STEP4仕事を探そう
住まいが決まり、地元の人へのあいさつがすんだら、次は仕事探し。インターネットを生かしたビジネスや地域産業を新たに起こすなど、地方で上手に収入を得る方法を紹介。
POINT 1
都市近郊の企業に就職する
人が少なく自然が豊かな地域ほど、工場や会社はあまりないのが現状。企業への就職を考えている場合は、都会と地方の中間地域がおすすめだ。クルマで1時間程度なら十分通勤圏。都会ほど渋滞もないので、距離はあっても通勤は意外に楽。それなりの規模の町なら仕事の幅も広がる。仕事探しはハローワークが便利。仕事を紹介してくれる自治体もあるので、最新情報は常にチェックしておきたい。
POINT 2
起業に挑戦してみる
移住を期に思い切って起業するのもあり。古民家のおもむきを生かしたカフェやそば屋などの飲食店、パン屋などを始める人は多い。ゲストハウスや農家民宿なども地方ならではの環境が魅力になるだろう。また、農にかかわる仕事をしたくても、実際の農業はちょっと厳しそうだと思ったら、地元の農産物を使った加工品を製造して、新しい地域産業を起こす移住者もいる。起業により地方に産業が生まれ、活性化につながれば、これほど地域に貢献できることはない。
POINT 3
新規就農を目ざす
移住の目的に農業を挙げる人は少なくないが、未経験で始めて収入を得られるまでになるのは簡単ではない。作物を栽培する以前に、農地の確保や資材を準備するための資金など、クリアしなくてならないことは山ほどある。もしも本気で就農を考えているなら、少なくても農家で修業したり、農業大学校で知識を得たりしておくことは必要だ。新規就農者を対象に、1~2年の農業実習を助成している自治体もある。農業以外の収入源を確保し、半農半Xという選択もある。
POINT 4
在宅業務もあり!
パソコン1台あれば世界とつながれる時代。インターネットを利用したショップ展開ができれば地方に住みながらお客さんは全国に広がる。また、デザイナーやイラストレーターなどクリエイティブな仕事をフリーランスでしている人なら、自宅の一室を事務所にして場所を選ばず業務をこなせる。打ち合わせも納品も電話やメールで済ませられるので、都会のクライアントとそれまでと同じように取引できる。静かで自然豊かな地域の方が創作活動に打ち込めるかもしれない。
POINT 5
収入より暮らしを充実させる
移住の目的がそこに広がる自然を満喫することや自給的暮らしを充実させることだったら、安定した収入を求めて忙しく働くより、自分の時間を確保することを優先してもいいだろう。アルバイトや農家の手伝いなど短期的な仕事だったら、時期にもよるが何かしらはあるもの。それで必要最低限の生活費くらいは稼ぐことができる。自給率を高めようと思ったら、じつは働きに出ている時間も惜しいほどやることがたくさんあるのだ。仕事と暮らしのバランスを大切にしたい。
先輩の体験談まずは、起業したい地域に通って、創業の可能性をみつけるエコカレッジは、島根県の川本町と雲南市に店舗をもつインターネット古書店です。2001年に東京で創業し、2006年に大学院時代の研究で慣れ親しんでいた川本町に移転しました。地方ビジネスは、地方ならではのメリットがあります。たとえば、倉庫の賃料が東京の100分の1という破格の安さ。地元メディアに取り上げられることも多く、注目を集めやすい。また、若い創業案件が少ないので、自治体の支援や金融機関の融資も受けやすいです。ただ、起業を考えている人に注意してほしいのは、勢いだけで起業してはいけないということ。地方とはいえ、事業計画は念入りに。どんなにお金をかけてもいいので、まずは移住先にこまめに通い、地域資源を知り、創業の可能性を追求しましょう。仕事を辞めるのは、そのあとで問題ありません。