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空き家対策の実務

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年5月16日

空き家対策の実務

北村 喜宣・米山 秀隆・岡田 博史 編
有斐閣  2,200円+税

無題

 空き家対策で頭を悩ませている全国の自治体は多い。2014年には、空き家問題で先行していた自治体の取組を追行する形で「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が成立した。本書は、担当者の目線から、 業務を進めていく上で浮かび上がる問題点や対策を講じる上での着眼点、さらには具体的な解決方策がコンパクトにまとめられている。

 構成は、空き家問題の背景と現状、空家法の逐条解説、自治体の対応、法運用の実際、各種取組の実例のパートに分かれている。逐条解説や法の運用に関する解説は、 所有者を特定するための事前調査の進め方や現地調査の実際、特定空家等の認定事務、さらには、助言・指導、勧告、代執行など法的措置までの流れを仔細に記述している。 実務に詳しくない新任担当者もイメージをつかみやすいであろう。また、所有者が不明という、対応に苦慮することの多いケースについても、空家法に規定された「略式代執行」実施時の手続きを留意点とともに解説している。

 全国の空き家は増加の一途を辿っており、自治体はこの問題により深く関わらざるを得ない状況にある。本書は、各種の取組として、所有者への働きかけといった発生源対策や除却のための支援策、 空き家の利活用などの実例を取り上げている。空き家対策について将来展望というマクロな視点で捉えつつ、直ぐにも実践できるミクロな取組を紹介する本書は、空き家対策に関わるすべての人の必携書となるであろう。