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鹿児島県肝付町/歴史と未来が融合する町、肝付町

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年4月2日
鹿児島県肝付町の写真

鹿児島県肝付町

2795号(2012年4月02日)  企画調整課 永井 宏


夢が叶う叶岳(かのうだけ)で1000段ウォーキング

3月26日、1000段階段を登ろうと大勢の老若男女が集まった。1000段階段とは、肝付町内之浦にある叶岳 (標高187メートル)にこの程完成したウォーキングに最適な階段のことです。 

この階段を登りきると、頂上にあるのが「叶嶽(かのうだけ)神社」です。

何と言っても名前が前向きです。よその階段を登るより、よその神社をお参りするより、夢が叶いそうじゃないですか。

おまけに、この叶岳からの内之浦湾はまさに絶景、宿泊可能なコテージに泊り朝日が起きるのを待つのも良い。

そう言えば、叶嶽神社の「叶」の文字、「ロト」に見えるのは気のせいかな? 

この何とも欲張りな場所へ一度お越しになり、1000段階段を登って、夢を叶えてみてはいかがですか! 

叶嶽(かのうだけ)神社の写真

鹿児島県で一番元気な町になりたい。

夢が叶う町は元気でなければ・・・と言うことで、肝付町は県下一元気な町を目指して頑張っています。 

本土最南端の鹿児島県大隅半島南東部に位置し、総面積は308.15平方キロメートルと広大です。 林野地帯・畑地帯・水田地帯に大別され、平均気温は17度前後ととても温暖で、約3000ミリメートルの雨が降ります。 

山もあります。町の中央部には900メートル級の山々(国見岳・黒尊岳・甫与志岳)が連なります。この三山縦走は、 「三岳参り」と呼ばれ、登山初心者にも人気があります。 

こんな肝付町は2005年に2町(高山町と内之浦町)が合併してできました。人口は2012年3月現在、17362人、 高齢化率36.1%と少子高齢化が進んでいます。

900年の伝統、歴史の町~その時少年は神になる~やぶさめ祭り

約900年の伝統を誇る流鏑馬は、狩衣装束に綾藺笠、薄化粧の若者が馬上から合計9本の矢を放ち、国家安泰、 悪疫退散、五穀豊穣を祈願する神事です。 

毎年10月第3日曜日、会場となる四十九所神社前の宮之馬場には、この歴史絵巻を一目見ようと大勢の観客が詰めかけます。 

射手は、町内の中学2年生が務めます。勇壮華麗な本番は見る人の心を打ちますが、射手は毎年替わるため、 約40日間の練習で本番を迎える少年には計り知れない重圧がのしかかります。まったく、馬に触ったことのない少年は、 まず馬に慣れることから始まり、両親、友達、保存会など多くの人たちの応援に支えられ、この大役を務め上げます。 

この本番を終えたその時こそ、14歳の少年が神になる瞬間です。 

高山やぶさめ祭の写真

高山やぶさめ祭 (10月第3日曜日)

宇宙に一番近い町 そして「はやぶさ」の母港 そして『イプシロン』

内之浦宇宙空間観測所が開設されたのが1962年、本年2月には開所50周年を迎えました。 

日本初の人工衛星「おおすみ」などを打上げたことで世界的にも有名です。 

そして、誰もが知っている小惑星探査機「はやぶさ」。2003年5月、内之浦からM5ロケットで飛び立った 「はやぶさ」は、2005年小惑星「イトカワ」に到着。しかし、その後燃料漏れやエンジンの停止、通信途絶といった幾多の困難を 乗り越え、2010年奇跡の地球帰還を果たしました。実に、7年の歳月をかけた60億キロメートルに及ぶ壮絶な旅でした。 

世界中に感動を与えた「はやぶさ」。2010年12月、同観測所でカプセルが公開されました。形をかえた「はやぶさ」、 母港内之浦へ感動の里帰りを果たしたのです。そして、次はイプシロンロケット。「はやぶさ」を打上げた世界最高性能の固体燃料 ロケットM―Vロケットの後継機として開発され、2013年、内之浦から打ち上げられます。人工知能、電子頭脳を持つ次世代型の、 世界が注目する夢のようなロケットです。

内之浦宇宙空間観測所の写真

内之浦宇宙空間観測所

ロケット開発の父 糸川英夫博士生誕百周年 記念事業~銅像建立~

我が国のロケット開発の父と呼ばれる糸川英夫博士は、1912年7月20日に生まれました。そして、 内之浦宇宙空間観測所の建設に当たっては、糸川英夫博士を抜きには語れません。 

1960年10月24日、糸川博士が立ち小便をしながら、この地にロケット射場の立地を決めた、との逸話があります。 

それ以降、幾多の困難を乗り越え、これまで395機のロケットを打ち上げに成功し、27の人工衛星を誕生させました。 

奇しくも観測所開所50周年の今年、7月には糸川博士の生誕100周年を迎えます。本町では、 「糸川英夫生誕100周年記念事業実行委員会」を立上げ、日本中の糸川ファン、宇宙ファンに広く呼びかけ、博士の銅像建立をはじめ とした記念事業の実施を決めました。 

11月10日、11日に開催されるJAXA内之浦宇宙空間観測所開所50周年記念式典に合わせて、 糸川英夫生誕100周年記念式典を開催します。

銀河連邦・・・絆

銀河連邦は、宇宙科学の最先端技術を研究している宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙科学研究施設がある 6市町(神奈川県相模原市、長野県佐久市、岩手県大船渡市、秋田県能代市、北海道大樹町、そして肝付町)がユーモアと パロディの精神で、1987年に組織されました。それぞれの共和国が手を取り合い、相互の理解と親善を深めることにより、 宇宙平和の一翼を担うとともに、人々の笑顔あふれるユートピアの創造を目指しています。 

本町は「ウチノウラキモツキ共和国」、町長は共和国大統領です。内之浦宇宙空間観測所では、ロケットの打ち上げ、 そしてそれらの追跡及びデータ取得等の業務を行っています。 

昨年の「3・11東日本大震災」は、銀河連邦の一員である大船渡市(サンリクオオフナト共和国)をも襲い、 今復旧、復興に全力を挙げています。銀河連邦の各共和国、そして大隅半島四市五町(鹿屋市、垂水市、曽於市、志布志市、大崎町、 東串良町、錦江町、南大隅町、肝付町)での支援は、これからも続きます。 

銀河連邦の画像

博士の専門性を活かした地域おこし「町が研究フィールドになる」

研究者から提案される町の活性化策には多くの気づきがあり、地域に根ざした改革プランの創出につながる可能性があります。 

様々な挑戦を続ける本町は、本年度から若手研究者を応援するプロジェクトで、研究費助成と、 その成果を活用した地域活性化に向け動き出します。 

今回、「肝付町賞」として町が提案したテーマは、ズバリ「肝付町の農業の活性化」。一次産業が主体となる本町 のような地方自治体にとって、新たな地域活性化策のモデルケースになるかもしれません。自然科学系のみならず、人文社会系を含む 全ての専門家を対象としていて、実証実験やヒアリングなど、町内での活動・連携構築は町が全面的にバックアップします。この研究で 得られる成果は、必ずや町の活性化に寄与するものと確信するところです。

宇宙大豆

「宇宙大豆」をご存知ですか?米国のスペースシャトルで、国際宇宙ステーションに滞在した大豆を、地球帰還後に 植え付け、そして収穫したものです。本町では、この宇宙大豆プロジェクトにも取り組んでいて、昨年植えつけた大豆は収穫され、 今年の植え付けを待っています。 

町は、東京の醸造会社と提携し、「宇宙に一番近い町の宇宙大豆」を使った商品開発に取り組む予定です。 数年後には、皆様の食卓に、この「きもつき宇宙大豆」が上るかもしれません。 

宇宙大豆の写真

田舎だけど、最先端?『光ファイバーの町』

町全域が過疎地域の本町において、都市部と遜色のない情報通信網の確立は急務の課題でした。そこで、2010年度、 町内全域に、光ブロードバンドサービスを受けられる情報基盤を整備しました。 

現在、光ファイバーによる高速インターネット(「はやぶさネット」と名付けました。)は俄かに注目を集めています。 

遠隔の集落においては、高齢者見守り支援システムの運用を実証的に行っていて、行政情報の配信や健康管理チェック、 緊急放送の配信など、日常生活の支援を行っています。また、インターネット講座を開催するなどして、利用者拡大にも努めています。 

今後は、このはやぶさネットを利用して地域に密着した住民交流の実施を進める一方、田舎(人口の少ないところ) だからこそ味わえる光ファイバーの速さを最大限にアピールして、ベンチャー企業などの誘致も図りたいと考えます。

また、町の魅力と民間情報の一体的な発信を実現するため、「総合ポータルサイト」構築に取り組みます。

このポータルサイトは、町の様々な資産(人・歴史・自然・伝統など)を町内外に発信することで、肝付町の全てを アピールできる「広告塔」にしていきたいと、取り組みの真っ最中です。農水産加工物など、町の特産品の紹介は勿論、 ECサイトにより販売拠点を作り出すなど、新たな肝付ブランドで町の活性化を図ります。このポータルサイトは、官民が一体となって 運営していくことが重要です。

町観光協会などとも連携し、幅広い活用で情報発信に努めたいと考えます。

本年、9月には運用開始予定です。是非、肝付町の総合ポータルサイトへお越しください。    

肝付町の総合ポータルサイトの図

銀河マラソン

銀河連邦共和国の建国を記念して始まった「うちのうら銀河マラソン」。自然とふれあい、未来を創造し、 走る事の喜びを味わいながら、仲間づくり、健康づくりを図るため、毎年11月第4日曜日に開催されます。

うちのうら銀河マラソンの写真

えっがね祭り

本町内之浦地区では、古くから伊勢海老を「えっがね」と呼んでいます。「えっがね」は秋から冬の味覚の王様で、 贅沢感を味わえる高級食材として高い人気を誇っています。

内之浦地区には三つの漁港があり、8月20日過ぎの伊勢海老漁解禁に伴い、各漁師が一斉に網を入れます。 「刺し網漁」という漁法で、日の出前に太平洋に面した磯の際で巧みに船を操り、夜行性の特徴を利用して漁を行います。 年間10トン近い漁獲量は九州でトップクラス。 

毎年9月開催の「内之浦えっがね祭り」には新鮮な味を求め、多くの観光客が訪れます。 

えっがね祭りチラシの画像

えっがね祭りチラシ(平成23年開催分)