今年で31回目を迎える同イベントは、藩政時代に奥羽13大名の参勤交代や出羽三山詣りなどの旅人や商人が行きかった山中七ヶ宿街道の賑わいを再現し、当時の旅人気分を体験するイベントです。参加者は毎年約600名、リピーター率が70%を超える七ヶ宿町で最大のイベントとなっています。

わらじで歩こう七ヶ宿の様子の写真

わらじで歩こう七ヶ宿

「町民あげてのおもてなし」という表現が正にぴったりの内容で、イベントのメインアイテムでもあるわらじは、すべて地元の高齢者による手作りです。5月から約3か月の時間をかけて毎年700足のわらじを作り上げてもらっています。道中では関所で代官の手形改めが行われ、殿と姫が揃って参加者を歓迎します。手づくりの漬物でおもてなしをするおばあちゃんや各集落の休みどころでは、集落の役員さんやご婦人方が冷たい麦茶や果物などでお出迎えをします。その他にも商工会や地元企業などが流しそうめんやかき氷を振る舞い、参加者の疲れを癒してくれます。地元の小学校は学校行事として全校児童が参加し、毎年仮装をしてイベントの盛り上げ役になるなど、子どもたちのふるさと愛の醸成の場ともなっています。

殿と姫のお出迎えの様子の写真

殿と姫のお出迎え

このイベントが行われてきた30年の間に町の高齢化率は26.31%上昇し、平成27年度は46.41%となったことからも今後もこのイベントを継続するうえでの課題は高齢化です。現にわらじの作り手が年々減少しており、わらじが作れなくなればこのイベントの存続が危惧されるところです。この状況を踏まえ、昨年12月にわらじづくりの技術を若い世代に伝え後継者を育成するわらじつくり講習会の試みもスタートしました。

町民一人一人が知恵を出し合いスタートしたわらじで歩こう七ヶ宿。高齢化と担い手不足という危機に面しても、知恵を出し合い、地域愛と誇りをもって、「七ヶ宿だからこそのおもてなし」を続けていきたいと思います。

わらじを制作している様子の写真

旅の安全を祈願して

七ヶ宿そば街道~冷涼な気候は良質なそばを生む~

町内には5つのそば屋があり、そば街道として人気を博し休日にはたくさんのお客様が訪れます。七ヶ宿のそばは、名産品として古文書「奥羽観迹聞老志」にも記録が残るほどで、冷涼な気候は良質なそばを作り出しています。

5つのそば屋はそれぞれに特徴があり、そばの揚げ豆腐やそばデザートとのセットメニューが人気の「農民そばや芭蕉庵」、地元の山菜やイワナのから揚げも楽しめる「山里のそばまるいち」、メニューはもりそばのみでとことんそばの味にこだわる「そばの里がんこ」、ボリュームたっぷりの野菜、山菜の天ぷらが人気の「かやぶき屋根の店そば吉野屋」、地元の旬の野菜や魚介を揚げたかき揚げ丼セットのランチが人気の「そば茶房牧之原」といった具合に、様々なおいしいそばをお楽しみいただけます。

11月の初めには各店舗が提携し「新そば祭り」が開催されます。もりそばをワンコインで提供し、数店舗をはしごしスタンプを集めればプレゼントを贈呈する内容で、毎年行列ができる賑わいとなっています。

平成26年に建設した宮城県内唯一の雪室は、低温で作物に適した湿度で保存できることから、収穫したそばを雪室で保管し、雪室そばとしてお客様に提供する店舗もあります。雪室そばは甘みがあっておいしいと高評を得ています。

バリエーション豊富なそばの写真

バリエーション豊富なそば街道

町内のそばの作付面積は29haで、耕作放棄地対策にもなっています。特に農民そばや芭蕉庵を経営する山田益広さんは「ふるさとの田畑が耕作放棄地となり荒廃していくのは忍びない」と平成11年に脱サラしてそば店を開業。店の切り盛りとともに地域の遊休農地や耕作放棄地を積極的にそば畑に転換し、作付面積は21haを超えました。8月から9月にかけて咲き誇るそばの花は、一面が白いじゅうたんのようで、青い空と白く美しいそばの花はきれいなコントラストを描き、美しい景観を作り出します。

そば畑の様子の写真

町を彩るそば畑

地方創生の取組

人口は今後も減少していくことが予想されます。人口ビジョンの推計では平成27年に1,542人だった人口は、平成52年の推計では747人になると見込まれています。何も手立てをしなければ現在の人口の半分以下になるということです。出生率の上昇に加え子育て世代の転入や学生、リタイアした方のUターンが実現するなど総合戦略の効果的な実施により、平成52年の将来人口を1,062人とし、その後の人口減少を緩やかなものにしていくことを目標としています。

移住定住の流れを作る~㈱七ヶ宿くらし研究所の設立~

総合戦略の確実な実行のため、牽引する経営体として㈱七ヶ宿くらし研究所を創設しました。交流人口の拡大に向けた営業力、情報発信力を強化し、移住定住の流れを創出する役割を担います。具体的には、七ヶ宿町移住定住支援センターの指定管理受託事業者として、古民家ゲストハウスでのカフェ運営や空き家バンクの管理、お試し居住事業などの移住支援事業と、豊かな自然の中で山暮らしを体験する自然体験事業や若者参加の交流事業の企画や運営を行います。新規事業所の創設で新たな雇用実現も果たし、今後の事業展開が期待されます。

七ヶ宿くらし研究所の外観写真

七ヶ宿くらし研究所

くらし研究所オープン時の様子の写真

くらし研究所オープン

便利で魅力ある定住環境の整備~20年住んだら住宅プレゼント~

地域担い手づくり住宅の建設は、移住定住施策の目玉事業です。

町外に居住し、七ヶ宿町の豊かな自然環境の中で子育てをしたい方、地域の活動に積極的に参加してくださる40歳までのご夫婦で、中学生以下のお子さんがいるご家族を入居対象とした町営住宅の建設事業です。この住宅の最大の特徴は20年居住すると住宅と土地を無償で提供することとしています。そのために、入居者が決定してからお好みの間取りで建設をします。住宅の概要は木造2階建て、延べ床面積は125㎡以下、敷地面積が350㎡程度となっています。

平成27年度には2棟建設し2世帯7人が入居しました。平成28年度も2棟建設し2世帯7人が入居する予定です。この住宅は毎年2棟ずつ建設予定で、現在平成29年度建設の住宅入居者を募集しています。ご興味のある方は町のホームページをご覧ください。

入居者への引渡式の様子の写真

入居者への引渡式

利便性に配慮した賑わい拠点施設を整備~ミニスーパーを核として~

町内にはスーパーなどの大型店舗はなく、地元の商店も売り上げの減少や後継者がいないなどの理由で閉店する商店が増えてきました。日用品や食料品の買い物は近隣市町の商業施設で済ませる方が多く、自家用車での移動が困難なお年寄りなどは移動販売車から購入する生活となっています。

人口ビジョン策定における若者世代や学生への意向調査では、町内に商業施設が欲しいという声が多く、そのニーズへの対応は若者定住環境の整備において重要な施策と位置づけました。

構想事業化を検討していたところ、スーパー事業を経営しているみやぎ生活協同組合による、コンビニ大手のファミリーマートを併設したミニスーパーの出店が決定しました。日本各地で進む高齢化による過疎地域での事業展開を模索する事業者と、商業施設誘致を計画する本町の双方にとって思惑が合う形となりました。平成29年4月の開業予定です。

共同記者発表会の様子の写真

賑わい拠点へ第1歩

ミニスーパーを施設の核として、カフェやレストランなどの飲食機能とガソリンスタンドやコインランドリーなどのくらし応援機能と併せて町営バスのバスターミナル機能を集約するなど、賑わいを創出して町民の生活の利便性向上と定住環境の充実を図ります。

七ヶ宿町賑わい拠点施設整備イメージの画像

子育て世代応援の町~子どもは地域の宝~

町内には小学校、中学校、保育所が各1施設ずつあります。人数は減少傾向にありますが、1人1人の顔が見える安心な環境で個性を伸ばしながら成長していきます。七ヶ宿町では子どもたちがそれぞれ主役になれる町です。外国語活動は保育所から英語に触れる機会を設けており、小中学校ではタブレット端末を1人に1台配布し、毎日のドリル学習を積み重ね基礎学力の向上に取り組むなど、少人数だからこその教育活動を展開しています。

平成28年度から保育料無料、学校給食費も無料となって、医療費は高校卒業まで無料、お子様の成長に合わせて最大70万円を支給する子育て応援支援金制度など、子育て世代を強力に応援する施策を展開しています。

グラウンド・ゴルフ交流会の様子の写真

地域の方々とグラウンド・ゴルフ交流会

保育所の元気な子どもたちの様子の写真

保育所の元気な子どもたち

おわりに

これからのまちづくりでは若者定住(移住)がカギになります。そのために、働く場所を確保し雇用を創出するとともに、七ヶ宿町への移住・定住の流れをつくり、若い世代の結婚や子育てを応援し、時代に合った地域をつくり、安心なくらしを守る取り組みの実現にチャレンジします。町民が一丸となって七ヶ宿に「住みたい運動」を広げ、町に住む誰もが幸福感や豊かさを実感できる、小さくても持続可能な「住み心地100点」のまちづくりを目指します。