ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > お知らせ > 分権政策法務の実践

分権政策法務の実践

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年5月29日

北村 喜宣・著 有斐閣
5,200円+税

分権政策法務の実践

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 本書は、地方分権と条例を中心とした政策法務のあり方について、理論と実践の両面から鋭く切り込んで解説したもの。「法令改革」の視点で辿る分権改革の系譜は、第一次分権改革以降の成果と課題を、現場の目線で理解する上で大いに参考になるであろう。

 急速な人口減少と高齢化は、空き家問題など地域の社会環境を激変させている。課題の解決には、国と自治体が役割分担の発想で臨むしかない。本書で主張される「委任」ではなく「分任」であるとの指摘は説得性を持つ。その意味で条例の制定は、法令の条文や中央政府の解釈のみに従って進める作業ではない。地域の実情に即した住民のための規範づくりが、最高法規である憲法に根拠を持つ自治の要であることを再認識する。緻密な理論解説とともに、筆者の価値判断も満載されている。なるほどと首肯できる点、別の解釈もあるのでは、と自問自答しながら読み進めてみたい。その思考過程が、分権時代に相応しい政策法務の実践だといえよう。日々法令に向き合う多くの自治体職員にお薦めしたい。