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「市町村合併による防災力空洞化」

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月2日

「市町村合併による防災力空洞化」

室崎益輝・幸田雅治 編著

無題

本書は、行政サービスの効率化を追求して行われた平成の大合併について、東日本大震災を題材に、合併の影響がどのように現れたかについて分析したものである。基礎自治体が人口や面積が広大になることによって、 減災の側面ではどのような問題が生じたのか、合併市町村と非合併市町村を比較して、被災時、復旧時、復興時における対応の違いはどうかなどについて具体的事実に即した検証が行われている。

平成の大合併によって、住民サービスの低下や住民との距離拡大など、団体自治、住民自治の観点から地方自治の劣化が懸念されている。本書では、 現場のリーダーシップの大切さなど、「町村の自治」の重要性を読み取ることができる。

大災害は、その時代、その社会が持っている歪みや問題点を露わにするものと言われている。大震災が明らかにした平成の大合併の問題点を今こそ、しっかりと見据える必要がある。 将来の自治体の姿や今後の自治のあり方を考える上で様々な示唆を与えてくれる書である。必読を勧めたい。