2621号(2007年11月12日)
こうみ塾座長
嶋田三代治
長野県の東部、南佐久地域のほぼ中央に位置し、東は佐久穂町・北相木村、西は八ケ岳連峰を境に茅野市、南は南牧村・南相木村、北は佐久穂町にそれぞれ接しています。
町の中央を南北に流れる千曲川に沿って帯状の平坦地が形成され、ここを国道141号、世界初のハイブリット車輌が運行しているJR小海線が走り、町の主要な交通路となっています。
千曲川の左岸(西部地区)は、八ケ岳連峰の裾野が広大な傾斜地として広がり、右岸(東部地域)は、秩父山塊の裾野の段丘帯となっています。
標高1,123mには、松原湖を中心とした自然が豊かな松原高原がありす。
人口は、合併して小海町が誕生した昭和31年は9,605人が平成19年9月は5,638人に減少し、約半分近くとなってしまいました。町には大きな工場もなく、住民の大半は町外に勤めに出ている状況です。
平成6年12月、地域づくりアドバイザー事業により町づくりに関心のある有志が集結、翌年の平成7年4月に「こうみ塾」が正式に発足しました。
「こうみ塾」は、行政任せではなく、住民の自主的・主体的活動により地域づくり・町おこしを実践し、活気あふれる町を目指すことを目的として様々な活動を展開しています。平成11年には、小海町のイメージキャラクター「森の妖精プティリッツア」を制定し現在の活動の基礎ができあがりました。
看板やのKさん、別荘大好きのAさん、デザイナーのKさん、専業農家のMさん、役場職員のH・Z・Dさん、事務局のTさん、県職員Nさん、Yさん、パン屋の社長のSさん、座長のMさん、子育て中のHさん、会社員のTさん、歯科技工士のKさん、全国を飛び回っているHさん、土木の仕事をしているHさん、Tさん、別荘に住んでしまったMさん、緑の協力隊のHさん、悠々自適なMさん、設計屋のYさん、多彩なメンバーです。
この多彩なメンバーが、イベントになると本領を発揮します。
フィンランド夏至祭
こうみ塾では、次のような活動を行っていますが、何かイベントを開催する時は、実行委員会方式をとり、こうみ塾が事務局となって開催しています。
プティリッツアとは、小海町松原高原に棲むと言われている森の妖精のことです。250年以上も生きられるという彼等は、現在人間が持っている5つの感覚『視覚・聴覚・臭覚・味覚・触覚』の他に、6番目の感覚を持っていると言われています。
町の中のプティリッツア
彼等が最も嫌う【自己エネルギー】、自分さえよければ・・・、と思う心を敏感に察知する感覚を持っているため、"豊な自然と暖かい心を持った人間の住む土地にしか生きられない"と言われています。その為に、すばらしい自然環境と暖かい心を持った人々がいる小海町に棲みついたのではないでしょうか。
プティリッツア普及策の一つとし、からまつの間伐材にプティリッツアの顔を描いて街のいたる所に置き、このプティリッツアの精神をアピールしています。この間伐材は、森林ボランティアの方々が、からまつ林の間伐等を行い山の整備をしていただいたものです。その間伐材が、プティリッツアに生まれ変わり、人間に自然の大切さなどを伝えているのです。このような活動を小学校やあらゆる場を捉えて行い、プティリッツアの普及に努めています。
こうみ塾の定例会で、メンバーから自分たちの住んでいる町の再発見をし、小海町のお宝を町民から選んでもらおうではないかという提案があり、検討した結果「小海町お宝100選」というタイトルで町民から募ることにしました。
私たちの住む小海町には、よそに誇れるような後世に伝えていかなければならないお宝(資源)が沢山あります。しかし、まだまだ皆がそれに気づいていないのが現状です。これを掘り起こし(無いものねだりからあるもの探し)、町民みんなが意識の中にそれらを共有することにより、自分たちの住んでいる小海町に自信を持てるようになり、それを外部に向けて発信することもできるようになります。その結果として、定住促進や交流人口の増加につながれば、町の活性化に大いに役立つと思います、そんなお宝を町民みんなで見つけませんか。
お宝の定義:高価なものということではなく、歴史・文・風習・自然・食・人・祭りなど、小海および町民の意識から失われては困ると思うもの。
例えば、歴史では、「小海」という名前の由来や歴史的遺産等。風習では、昔から行われてきている事や、守られて来ている習慣など。自然では、「日本三大原生林」の一つに数えられる白駒の池の周辺の原生林など将来にわたり保全しなければならないような自然。
風景では、「どこどこから見たどこの風景」はすばらしいなど。食では、「代々作っている料理」、「おこびりによく作ったもの」など、どの家でも時期になれば必ず作るような料理等。人では、この人の技術や知識は、将来小海の人々に伝えていってもらいたいというようなものを持っている人。祭りでは、昔から行われてきた各地域のお祭りで、将来にわたり絶やすことなく続けていってもらいたい祭り
こうみ塾
小海町
小海町商工会、小海町観光協会、南佐久ロータリークラブ、こうみPねっと協同組合
第1次募集…平成17年11月~18年3月
第2次募集…平成18年4月~18年10月
所定の様式に応募理由と写真で表現できるものは写真を添付。
場所が特定できるものは、位置図を添付し、応募受付場所にご応募ください。
役場・総合センター、アルル、松原観光案内所
選考委員会を組織し、現地調査等行い認定します。必要に応じて応募者に現地案内をお願いすることもあります。
①基本的に個人の所有の物品は対象外とします。誰もが制限なくいつでも見ることができるものとします。②応募が重複した場合は、応募日の早い方の応募を優先します。
認定証と副賞
第1次の募集では応募が少な く、第2次で関係者などに働きかけ等の広報活動を行い254件を 募ることが出来ました。
小海のお宝100選
ついで、254件の応募の中から、松原湖などの観光名所や「スケート小海の歴史」など、文化や風習、祭りなどを中心に、選考委員会で「100選」を選定。その解説・写真・案内図を掲載した冊子を作成しました。冊子はカラー刷り116ページで2,000部を作成。費用は総額で116万円かかり、県のコモンズ支援金等を活用しました。現在、町内で無料配布しています。
こうみ塾では、「こうみのお宝100選」を活用し、まちおこしに結びつけたイベント等を企画し、町民が自分の町を誇れるようになれば良いと願って活動を続けていきたいと考えています。