群馬県草津町(特別編)
2789号(2012年2月13日) 草津町 愛町部 観光課
草津町には、年間約280万人の観光客が訪れる観光地であり、うち外国人宿泊者が、約14千人です。
草津町は、観光立町として一層の発展を遂げるため、「国際観光の振興」を柱の1つとして、平成25年までに、外国人宿泊者数を年間5万人にすることを目標としています。
草津町は、①ドイツのビーティヒハイム・ビッシンゲン(姉妹都市提携1962年)、②オーストリアのノイシュティフト・イム・シュトゥーバイタール(姉妹都市提携1986年)、③オーストラリアのスノーイ・リバー(姉妹都市提携1991年)、④チェコのカルロビ・ヴァリ(姉妹都市提携1992年)と姉妹都市が4つあります。
ビーティヒハイム・ビッシンゲンとの姉妹都市提携のきっかけは、ビーティヒハイム・ビッシンゲン出身のエルヴィン・フォン・ベルツ博士(Erwin von Balz、1849~1913年)でした。
明治時代に雇い外国人として日本に招かれ29年にわたって医学を教え、医学界の発展に尽くしました。大正天皇の侍医でもあったベルツ博士が「草津には、無比の温泉以外に日本で最上の山と空気と、全く理想的な飲料水がある。こんな土地がヨーロッパにあったとしたら、カールスバート(カルロビ・ヴァリ)よりも賑わうことだろう」と評価し、草津を温泉保養地として世界に紹介しました。草津温泉の道の駅にある「ベルツ記念館」にベルツ博士に関する様々な情報が表示されています。
1997年からほぼ毎年草津町中学校はビーティヒハイム・ビッシンゲン姉妹都市のビッシンゲン実科学校と短期交換留学が行われます。最初の何年間はビーティヒハイム・ビッシンゲンの他に、チェコのカルロビ・ヴァリや他のドイツ隣国にも訪問しておりましたが、現在は、7月に約1週間ビーティヒハイム・ビッシンゲンだけ訪れます。
逆に、ビッシンゲン実科学校の生徒は9月に草津を訪問します。2009年(新型インフルエンザ)、2011年(東日本大震災)のホームステイは中止になりましたが2012年はまた実施する予定です。
参加者は7~8人で、引率は中学校の英語教師とドイツ語圏の草津町国際交流員に頼みます。
ドイツへのホームステイに参加した子どもの家族はホストファミリーとしてドイツの生徒を受け入れる必要があります。ここが大切な点で、一方的なホームステイでもいい経験になるのかもしれませんが、最初からお互いの訪問が予定されていることで、より深い交流ができるようです。
ホストファミリーが決まった時に生徒はドイツのパートナーと電子メールで交換をし始めます。7月のビーティヒハイム・ビッシンゲンへの派遣を実施した後には、9月の草津での再会を楽しみにすることで、つながりが出来ていくのです。さらに、ドイツでは英語を日常生活にあまり使わないため、日本では、両方が母国語と違う英語で会話をすることで、バランスがとれる面があるようです。
しかし、問題は、ドイツには申込者はいつも多い一方で、草津は少ない点です。
理由は、家族はドイツからの生徒の受け入れが不安、夏休みの部活で忙しいことなどが考えられます。
もう1つビーティヒハイム・ビッシンゲンの方から聞こえてくる問題点は日本の生徒の英語能力です。
ドイツの生徒は、早くから英語を勉強しているので日本の生徒より能力が高いのは仕方がありません。ただ、最近日本も5年生から英語の授業があるので将来的にはこの状況は改善されていくことが期待されます。
基本的には、参加者は英語で会話することに興味があって、間違っても話してみるという姿勢が一番大切だと思います。
ビーティヒハイム・ビッシンゲン滞在中は週末が自由行動です。草津では、自由行動は一日だけで、他のプログラムは町が企画し引率しています。ホームステイを通して、草津の中学生が違う文化や習慣を経験し、若い間に外国に対する不安や恐怖を取り除くことが重要です。そして、英語の勉強は試験のためではなく、海外の人と交流するために必要な勉強であることを理解して欲しいと思っています。今は、インターネット時代で、ホームステイ終了後も連絡を取り合う生徒が多いので、終生変わらぬ友情を結ぶ場合があります。
姉妹都市ビーティハイム・ビッシンゲンへ留学
草津町でのホームステイ
草津町での浴衣体験
今年はドイツのビーティヒハイム・ビッシンゲンとチェコのカルロビ・ヴァリが、姉妹都市関係の記念式に草津を訪問する予定です。
ビーティヒハイム・ビッシンゲンとは50周年、カルロビ・ヴァリとは20周年のそれぞれの記念となります。また、草津からの訪問団は2013年にビーティヒハイムを訪れる予定です。労力や費用はかかりますが直接会い、友好関係を深めることができる機会は千金の値打ちがあると思います。
毎年8月に「草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル」が行われます。日本はもとより各国の優れた音楽家に2週間のワークショップで直接指導を受けることができます。毎晩、この演奏家などのコンサートも行います。
草津町は日本ロマンチック街道のメンバーです。ドイツバイエルン州のヴュルツブルクからフュッセンまでの366㎞のロマンチック街道を模範として、1982年に作られた長野県小諸市から栃木県日光市までの全長約230㎞を通過する広域観光ルートです。1988年、日本ロマンチック街道協会とドイツロマンチック街道協会は友好街道の締結をし、定期的に意見交流を行います。2009年に作られた韓国ロマンチック街道とも友好街道関係が決まりました。草津町の道の駅に日・独ロマンチック街道資料館があります。