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「農」と「食」の農商工連携―中山間地域の先端モデル 岩手県の現場から―

印刷用ページを表示する 掲載日:2010年3月8日

「農」と「食」の農商工連携―中山間地域の先端モデル 岩手県の現場から―

関 満博 著
新評論刊 定価3675円
電話 03-3202-7391

日本の〈地域〉を励まし続ける経済学者が、自立と産業化の興味深い取り組みを重ねる岩手県の〈現場〉から、中山間地域振興の先端を行く「岩手モデル」を抽出した注目作。序章は中山間地域の現状の概観。本編はテーマごとに6つの部(県の地域資源、農産物直売所、農村レストラン・農産物加工場、食品製造業、農商工連携の新展開、地域ぐるみの総合的取り組み)に分けられ、県内各地の取り組みを詳説。最後に終章で「岩手モデル」の今日的意義が整理される。

本書の問題意識は、①日本産業が現在大きな構造変化の局面を迎えつつあること、②近年の「農」と「食」への関心の高まりに応じた産業化が求められていること、③中山間地域ではこの20年、農村女性たちが地域自立の柱となってきたこと、である。とりわけ「農村の希望の星」といわれる農産物直売所、農村レストラン、農産物加工場の「3点セット」が、主として年配女性たちによって立ち上げられてきた歴史はきわめて興味深い。

岩手県はいまや、農業のみならず日本産業のフロンティアの様相を呈しつつある。本書が提示する「岩手モデル」の輝きは、人口減少、高齢化、基幹産業の疲弊など幾多の条件不利に悩む全国の中山間地域の人びとに、大きな励ましと示唆を与えるだろう。